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42-2.奢り

南部らしいシンプルな内装の店の隅の席に座る。

そこに、黒いパン。芋とひき肉と乳製品を使ったグラタンのようなもの。焼いた魚の周りに野菜が盛られているもの。芋と大麦、鶏肉のシチューが出される。

「おお!うまそうじゃん!」チャックは歓喜する。

「どうせあんた馬鹿みたいに食うんでしょ?」ロスは当たってるだろという目でチャックを見る。

「まあな。」チャックはそう言って食べ始める。

「お前粗食なのかと思ったが普通にうまいもの食うんだな。」チャックはグラタンを頬張る。

「まあ、反乱軍にいた頃はこんなもの食べれなかったからね。あなたの嫌いな焼いた鶏肉みたいなのばっかり食べてた。首都に来てから太っちゃった。」

「適正体重になっただけだろ。」チャックが真顔で反応する。

「細い枝に乗れなくなった。」

「それは困るな。」

「別に私は木登りするために生きてるわけじゃないからいいけど。」

「まあ、身体がでかい方が死ににくい。多分な。」


「チャック、あなたはいつから迷宮都市にいたの?」

「俺か。俺は迷宮都市なら金も名誉も得られるってきいて荷車に潜り込んで迷宮都市に行った。」

「野心家なのね。横領もそのせい?」

「そうだな。俺の生まれた村は貧しかったからな。一発逆転したかったんだ。」

「お金持ちになりたかったの?」

「そうだ。」

「分かりやすいね。単純明快。でもコースからは外れたんじゃない?」

「そうだな。自分でも馬鹿なことしたと思ってる。」チャックはグラタンを食べ終わる。

「でもな。」とチャックは続ける。

「コースからは外れたがこれはこれで面白くて好きだ。」

「ポジティブなのはいいことだと思うよ。」

「そうか。」


「男の人って特にそのグラタン好きよね。」ロスは空になった皿を眺める。

「これ美味い。」チャックはご機嫌だ。

そうやって話していると何やら後ろが騒がしい。

「なんでですか!」

「それじゃあ足りないって言ってんの!」

「じゃあまた明日返しますから!」

「ダメだ。出て行け。」

後ろで何やら言い争っていいる。


「何やってる。」総督の護衛のロスは一応治安維持も仕事のうちなので会話を中断して話を聞きに行く。

「こいつが腹減って死にそうだから飯食わせてくれってうるさくて。」

「昨日から何も食べてないんです。」みすぼらしい格好をした若い男は悲しそうに呟く。

「店は慈善活動じゃない。それはわかるか?」ロスは若い男を嗜める。

「なら一緒に食うか?」チャックが声をかける。

「いいんですか?!」若い男は食いつく。

「いいよな?ロス。」チャックは何食わぬ顔でロスを見つめる。

「はぁ…」ロスはため息をついた。

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