ハリツケの刑
ドラロンの工房から88の転移魔法でホテルの部屋に戻ってきた俺っち。
88と彩姫はその場ですぐに帰っていった。
ベッドの上でスヤスヤと寝息を立てているスーザン。寝ている姿は可愛い。
「スーザン、起きてる?」
反応が無い。ぐっすりと寝ているようだ。添い寝くらいしてもいいのではなかろうか。
「スーザン、金貨5枚あげる」
よし、反応が無い!すっぽんぽんになって添い寝するだけだから。
ルパン○世よろしくスッポンポンになって飛び込む俺っち。ス~ザンちゃ~ん!
甲冑姿のおっさん騎士の目が光る。
岩に刺さったエクスカリバーを今こそ抜き取るとき!
ベッドの下に魔方陣が展開される。そして空中で動けなくなる俺っち。
何だ、何が起こった?魔法だと!両腕が勝手に開いていく。両足が勝手に閉じていく。
俺っちは十字架の形のまま空中に固定される。
スーザンと俺っちの間に何かが出現する。
大きなサークルクロスだ。サークルクロスが俺っちと重なり通り抜け背後で止まる。
ガチャン!首、右手、左手、両足がサークルクロスに固定される。
ゆっくりと丸の方を上にしてサークルクロスは起き上がりスーザンの足元まで移動し、
ベッドの下へゆっくりと降下していき地面に突き刺さり止った。
「ど、どういうことだ!これは何だ!」
すっぽんぽんの俺っちはサークルクロスにはりつけられ身動きが取れない。
おっさん騎士の目から涙。半分抜けたエクスカリバーを鞘へ押し戻す。
どこからともなくガローっという声が聞こえた。
チュンチュン、チュンチュン。鳥の鳴き声がする。
空が白み始め、山の向こう側から朝日が昇ってくる。
「ふあ~、よく寝たぁ~」
ベッドから上半身を起こしたスーザンと目が合う俺っち。
窓から朝日が差し込んでくる。はりつけにされた俺っちに朝日があたる。
あ~た~らしい朝が来た、希望のあさ~だ。
「ふっ、チンカスやろうが」
ああ誰か早くたすけてくだ(ち)い。
30分後、コンコン。ドアをノックする音。
「モーニングサービスをお持ちいたしました」
入ってくるメイドさんと目が合うはりつけ状態 あーんど すっぽんぽんの俺っち。
「あの~、そろそろこの魔法を解いてもらえないっすか?」「ダ~メっ」
「トイレ行きたいんっすけど」「ダ~メっ」
「漏れそうなんっすけど」「ダ~メっ」
何かのプレイかしら・・・とメイドは心の中で思うのである。
スーザン曰く、この魔法はシスターにいたずらしようとする
不届き者をはりつけにしてさらし者にしたり、拷問したりするための魔法らしい。
魔法がサークルクロスのペンダントに仕込んであり
就寝前に念のため仕掛けておいたとのこと。
「今度やったらその祖チンを引っこ抜いてやっからな、このチンカスやろうが!」
金貨5枚と交換で磔魔法が解かれ、トイレに駆け込む俺っち。
お~とこには~いろんな~せかいが~ある。
チキショー、ロックンロール!