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24.罪

 「シルヴィアさん?大丈夫ですか?」




刑期を満了した俺は別室で治療されていたシルヴィアを尋ねる。




「うん、ちょっと気持ち悪いけど大丈夫。」




シルヴィアは俯いている。




「顔色悪いですけど本当に大丈夫ですか?」




「大丈夫。大したことない。」




「よければ何か食べやすいものでも作りますよ。プリンとか。」




「プリンか…それは気になるからまた今度いただくよ。今はその、食欲が無くて。」




「やっぱりまだ体調悪いですか?」




「そうじゃないの。そうじゃない…」




俺は重い空気を感じ取って黙る。




「死んだんだよね。刺客のあの若い男の人…」




「そう聞いてます。」




事務的な対応しかできない自分が少し憎かった。




「私…殺しちゃったんだよね。あの人…。」




シルヴィアはシーツを握りしめる。




「そうなりますけど、でもあれは仕方なかった事です。俺でもあの状況なら殺してたと思います。」




「そうなんだけど。そうなのは分かる。仕方なかった。でも、私は人を殺した。人を焼いてそのまま三階から落として殺した。最初はなんとも思わなかった。でも後から死んだって聞かされて…私…。」




「でも殺さなきゃシルヴィアさんが死んでたんですよ。俺はその、言っちゃいけない事かもしれないですけど、刺客を殺してでもシルヴィアさんが生きてたのが俺は嬉しいです。」




自分でも何を言っているのかはわからない。だが本音なのは間違いない。




「わかってる。刺客を殺さなきゃ私が殺されてた。ヒデオも殺されてた。でも忘れられないの。あの刺客の男が火だるまになって窓を突き破って落ちる前に私に見せた顔…頭から離れないの。」




シーツにポタポタと雫が落ちる。




ここで抱きしめて気の利いた事でも言えればかっこいいのかもしれないが、生憎俺にそんな度胸などなかった。




「それでも、俺はシルヴィアさんを責めたりしないですよ。」




そう言って俺は部屋を出る。




「どこに行くんだ?」




シルヴィアは俯いたまま尋ねる。




「プリン、作ってきます。」

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