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ガンガン対ゴリラ

スタン、スタタタン。華麗なステップを踏みながら身構えるガンガン。

あの構え、ブルース・リー!

ゴム弾のように体を縮め100メートル走のスタートダッシュよろしく

ガンガンに飛びかかるDG1。両者が交差した瞬間、DG1の巨体が後方へ吹っ飛ぶ。

スタン、スタタン、ステップを踏みながら体を交互に入れ替えるガンガン。

右手を前に出し、クイックイッっとかかってきなの挑発。

ガンガンって目から光線出すだけじゃなかったの?

「ガンガンにしては時間がかかってるな~。

まっ、試作段階とはいえ相手は俺様が作ったゴリラ型オートマターだからな。

そんじょそこらの出来損ないとは訳が違うわ、ガッハッハッハッハ」

と呑気に笑っているドラロン。

「ガンガンは俺様が作った最高傑作のオートマターであり最高の武器よ。

中でも近接戦闘は得意中の得意。まあ、何とかなるじゃろ、ガッハッハッハッハ」

挑発に怒り再び前に出ようとしたDG1からベコっという鈍い音が。

胸の装甲がこぶし1個分凹んでいる。ドラロンの作るものって頑丈じゃなかったかな。

それだけガンガンの一撃がすごいってことかよ、ガンガンつぇ~。

それは偶然だった。ガンガンが攻撃を仕掛けようとした瞬間、

避けようとDG1が右側に体をねじった際、

俺っちがDG1とガンガンの対角線上に入ってしまった。

ガンガンは攻撃をやめ、バックステップで素早く距離を取る。

その一瞬の異変をDG1、いや中で操作しているやつは見逃さなかった。

脇に抱えていた俺っちを胸の前に抱え直し、ガンガンと距離を取るようになる。

間違いない、こいつは・・・中に入ってDG1を操作している

呪いのぬいぐるみに使われた贄は百万匹の1匹の天才猿である。

スタン、スタタンとステップを踏みクイックイッと手で挑発をするが

DG1はまったく近づこうとしない。

少しずつ右方向へ移動しながらガンガンの様子を伺う。

DG1の背後に開けた景色。結構な高さの崖である。

遠くには川と小さな集落が見える。

高いところから見ると近くに見えるが車で行くと20~30分はかかる、

そんな感じの距離感。例のカウントダウンが始まる。

ファーイブ、そして口がパカっと開き

例の大砲が出てきた瞬間を突いて

ガンガンが猛スピードで突進し側足でDG1を蹴った。

すごい衝撃とともにDG1は後ろに吹き飛ばされたがこれはDG1の作戦だった。

カウントダウンはダミーだったのだ。

空中で本当に攻撃するためのカウントダウンが始まった。

ゼロ、山を消滅させた高エネルギー光線がガンガン目掛けて一直線に発射される。

崖の上で仁王立ちのガンガンが見せるあの構えは!

「ガ~ン~ガ~ン~」

かめはめ・・・これ怒られない?こういうの怒られない?

ガンガンわくわくしてきたぞとか言わない?

「イレイザー」

あーよかった、もしかしたら色んな人にオラ怒られるとこだったぞ!

ガンガンは両手を突き出し光線を受け止めた。

ズガガガガガ!立ったままで100メートルほど衝撃で後方へ飛ばされる。

地面にはガンガンの踵でえぐられた2本の線。

ガンガンの両手はプスプスと音を立てながらミミズが這うような白い線が

周りでくすぶっている。ガンガンの体が白く光る。黒いゴスロリ衣装も白く光る。

背中に天使のような羽根が生えている。

頭上には天使の輪っか。その姿はまさに天使そのものなり!

天使の輪っかが消え頭から白い色が抜け始めると何もなかった地面から

草が生え花が咲きお花畑が出現し始める。

光線のエネルギーを地面に流しているのか?

ガンガンの体の色が元に戻ったとき、周りはお花畑が広がっていた。

高エネルギー光線発射の反動を利用した

DG1はガンガンとの距離をどんどん離していく。

そしてくるりと体勢を入れ替え落下に入る。

体の血がふわっと上がっていくあのゾクゾクする感じが襲ってくる。

すさまじい落下速度と重力で気を失いそうになる。

俺、田舎に帰ることにした、と言っているアッキー。

ショーウィンドウの真央ちゃんのポスター。

俺っちまた死ぬのかな・・・死ぬのか・・・死・・・

「死んでたまるかぁーっ!」

意識を取り戻すと目の前には川が。口から息を吐き出し落下の勢いを殺すDG1。

ざっぱーん!水しぶきが上がる。キラキラと輝く水滴に虹。

すぐに川に沿って下流に移動し始めるDG1。

転生前では絶対に体験できないスリルを異世界で体験しています。

セントチヒロッテカミカンデ山の消滅、

聞いたこともないモンスターの咆哮、ホビットの村はパニックになっていた。

「なんじゃこりゃぁ、何が起こっておる」

村長は何が起こっているのか判断できなかったが

「とにかく村の男衆を集めるのじゃ!」

と数人の男性ホビットに指示を出した。その内の一人が冗談交じりに

「こんな災い、クワーマンじゃね?」

悪いことは何でもクワーマンとは・・・。

河川敷にいたクワーマンも山の消滅、モンスターの咆哮に動揺していた。

「何か悪いことが起こっているに違いないだべ」

急いで村に帰らなければ。

走って帰るクワーマンを必死の顔で数人のホビットが追い越していく。

「今日ほどオラ自分ののろまを呪った日はねぇだべ。

誰かオラを村まで運んでくれだべ」

ひょいっとクワーマンは逆さまに抱かかえられる。俺っちと目が合うクワーマン。

「ご親切にどうもだべ。助かっただべ」

「いや、その・・・助かったかどうかは・・・」

「オラの名はクワーマン・ヒマワリだべ。

好きな食べ物はりんごとハチミツとろ~り入った白米だべ」

カレーじゃないんだ。

「このままオラの村まで運んでくれねーだべか。

できれば逆さまではないほうがいいだべ」

DG1はクワーマンを逆さまに抱かかえたまま猛スピードで走っていく。

ホビットの村では広場に50名ほどの男衆が集まっていた。

「何か悪いことの前触れだべか?」

「クワーマンじゃね?」

馬鹿にした笑いが起こる。ざわつく男衆を前に村長が話し始める。

「正直何が起こっているのかわからぬ。聞いたことがないモンスターの咆哮が

確認されておる。もしかしたら未知のモンスターが村を襲撃してくるかもしれぬ。

女子供を安全な場所に避難させつつ、男衆には村の警備を・・・」

キュイーーーンと空気を引き裂くような音とともに空から何かが落ちてきた。

ズガガガーン!砂煙が上がりDG1が出現する。左手には俺っち、そして右手には

逆さまの状態のクワーマン。DG1が咆哮をあげる。

「モモ、モンスターだ!」

蜘蛛の子を散らすように広場から逃げ出すホビット達。

キュイーーーンと空気を引き裂くような音とともに空からまた何かが落ちてきた。

ズガガガーン!砂煙が上がりガンガンが出現する。

ガンガン 対 DG1、ラウンドツゥ~ ファイト!

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