プロローグ
オタクな親父の魔法で作られた武具で、その息子が国王になる物語
初めての、小説です、誤字、脱字があるやもしれません、お気付きの方はお知らせ下さい。
オタク親子設定です、親子の世界の漫画、アニメ、特撮の武器や技が出てきますが、ベースは皆様のご存知の作品からです、名称やお話は可能な限り変えてありますが、この武器はあのアニメがネタだとか、あの技はあのキャラの技だなと、思い浮かべながら読んで頂ければと思います。
では、皆様、宜しくお願い致します。
魔法の移動ゲートから廃村の入口にたどり着く。
城の空気とは違う、湿り気を帯びた冷たく、そして邪悪な気配を含んだ風が吹いている。
「さあ、はじめようか」
村の中央に向かいつつ、腰に付けていたリンゴ大のモーニングスターの頭部分に似た、いくつかのトゲがある武器を頭上に投げる
宇宙移民軍と地球軍での戦争を描いたアニメに出てくるの人型巨大ロボットが使っていた武器がモデルだ。
「クラッシュ」
球体にトゲ射出のキーワードを唱える。
俺の言葉に反応して、球体が鈍く光りだす。
上空に投げた球体のからトゲの部分が四方八方に飛んで行く。
トゲには、ファイヤーアローの魔法が付与されている、そのため、トゲが着弾した廃屋等から火の手が上がりだす。
「次は」
村の中でもひときわ大きな建物、教会がある、その屋根に向け兜に付いた大きめのナイフのような飾りに手を当てる。
「アイアンスラッガー」
声と同時に飾りが高速で飛んで行き、教会の屋根を破壊する、その衝撃でレンガ造りの壁が崩れていく。
「こんなところかな」
戻って来た兜飾りを整えながら様子を伺う。
月明かりと燃える廃屋の炎に照らし出されながら、魔物の群れが崩れかけた教会から姿をあらわした。
本来なら、教会ごと破壊してしまえば、楽なのだが後から来る仲間が回収しなければいけない物があるらしく、面倒だが表に誘い出したのだ。
20匹ほどのゴブリンが慌てて飛び出して来た後、オーガがゆっくりと出てくる。
俺は、奴らから20メートルほどの位置で片手に持っていた松明をゴブリン達に投げつけた。
投げた松明は、ゴブリン達の手前で落ちた。
それを見た、ゴブリン達は、こちらを指差しあざけ笑いながら、粗末な武器を構え始めた。
「まあ、注目させるための囮だからな」
そう思いながら装備している鎧には不釣り合いな大きな両腕を前に出す。
「くらえ! ミサイルナックル」
突き出した両手の籠手が、炎を噴き出しながら、オーガの前に集まっていたゴブリンの群れに飛んでいく。
突然飛んで来た、空飛ぶ拳に避ける間もなく、吹き飛ばされていくゴブリン達。
間髪入れずに、鎧の胸にある「M」形の飾りに魔力を込め叫ぶ。
「ブレストブリザード」
胸から放たれた、青白い閃光が、空飛ぶ拳から生き残ったゴブリン達を凍結していく。
「ギザマ、許さんぞっ」
突然の攻撃で前衛を失ったオーガは、片手に持った巨大な斧を振り回し、凍りついたゴブリンを踏み潰しながら突進して来くる。
俺は、、腰に装備した鞘から剣を手に取り、刃を触りながら呟いた。
「レイザーソード•••」
その言葉に応えるように、刀身が青く輝き始める。
「グゥオガァ」
剣から視線を戻したとほぼ同時に、オーガの斧が振り下ろされた。
地面が砕け散り、土埃が舞い上がる。
オーガが勝利を確信した次の瞬間、斧と両手が地面に落ちた。
何が起きたのか分からないオーガが後ずさりした、刹那、首に焼けるような痛みと声を聞いた。
「遅いよ」
オーガが崩れ落ちるのを、横目で見ながら、剣を腰の鞘に戻し、兜を脱ぎイヤリング状のアイテムで、秘書にメッセージを送る。
「ゲートを繋いでくれ。」
すぐに聞き慣れた美しい声でメッセージが返ってくる。
「承知しました、少々お待ち下さいね。」
ゲート出現の揺らぎを確認し、最初に飛ばした籠手を回収しながら、俺は、今は亡き親父に愚痴を呟いていた。
「この籠手、呼んだら戻ってくるとか出来なかったかな、連続で使えないじゃん」
「威力はあるけど、初見殺しなんだよなぁ~、まあ、巨大ロボイメージの装備だし仕方ないのは分かるけど•••」
そうする間に、ゲートが繋がり、霧がかかったような風景と秘書の姿が向こうに見えた。
「でも、感謝してるぜ! 親父」
そう思いながら、俺は鎧の胸を叩き、ゲートに入って行った。