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姉妹ゲンカ勃発

狭く閉ざされた洞窟内で必殺技をぶつけ合う二人の魔族。

「トルネードクラッシャー」

風神子を中心にして竜巻が発生する。風神子は野球のピッチャーのように構える。

どうやらサウスポーらしい。大きく振りかぶって~投げる!

圧縮された竜巻が雷神子目掛けて蛇行しながら進んでいく。

雷光多連弾らいこうたれんだん

雷神子を中心に時計の数字の位置に12個のバレーボール大の雷球が配置される。

雷神子も野球のピッチャー、こちらは右投げらしい。大きく振りかぶって~投げる。

雷球は反時計回りにボボボボボと音を放ちながら連弾していく。

最初の雷球が竜巻に当たる。竜巻に巻き込まれた雷球はバシュ!っと音を立てながら

分解されていく。2発、3発と連続に当たっていき、最後の12発目が当たった頃は

竜巻は勢いを失い消滅した。

「二人共、やめろって!」

大声で叫ぶが風と雷の音で声が届かない。

「レニー、私はまだ奥に進んでくるから」

「ちょ、ちょっと待ってJB。危ないって!引き返そうって!」

「なぜ、奥に行くのかって?ふっ、そこに中華があるからさ」

あの顔つき。中華ハイのスイッチが入ってる顔だ。

ダメだ、中華ハイ状態のJBは何を言っても中華に変換しやがる。

ソフトボールくらいの大きな石が顔の横を通り過ぎ後ろの壁に当たり砕け散る。

どうするレニー。JBと一緒に洞窟の奥まで行くか、それともJBを残して

洞窟の外に逃げるか・・・中華ハイ状態のJBは絶対に俺っちより中華を取るだろう。

今のJBの脳内は 中華は人命より重し だから。

「よし、JBを残して逃げよう」

ドーン!鳴り響く大きな音と飛び立つ鳥。そしてゆれる地面。

「んっ?地震か?」

「和尚!洞窟の中から煙が出てるキー」

「いったい洞窟内で何が起こってやがる」

そうぜつな姉妹喧嘩が起こってますよ。結界が壊され逃げるモモのすけたち。

「俺の背中は色白でピチピチの可愛い女の子のためのものだが、超緊急事態だ」

背中にサゴチッチを背負い逃げるモモのすけ。

「何のために警戒態勢を敷いたカッパ」

「だってよ~風神子ちゃんがどストライクで

俺のモモキュンソードが反応しちゃったのよ」

「モモのすけ・・・お前ってやつはキー」

「最低だワン・・・」

「とにかく・・・今は全力で出口まで走れ!」

揺れる洞窟内。天井からパラパラと落ちてくる小石。

「タイフーンプレスボム」

風神子は手のひらを上にして荷物を棚の上に置くような感じで

両手を下から上へあげる。

地面にある小石が上に吸い上げられる。

洞窟の天井辺りで圧縮された空気が壁を作っている。

圧縮された空気の壁に小石が当たり砕け散る。

手の平を下にして両手を勢いよく振りぬく。

圧縮された空気の壁が雷神子に落とされる。

雷帝鉄人打らいていきぬがさ

雷神子の後ろに野球帽を被ったもみ上げの濃い右打ちのバッターのシルエットが

雷で形成される。右打ちの格好をした雷神子とシルエットが重なる。

そして上目掛けてフルスイング!

カキーン!というボールがバットに当たるような音が響き渡る。

空気の壁が真っ二つに引き裂かれる際、ワーワーというホームランを打ったときの

観客の声援みたいな音がした。

「やるわね、雷神子」

「お前もな、風神子」

ニヤリと笑う二人。

「もうどっち綺麗とかじゃなく、どちらが強いかに変わってるじゃん!」

台風のような風に巻き上げられた小石がぶつかってくる。

「痛ててて」

目を開けていられない。出口がわからない。何も出来ない、動けない。

88と出会ってからまだ2週間も経っていないのに俺っちは何度死に掛けた?

