37-1.PRESS
ロスさん謎の負傷により俺たちは南部を見て回ることができなくなった。
きっと家に帰る時に馬車に轢かれてしまったのだろう。気の毒だ。作戦会議の時にいなかったチャックなら何か知っているかと思ったが、食い気味に知らないと言い張るのでおそらく何も知らないのだろう。
ロスさんのことは心配だが、俺たちもやるべきことをやらねばならない。
それにチャックも反乱軍の切り崩しにやたらと乗り気だ。
昨日シルヴィアと話し合ったが、思いつくのはやはり農村への略奪行為を上手く使って農村を反乱軍から引き離す。そうなれば反乱軍は干上がって弱体化するだろう。そうすれば任務完了だ。
ひたすらネガキャンに徹すれば良いのだ。あくまで俺たちの仕事は反乱軍の弱体化であり、全滅させることではない。
結局俺たちはもう一度村に行って情報を集めることにした。チャックはロスさんの見舞いに行くということで俺とシルヴィアの二人で村に向かうことになった。
まずは反乱軍に関する証言を集める。反乱軍の詳細はこの世界の住民であるシルヴィアやチャックですら知らないことだった。インターネットのない世界では情報伝達はこんなものということなのだろう。だからこそ、この惨状を帝国中に広めればいい。そうすれば帝国の内外から反乱軍への非難が集まるだろう。帝国もどんぐりの背比べだと言われればそうなのだが。
ということで俺たちはこの作戦を「新聞作戦」と名付けることにした。
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「なに?その鎧に貼ってる紙?なんて書いてるの?」村に向かう途中、シルヴィアが不思議そうに尋ねる。
「こっちの世界では鎧にこれを書くと襲われにくくなるんです。」俺は胸を張る。
「へえ、お呪いかな?そっちの世界にもそういうのあるんだね。」
「ありますよ。」そう言った俺の鎧にはデカデカと呪文が書かれていた。
『PRESS』と。




