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中華ロー

事件の翌日。

JB中華飯店の臨時休業のお知らせ 店主都合により1週間臨時休業いたします。

「マジかよ~・・・」

JBの店の貼紙を見て残念そうに帰るタイガックス。

静まりかえった店内。がっくりと肩を落とし椅子に座っているJB。

ザンスーとあややの活躍(犯罪行為とも言ふ)により、

バンド活動をすることになったJBだったが目の前にいるJBは

「ドラム?それは中華なの?」

「いえ、中華ではないっす」

「叩く?それは中華なの?」

「いえ、中華ではないっす」

このやり取りをかれこれ1時間ほどやっている。

この状態のJBを俺っちは中華ローと名付けたよ。

今朝の宿屋フローネの俺っちの部屋。

「下見が重要なの!」

とか言いスーザンは早々に仕事場(サイボーグ競馬場)へ行っている。

「打ち合わせに参加したら毒を盛っていいのかえ?」

「ダメっす」

和服姿で町を歩くのは目立つので現地に合わせ西洋風の衣装に変えてもらったが

とても可愛い、毒を盛らなければ。

ベイクドチーズケーキの空き皿が20皿くらい積んである。

ソファーで横になって鼻ちょうちんを出しながら寝ているクワーマンは・・・

やめておこう。どうせ打ち合わせ中も

「オラわかんねぇだべ」

しか言わないだろうから。お金・・・足りるかな・・・。

早くライブして88からギャラをもらわないと。JBの店に一人で行く前に

ドラロンのところでもらった呪いのぬいぐるみを道具屋に売って・・・

あれ?無い?確かこの袋に・・・あっ。

午前10時、複数のサイボーグ馬がすげぇスピードで走っているところ、

そう、ここはサイボーグ競馬場。

「嫌よ、JBとの打ち合わせはあんた一人で行けばいいじゃない」

右耳に赤ペンを乗せ、オッズ表を真剣に見ているシスタースーザン。

もうすっかり競馬場に溶け込んでいる。

「っていうより、あんたお金持ってない?次のレース当たりそうなやつあんのよね」

「もう金が無くなったのかよ!」

昨日、JBの店で聖水という名の解毒剤を10本売りつけ、

追加の1本を2倍の値段で俺っちに売りつけたから金貨12枚稼いだはずだが。

「ギャンブルに使うお金を貸す気はないよ。て言うより、お前、売っただろ?」

「はぁ?何の事かしら?」

「俺っちの袋の中にあった呪いのぬいぐるみだよ」

「チっ!ばれたか・・・。黙って見てなさいよ。次のレースを当てて返してあげるから」

舌打ちしやがったな~でももう驚かないね、慣れちゃったから。

そのうち冒険者ギルドの掲示板に窃盗、詐欺、その他の罪状が記載された

シスターを語る極悪人の指名手配書が掲載される日が来るに違いない。

まもなく第3レースが始まります。次レースの場内アナウンスが流れる。

「見てなさいよレニー、わたしのシスターとしての力を」

第3レース終了後。

「ねぇ、レニー。私に投資してみない?」

見せてもらいました、シスターとしての力とやらを。

こりゃ~いつものように今日の夕方に全財産をスって帰ってくるね。

とまあ、こんな具合で結局俺っち一人でJBの元へ来ることになったわけだが

中華ロー状態のJBともまともな打ち合わせができるわけもなく。

まあいい。最終手段は88に頼んで魔法でちょちょいとJBを洗脳すればいい。

世の中はキレイ事だけでは先に進まないこともあるのよ、と

神に仕えしシスターもおっしゃってたし。

88に連絡して今後の判断を仰ぐことにするか。スイッチオーン!

たらりらりらーん、りらりららーん。

魔王城の薄暗い通路。

メイド服姿をした1メートルくらいのうさぎのぬいぐるみが2体働いている。

通路を歩いている魔族が二人。恵比寿丸と88である。

先頭を恵比寿丸。2メートルほど後方を88が歩いている。

「ミッキーに呼び出されてね」

手には至急魔王城に来られたしと書かれたプラカードを持った呪いのぬいぐるみ。

ぽいっと捨てると呪いのぬいぐるみはスタタと走って

逃げ去ろうとしたが掃除をしているメイド姿のうさぎのぬいぐるみに

ビタン!とほうきで叩かれ塵取りに入れられた。

「そう言えば、今日はスリーサイズ何とかと言ってた魔族を見かけないね」

「私が処分いたしました」

「あ、そうなの。久しぶりに8式をぶっ放せると思ったのに」

「お戯れを」

ラスボス1歩手前的な重厚なドアの前。

左右には大きなテディベアっぽい熊のぬいぐるみ。

身長は3メートル。東大寺南大門仁王像のようなポーズを取っている。

左の赤い熊の左胸には名札であぎょうちゃん。

右の青い熊の左胸には名札でうんぎょうくん。

「あれ?こんな子達いたっけ?」

「10年ほど前にミッキー様がお作りになりました」

88がドアに近づくと2体の熊の表情は仁王の形相に変わる。

88を覗き込むように体をかがめると一瞬にして恐怖の表情へと変わり

足元をガタガタと震わせ元の位置に戻り直立不動で敬礼の格好に。

「スリーサイズ何とかよりは強そうだね」

88がドアを開けて入ろうとしたそのとき、

たらりらりらーん、りらりららーん。

「ミッキーにはまた今度と言っといてよ」

「かしこまりました」

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