バンドメンバーを集めるだけの簡単なお仕事だったはずだ。

どうにもこうにもこれは今までにないくらいの命のピンチだ。

『お守りみたいなもんだよ、失くすなよ~』

ふと、ドラロンが言っていた言葉を思い出した。

「何がお守りだよ・・・ははは」

ドラロンからもらった右手にはめているブレスレットが光出す。

俺っちの周りを緑色の光が包み込み球体を形成する。

小石は球体の外側で跳ね返されている。

「これは・・・」

ナイス!ドラロン。このブレスレット、マジお守りじゃんよ~。

前が見える!歩ける!このまま洞窟の外まで走って逃げれる!

「助かる!」

ドーン!洞窟の入り口から煙が吐き出される。

遠くで洞窟の入り口を見張っている三三蔵蔵。

「おっ、出てきやがった」

モモのすけ達が洞窟の中から走り出てきた。

「ぷはーっ助かったぁ。みんな無事か!」

「キー」「ワン」「カッパ」

モモのすけはちょっと不満気な顔で

「君のためなら死ねるって、言っただけなのにな~」

必死に洞窟を駆け上がる俺っち。

今日ほど29才ではなく15才の若い体であることをありがたく思ったことはない。

外の明かりが見えてきた。あとどれくらいだ。あと20メートルくらいか?

   ●

最下層ではドグマが放った紫色の謎の物体により変化したキメラが

全ての生物の取り込みを完了したところだった。

大きく成長している。10体ほどのサラマンダータイガーの頭が人型の体の回りを

円形に取り囲んでいる。これで360度全方向に炎が発射可能である。

メルティピッグの足とサラマンダータイガーの足が増えている。

胴体がサラマンダータイガーの頭だらけの8本足の蛸状態である。

   ●

風神子は目を閉じ、OKサインの右手を下向きにして下、

OKサインの左手を上向きで上にして胸の前に構える。

わっかの部分の親指が触れている。右足を4の字に曲げ静かに開眼する。

桜の花びらのようなピンク色の無数の刃が宙を舞う。風神子を中心にして

頭から上は右向き、足から下は左向きへ風が高速回転する。

風に吸い込まれていくピンクの刃。高速回転するピンクの刃が洞窟の岩肌を

ゴリゴリと削り取っていく。

左半身に構え右手を前に左手を後ろにゆくりと移動させる。

その動きに合わせて頭部の竜巻が後ろに足元の竜巻は前に移動する。

横向きになった竜巻は洞窟を掘削する機械のように周りの壁をゴリゴリ削る。

弓を構えるような格好の風神子が静かに発する。

「奥義 超美桜吹雪ちょうびさくらふぶきブロッサムストーム」

解き放たれた竜巻は一直線に雷神子目掛けて放たれた。

雷神子は目を閉じ、OKサインの右手を上向きにして上、

OKサインの左手を下向きで下にして胸の前に構える。

わっかの部分の親指が触れている。左足を4の字に曲げ静かに開眼する。

多数のプラズマが発生する。雷神子自身がその場でクルクルと回りだすと

発生したプラズマが雷神子の方へ吸い寄せられていく。

どんどん回転は加速していく。空中に舞う小石はプラズマに触れた瞬間破壊される。

洞窟の壁はプラズマの熱で石から光輝く宝石へと変換されていく。

高速回転しながが右手を上に左手を上にゆくりと移動させる。

部上で右手の親指と人差し指、左手の親指と一人差し指を接触させ

メガネのような形を作る。雷神子が静かに発する。

「奥義 サンダーボルトスピン 超電磁螺旋弾ちょうでんじらせんだん

雷神子の頭上から高速回転するプラズマが虹のような弧を描きながら

風神子目掛けて放たれた。

ドッゴーン!(二つの奥義がぶつかった音)

激突する二つの奥義。ビッグバン。一瞬だが宇宙みたいなものが見えた。

走って走って走りまくって~出口まであと10メートルくらいか。

先に逃げた先行者パーティが見える。あと5メートル・・助かっ・・・

ドッゴーン!(二つの奥義がぶつかった音)

