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扶養家族とハクション大爆発

DG1暴走の次の日の朝。

「ありがとう、そこに置いといて」

当たり前のようにモーニングサービスを注文するスーザン。

「俺っちから金貨5枚奪ったから金あんだろう!出ていけよ」

「無いわよ!無くなったのよ。シスターの私からお金を取るなんて最低!」

外見は15才だが中身は29才。転生前の俺っちはチェリじゃねぇからよ~。

前回は不覚を取ったが次回はそうはいかねーからな!

「わらわはベイクドチーズケーキを5個追加で頼むぞえ」

今朝ふらっと転移魔法でやってきた綾姫がスーザンのモーニングセットにあった

ベイクドチーズケーキを偶然食べたことがきっかけだった。

「ベイクドチーズケーキとやらは最高じゃな」

もちろん支払いは俺っちもちで。

こっちは見た目は小学生だが魔族だし魔琴ちゃんが不気味だから泣き寝入りだな。

そういえば、今朝は魔琴ちゃんを連れてきていない。理由をきくと

「たまには一人で散歩に行きたいときもあるじゃろ」

ベイクドチーズケーキを美味しそうに頬張りニカっと笑う顔は可愛らしいが

忘れちゃいけない、やつは毒殺姫。隙を見せれば朝食に毒を盛りかねない。

ある意味、今朝は緊張感のある朝食だったりする。

「りんごとハチミツとろ~り入ったコーンスープをもう一皿お願いするだべ」

なぜか俺っちといっしょにいるクワーマン。

まあ、村では少々厄介者扱いされていたしな。なんとなく村へ帰るのが嫌なのだろう。

スーザンや彩姫に比べればバカ舌なだけで当面は大きな被害はないだろう。

「あー・・・JBをどうやって仲間に引き込めばいいんだ」

何気に心の声が口に出た。スーザンが彩姫の耳元で何かしゃべっている。

彩姫の頭の上にびっくりマークが出る。

きょとんとした表情を一瞬した後、目を輝かせ

「ザンスー、お主も悪よのぉ~」

「あややほどではございませぬ」

君たちはいつから、ザンスー、あややと呼ぶ仲に?

「ベイクドチーズケーキを5個追加じゃ」

ザンスーとあややの極悪コンビに毎朝たかられるのもお金がかかる。

あと半分くらい金貨は残っているが

1日も早くJBをバンドに引き入れライブをしなければ。

シスターのコスプレをしたギャンブル依存症。

すぐに毒殺したがるサイコパス。

なんにでもりんごとハチミツを入れるバカ舌。

早々にこいつらとの生活にピリオドを打たねば。

「ではさらばじゃ」

30個を食べ満足したのか帰っていくあややこと彩姫。

1個銀貨3枚で30個だから純銀貨9枚(9千円)・・・冗談じゃない。

「じゃ、私は仕事に出かけてくるから」

「は?スーザンお前、さっき金が無えとか抜かしてなかったか!」

「あんたあたしのこと仕事=競馬と思ってない?」

思ってますけど何か?

「あたし、もう行くわよ。仕事の打ち合わせがあるんだから」

胸のサークルクロスのペンダントで俺っちを威嚇しながら部屋を出て行くスーザン。

軍資金が無いはずだがどうやって仕事(競馬)するつもりだ?

仕事の打ち合わせがあるんだからとは何だ?誰と何を打ち合わせするのだ?

部屋に残っているのはりんごとハチミツとろ~り入ったコーンスープが来るのを

待っているクワーマンと俺っちだけになる。

「はっ・・・だべ」

空気の流れが少しクワーマンの方へ流れていく。

俺っち一人だけなら何とかなったホテル暮らしもこの人数となるとかなりきつい。

一家を養うお父さんの気持ちが少しわかったような気がする。

郊外の格安物件でも探して住む必要があるかもしれないな。

「はっ・・・だべ」

ガタガタガタと振動しながらテーブルの上のコップが床に落ちる。

「ん?地震?」

床に落ちたコップがクワーマンに向かってコロコロ転がり出す。

部屋の空気が動いている?

窓のカーテンがパタパタと音を立てクワーマンの方へ吸い込まれそうになっている。

「はっ・・・だべ」

どんどんとクワーマンの方へ空気が吸い込まれている!

転がっていたコップがクワーマンの足に当たって止まった瞬間

「はっくしょん!だっべ」

バゴーン!部屋の中に爆風が吹き荒れる。窓ガラスは割れ、破片が外側に飛び散る。

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