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47-1.獣

 「これは…」入ってきたものを見て俺は息を呑む。


「ああ…これは…」ウィズバンも絶句する。


「これって…」


「嘘だろ?」




入ってきたのはまさかの…仔豚だった。


「ブタ?」ウィズバンが拍子抜けしたような声を出す。なんと仔豚が器用に戸を開けて入ってきたのだ。


唖然としていると仔豚はそのまま俺に向かって歩いてきた。少しでも変な動きをすれば火かき棒で叩く。と頭の中で何度も繰り返す。


仔豚は変な動きをするどころか俺の足元でブッと鳴いて上目遣いでこっちを見てくる。


「なんで仔豚?」俺はつぶやいた。




ともかく敵意はなさそうだった上に暇だったので撫でたり遊んだりした。その流れで膝の上に乗ってきた。重かったが温かいので許す。とりあえず鼻を触ったりしていると、耳の後ろに血がついているのがわかった。だが、動物が怪我をすることなんてよくあることだろうしあまり気にしなかった。


そのまま仔豚を膝の上に乗せていると眠くなったのでそのまま居眠りをしてしまった。見張り失格である。




けたたましい仔豚の鳴き声により俺たちは飛び起きる。皆同時に起きたので俺が寝ていたのはバレなかった。


「あっ、うわ、なに…」シルヴィアは露骨に動揺する。


「ブタが騒いでるだけですよ。」俺は冷静に答える。


「なんだ。ブタが騒いだだけか。」シルヴィアは安心する。


「って、なんで!」異世界人とは思えないノリツッコミである。


「なんか昨日の夜忍び込んできたんですよね。」


「ちゃんと見張ってたのか?」シルヴィアが訝しむ。




「どこのブタなんだろう。」ロスが仔豚の鼻をつつきながら呟く。


「返してくるか。」チャックが仔豚を抱え上げようとする。


「待って。別に今じゃなくていいでしょ。まだ朝よ。」ロスが静かに抗議する。


「そうそう。まだ朝だから今返しに行くと迷惑かも!」俺も同意する。


「ね。」ロスが俺を一瞥して頷く。


「何ちょっと気に入ってんだお前ら…」チャックが呆れる。




「そうそう。きっと誰かのブタだからちゃんと返さなきゃ。」シルヴィアが言う。


「ちゃんとお世話しますから!」俺は懇願する。


「ダメダメ。どうせ後で面倒くさくなって私が全部やる羽目になるんだから。返してきなさい。」


「餌やりならできる。」ロスが言う。


「どうせそういってすぐやらなくなるんだから。私知ってるよ。」シルヴィアが腕を組む。




「お母さん?」チャックは困惑した。



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