洞窟の奥から何か大きなものが衝突したヤバイ音、大きな揺れ。天井が崩れ落ちる。

あと少し、あと少しのところで・・・スローモーションな世界。

「くそったれ!」

ガクン!後ろから蹴られた衝撃。急に加速し球体は洞窟の外へ飛び出る。

振り向いてみると2体の人型の式神が

あの有名サッカー漫画のツインシュートの形で止まっている。

キメラは周りを見渡し、まだ生物がいないか、肉が落ちていないかを探し始めた。

時々発生する地震により天井からパラパラと大小様々な石が落ちてくる。

周りに何もないことを理解したキメラは洞窟の上層へ向かおうと移動し始めた。

上の階層入り口あたりで焼け焦げたメルティピッグの肉片を見つける。

ニヤリと笑い近寄るキメラ。食べようとしたとき、にょきっと人間の手が肉片を掴む。

「やった!メルティピッグの肉ゲットだぜ!」

目と目が合うキメラとJB。

キメラの咆哮と同時に10体以上のサラマンダータイガーの口からJB目掛けて

業火と化したの炎が襲い掛かる。背中に背負っていたサラ鍋でとっさに防御するJB。

炎の勢いに押され10メートルほど吹っ飛ばされるJB。

とっさに背後に直径3メートルほどのエアバッグのような物を

魔法で出し、ショックを吸収する。さすがS級魔道士!

サラ鍋には傷一つ付いていない。さすが、元サラマンダーシールド。

キメラが大きく息を吸い込んでいる。第二波の攻撃が来る!

ドッゴーン!(二つの奥義がぶつかった音)

最下層の天井に亀裂が入る。洞窟の陥没と同時に天井が崩落する。

大きな岩と化した天井は運よくJBを避けキメラの頭上に落ちた。

グシャっと鈍い音とともに下敷きになり潰れるキメラ。

「何だ今のモンスターは…?」

ボゴアっ!洞窟の上の土地が陥没し、山が低くなる。

どんな感じに低くなったかというと、

例えば、上から赤、青、黄、緑と四段階に色分けされた三角形があるとする。

横から見ると青の部分をだるま落としでスコーンと弾き飛ばし

赤がそのまま黄に落ちてきた形である。

あがる土煙。崩れ落ちる洞窟。2体の人型の式神は瓦礫の下敷きに。

「危なかったな~ボウズ。

俺達がいなかったら今頃下敷きになってたな、感謝してくれよ」

元はと言えば、こいつ(モモのすけ)の風神子に対する

軽率な行為がキッカケだっただけに素直に感謝できない、というより怒りすら感じる。

遠くで様子を伺っていた三三蔵蔵は驚愕する。

「おいおい、すげぇ範囲で陥没したぞ。まるでだるま落としだな」

助かった・・・遅れて安堵の気持ちがこみ上げてくる。

紙一重だった。震えが止まらない。大災害に巻き込まれ間一髪難を逃れたとき、

人はこういう気持ちになるのだろう。

俺っちを包んでいた緑色の球体の光が消えていく。

ドラロンからもらったこの腕輪が無ければ確実に死んでいた。

本当にお守りでしたよ、ドラロン、いやドラロン様。

「あっ!そうだ、JB!」

もっと奥へ行ったJBは無事だろうか。

これが終わったら結婚するとかは言ってなかったな。

死亡フラグは立っていなかったがこれが終わったらドラマーとしてバンドに参加して

もらいたかったのに残念だ。さすがにこの崩落では助からないか。

「あのチャーハンをもう食べることができないのか。本当に幻になっちまうなんて」

「そんなに私が作ったチャーハンは美味しいのかね?」

「美味しいもなんもあれはもうドラッグ、合法ドラッグっすね」

「いや~照れますね~」

「ん?JB!何で生きてんの!」

ニコニコ笑顔のJBが俺っちの左隣に立っている!

