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モモのすけご一行様

うっそうとした森の中を歩く3人組のパーティ。

猿獣人の男が先頭を歩くヒューマンに何か言っている。

「モモのすけ、ちょっと待ってキー」

「どうしたモンモン」

「サゴチッチが見当たらないキー」

犬が臭いを嗅ぐ動作。

「こっちから臭いがするワン」

モモのすけと呼ばれた男。

身長175センチくらいの中肉中背細マッチョ。

普通の侍の格好で上着はピンク色である。

髪型はポニーテール。足は足袋を履き草履である。

そうだな・・・簡単にいうとピンク色の上着を着た普通の侍って感じかな。

モンモンと呼ばれた猿獣人。

身長は普通150センチくらいの猿人。首から下は黒の忍者の衣装。

赤いベストを羽織っており背中には白字で大きく 飛 の1文字。足は素足。

そうだな・・・簡単にいうと赤いベストを着た忍者猿って感じかな。

ワンセブンと呼ばれた犬獣人。

身長は190センチくらい。顔は秋田犬。

全身は白。金属製の赤い首輪を2個付けている。

服装は神社の宮司。足は足袋を履き草履である。

そうだな・・・簡単にいうと神社の宮司の格好をした立って歩く大型犬って感じかな。

背丈ほどの草を掻き分け臭いのする方向へ行ってみると

サンリ○キャラっぽい可愛いカッパが倒れていた。

「み・・・水・・・」

「おい、大丈夫かサゴチッチ。おい、誰か水持ってねーか?」

「持ってないキー」

「頭の皿が乾いてやがる。危ない状態だな。仕方ない、しょんべんでもかけるか」

「や・・・やめてぇ・・・こ・・・この先に水が・・・」

「本当だワン。水の臭いがするワン」

「しゃーねーなー。モンモン、お前、サゴチッチをおんぶしてやれ」

「えー何で俺がキー。ここはモモのすけが男気を見せるところキー」

「ばかやろう!俺の背中は色白でピチピチの可愛い子のためのものだ!

干からびて死にそうな変な生き物のためのものじゃねーんだよ!」

「モモのすけ・・・お前ってやつはキー」

「最低だワン・・・」

クンクンと水の臭いを嗅ぎながらパーティの先頭を歩くワンセブン。

サゴチッチを背負いながらパーティの真ん中を歩くモンモン。

「しんがりは任せとけ。このモモから生まれたモモのすけが背後を警戒してやるから」

歌いながらパーティの最後尾を歩くモモのすけ。

「モモのすけ~モモのすけ~あそこについてる2個団子~1つ私にくださいな~

あ~げません、あげません、これからあの子とランデブー、

1つたりともあげません~っと」

「歌うのやめろキー、モンスターが寄ってくるキー」

「大丈夫だって。そんときゃ~サゴチッチ置いてスタコラすればいいって」

「モモのすけ・・・お前ってやつはキー」

「最低だワン・・・」

歩くこと30分程度、大きなへ湖へ出た。サゴチッチを背負ったまま

湖の中へ腰まで入っていくモンモン。そしてサゴチッチを水の中につける。

「これで一安心だキー」

振り返って帰ろうとしたモンモンの背後から

ボバシャー!と水しぶきが上がり大蛇が現れた。

かま首を持ち上げている姿は高さにして3~4メートル。

マンションの2階程度の高さ。

頭の大きさはスーパーにある買い物カートくらいか。

実は水場は大変危険な場所なのだ。

水を飲みにやってくる獲物を捕食者が待ち構えている。

大蛇は大きな口を開け、モンモン目掛けて襲い掛かる。

ポプシュ!水の中から大蛇目掛けて半月状のウォーターカッターが放たれる。

ザクシュ!ウォーターカッターは大蛇の首に当たり突きぬけて行く。

大蛇の頭はずり落ち水の中にボッチャーン。

切断された胴体は数秒うねうねと動いた後、水の中にバシャーンと落ちた。

あたり一面は大蛇の赤い血で水が真っ赤に染まる。

真っ赤になった水面からカッパの皿が浮かびあがり、

怖い顔のカッパがぬるりと顔を出す。う~ん、地獄の黙示録。

「危なかったな」

水中から上半身を出したその姿は可愛らしかった姿ではなく

筋肉隆々の悪魔顔、怖すぎる河童である。

「モモのすけ、お前、俺の皿にしょんべんかけようとしやがって!」

語尾のカッパ口調もなくなり超怖モードのサゴチッチ。

サゴチッチは両手を合わせ口元へ持っていくと指先をモモのすけの方へ向けた。

両親指を曲げ山の形にしながらほっぺを膨らませる。

「やめろ!俺にウォーターカッターを向けるんじゃねぇ!

かーちゃんに教わらなかったのか!人様に刃物を向けるるなって」

「モンスターが来たら俺を置いてスタコラとかも言ってなかったか」

「ジョークだよ、ジョーク。水辺まで連れてきてやったんだから許せ、メンゴ!」

「背負ってここまで来てくれたのはモンモンだ!」

「モモのすけ・・・お前ってやつはキー」

「最低だワン・・・」

「調度いい。今日はここでキャンプにしよう」

日が落ちる少し前の時間帯、夕まずめ。薪火で炙られている大蛇の肉。

大蛇の肉から脂が垂れ焚き火に落ちパチパチと音をたてる。

焚き火の周りには数匹の魚の串刺しもある。

「ワンセブン、結界は張り終えたか?」

「大丈夫ワン。この辺に住んでいるモンスターレベルなら入ってこれないワン」

「サゴチッチ、水中はどうだ~」

「結界内にモンスターはいない。万が一に備え俺の術で網を張ってる」

モモのすけは上空を見上げながら

「そっちはどうよモンモン」

10階建てマンションくらいの高さのところで細い棒の先端部につかまり

周囲を警戒しているモンモン。

「縮め棒キー」

縮む棒と一緒に上空からモンモンが降りてきた。

「大丈夫キー。周囲に怪しい気配はなかったキー」

「念のためにモンモンのコピーを数体放って警備させようぜ」

「嫌だキー、あれやるとかみの毛が少なくなるキー。

モモのすけのかみを使えばいいキー」

「えーっかみがもったいないじゃん・・・しゃーねーな~」

モモのすけはお腰につけた布袋の中から人型に切られた紙を

数枚取り出し地面に並べた。

「5枚あれば十分か」

5枚の紙の上に団子のようなものを置き、目を閉じ合掌する。

気毘きび団子を供物とし顕現せよ!」

団子は紙の中に消えていく。そして紙はすう~と起き上がり140センチくらいの

大きさに立体化した。紙人形たちはヨタヨタと歩きながら散開した。

「用心に越したことはねぇからな。

よーしっ、これだけやれば安全だな。メシにしようぜ!」

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