霜降る二月
土気を上げ奮い立つ氷柱神殿
踏み付け鳴らす冬のカチワリ
煎餅を齧るが如くで心地良く
神殿崩れ嘆きの史跡は耕作地
士気を挙げ二番煎じ踏破する
踏み付け跳ねる泥沼に怒る母
煎餅を齧り横になる心地良さ
洗濯物増え嘆きの母は稲妻化
花桃に浮かべる三月ひな祭り
紅白餅や金平糖の淡い色合い
ひなあられも甘いと思い食む
ひと口に私の考えが甘かった
雪見にこたつで突付く雪見鍋
牡丹雪降る窓見て作る牡丹鍋
霜降る寒さ鍋の肉にも霜降り
冬将軍と菜箸で語らう鍋奉行
紅梅に白雪の舞う冬の残り香
吐く息白く頬紅く鍋の残り香
君に告白涙目卒業恋の残り香
謝罪も白々しい浮気の残り香
積雪に黄色を散らす花粉の舞
早朝犬の散歩が立ち止まる柱
近所の親子はしゃぎ雪だるま
知らぬ仏触らぬ神の神仏習合