「レニー見てよ~、手に入ちゃったよ~メルティピッグの肉ぅ」

レンガほどの肉の塊を手に持ちニッコニコなJB。

「ん?JB!何で生きてんの!」

頭が混乱すると人は同じ質問をするらしい。

「転移魔法を使っただけですよ」

「転移魔法?使えるんっすか?」

「使えますよ。言ってませんでしたっけ?」

聞いてないよ~!転移魔法で脱出ができるならJBについていってた方が

安全だったかも・・・いや、中華ハイ状態のJBは

肉と俺っちのどちらを取るかの状況になったなら、迷わず肉を取るはず。

結果論になるが助かったわけだからJBについて行かなくて正解だった。

「どうやら肉を手に入れたようだな」

JBが手に持っているメルティピッグの肉の塊を確認した三三蔵蔵は

「当初の予定通り、先に入っていったあのパーティを狙う」

「いつものように決行は俺様の術が最大限になる夜になってからだ。

お前ら準備しな!」

「了解キー」「了解ブヒ!」「了解キジ!」

何はともあれJBが生きていて良かった。そして肉も手に入れたということは

これでバンドメンバーが揃うってことだ。しかし、マジで命がけだったよ。

バンドメンバーを揃えるってこんなに大変なことでしたっけ?

「風神子ちゃん、雷神子ちゃんは無事だろうか・・・」

心配そうなモモのすけ。

ガリガリガリガリガリガリガリガリ!掘削して進んでいるような大きな音。

ドーン!山頂から何かが飛び出して空中で静止する。

四本の腕、左半分が白、右半分が黒。顔は般若で顔の模様は黒と白の太極旗。

髪の毛は無い。顔は左半分が黒、右半分が白。筋肉隆々の上半身はスポーツブラ。

腰には白黒のしめ縄が巻いてあり背中で大きな蝶々結びがされている。

ズボンはニッカボッカのようなダブダブ。モモのすけの顔が青ざめている。

遠くで様子を見ていた三三蔵蔵も

「ありゃ~無茶苦茶強そうな魔族だな。あいつら死んだな」

魔族はゆっくりと俺っちの前へ降りてきた。

圧が凄い~!動こうとしても動けない。これが本当の魔族の威圧感というものか。

100%の死が目の前にいる、そんな感じの威圧感だ。

しかし、ドラロンや88からはこの威圧感を感じないのはなぜだろうか?

JBはメルティピッグの肉に頬ずりしながらニコニコしている。

中華ハイ状態はこの威圧にも耐えるのか。

「初めましてレニー」

なぜ、この魔族は俺っちの名を知っている。

「あたしの名は阿修羅子。風神子と雷神子の姉と言えばわかるかしら?」

あっ、そういえば風神子と雷神子には姉がいる、3姉妹だと言ってたっけ。

むっちゃ怖いですやん、お姉さん。

「は、初めましてっす、阿修羅子さん」

「レニーが死んだらメルト様の叱責を受けるところだったわね」

ん?今メルト様とおっしゃいましたか?

あの無茶苦茶強かった風神子と雷神子ですら88と呼んでいたのに。

メルトの名を言うことを許された魔族ということは

それなりの強さということでよろしいザマスか?

「まったくあの子達ときたら些細なことで喧嘩して・・・」

阿修羅子はモモのすけを睨みつける。

「お前の馬鹿な一言がキッカケでこうなったのだ。さて、どうしたものか」

「レニー君を間一髪で助けたのは、俺・・いや、わたくしの式神でして!

ねっ、ねっ、レニー君も言ってあげて」

「本当かい、レニー?」

「ええ、まあ、本当っす」

「ふん、今回はレニーを助けてくれたことに免じて許してあげるわ。

とっとと消えなさい」

「し、失礼しましたぁ!」

猛ダッシュで逃げるモモのすけ達。

「馬鹿な妹達のお詫びといっては何だが転移魔法でマダラスカルまで送ってあげよう」

「あ、あざっーす!」

でも、風神子と雷神子はいったいどこへ行ってしまったのだろう。

「おっ、ジャックス達、魔族の転移魔法でどこかへ行っちまったな」

西の空が赤く染まり始める。あともう少しで夜がくる。

「どの道、ジャックス・ブルーのパーティは対象外だったからな」

ニヤリと笑いながら顎鬚をさする三三蔵蔵。

「さあ、狩りの時間だ」

瓦礫の山の隙間から出てきた大きさ10センチほどの紫色のナメクジが一匹。

岩をつたいゆっくりと逃げていく。

阿修羅子の転移魔法でマダラスカルのJB中華飯店に帰ってきた俺っちとJB。

「迷惑掛けたね」

「とんでもねーっす!ところで風神子さん、雷神子さんはどこに行ったんっすか?」

「ああ、あの子達ね。ちょっと待っててね」

そう言うと阿修羅子は左右に分裂し始めた。

分裂した体はそれぞれ白が風神子、黒が雷神子に変身した。

「生きていて良かったわ、レニー」

「ごめん、お前のこと忘れてたぜ」

マジ!阿修羅子って風神子と雷神子が合体していたのかよ!

まぜんなーきけんだーの二体で一体の魔族ってか!

「ついヒートアップしてしまって」

「お互い奥義をぶつけ合うなんて久しぶりだったよな~」

「私達だけでは洞窟から脱出できなくなってしまったので姉様に助けてもらったの」

「姉様と会ったのも久しぶりだよな~相変わらず強かったな~さすが姉様」

「結局、どっちが綺麗かは決着が着かなかったわね、雷神子」

「そうだな、でも久しぶりに大暴れして気持ち良かったな、風神子」

どっちが綺麗?どっちが強いかの間違いでは?

「そうっすね、どっちも綺麗っていうか、むしろ今のままの方が綺麗っすね」

「レニー、忠告しておくけど姉様の前で

私達の方が可愛いとか綺麗とか言うと殺されますわよ」

「ああ禁句だな。姉様、何気に気にしてるもんな~それ」

「りょ、了解っす。気をつけるっす!」

できれば、姉様にはならずにそのままの綺麗で可愛い風神子、雷神子でいて欲しい。

「楽しかったですわ、じゃあね、レニー」

「楽しかったぜ、またな、レニー」

「ちょっと待って、帰る前にチャーハン食べてってー」

サラ鍋を使いメルティピッグの肉が入ったチャーハンをちゃちゃと作るJB。

「アイヨ、幻のチャーハン3人前!」

これが幻のチャーハンか。

「いただきます!」

皆、天にも昇る表情になる。この肉、マジうま!そしてこのチャーハン・・・

レ「うまっ」風「うまっ」雷「うまっ」

魔族をも虜にしてしまうJBのチャーハン。

世界を平和にするのは勇者でも神様でもなく

案外、JBのチャーハンだったりするかもしれない。

転移魔法を使って帰る風神子、雷神子。

転移魔法が使えるなら最初から使って欲しかったぜ・・・。

「ところでJB、バンド参加の件っすけど・・・」

「約束通りバンドに参加しよう。ただし、お店が休みのときだけに限らせて欲しい」

「問題ないっす!」

よっしゃーっ!これでJBのバンド参加が決定した。

アッキー、バンドメンバーって死ぬ気で集めないとダメだったんだな。

『ばーか、死ぬ気で集めなくても集まるって』

って、アッキーならバカ笑いしながら言うかな。

さあ、あとはドラロンが暴走しないまともなドラムを完成させるだけだ。

頼むぜ、魔族の名工ドラロンさんよ、ロックンロール!

   ●

「やはりこの形がしっくりくるな」

額の汗をぬぐいながら完成したDG3を満足気に見るドラロン。

「ガンガン、メルトに完成したと連絡してくれ」

「はい、マスター」

「レニーのやつ、こいつを見たら度肝を抜かすぜ!」

   ●

ステータス画面を確認する俺っち。

あんなに死ぬ目にあったってのに・・・

「冒険者ランクが空白のままだとぉぉぉぉ!」

本当にギルドの依頼を受けないと冒険者ランクって表示されないのね。

あっ、ちなみにステータスも全然変わんねーっす。

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