14.帰れるさ
「ジョン、行くぞ!早くしろ。」
ジョンは友人に急かされ急いで家を出る。18になったジョンは心を躍らせていた。
「ベン、書類はちゃんと持ったか?」
「当たり前だ。お前こそ忘れてないだろうな。」
「ちゃんと確認したよ。」
二人は言い合いながら小走りで移動する。
「おい!そこの二人。」
いきなり呼び止められたので二人は声のする方を見る。
この地域を担当している憲兵だ。傍には彼らと歳の近そうな若い憲兵もいる。
「走るならちゃんと前を見て走れ。」
憲兵はそう言うとそのままどこかへ歩き出した。
「あ、すいません。」
ジョンは憲兵に頭を下げて謝罪する。
「いやいや、別にいいんですよ。」
若い憲兵は焦ったような口調で手を振る。
「それより、お二人はこれからどこかに行かれるんですか?」
「この地区の軍の施設に行きたいのですが。」
ベンが若い憲兵に言う。
「それならそっちじゃなくてこっちですよ。よく間違えられるんです。案内しましょうか?」
「いいんですか?」
ジョンとベンは喜んだ。
「はい。これも仕事ですから。」
若い憲兵は優しく微笑んだ。
「へえ、お二人は軍隊に志願されるんですね。」
憲兵は感心したような顔をする。
「はい。俺たちも帝国の役に立ちたいですから。」
ベンは誇らしげだ。
「戦地で功績をあげれば生活も楽になりますしね。」
ジョンも元気に言う。
「ということは今回は身体検査に?」
憲兵が質問する。
「はい。二人とも身体は丈夫なので大丈夫だとは思いますが。」
ベンが不安げに呟く。
「身体検査なら安心してください。小柄で病気がちな私でも合格できたので。お二人は健康そうなので大丈夫だと思いますよ。」
憲兵が微笑む。
三人で話しながら歩いていると大きな軍旗のはためく大きな建物の前に着く。
「ここですよ。試験頑張ってくださいね。」
憲兵は俺たちを送り出す。
「案内ありがとうございます!」
ジャックは大きな声で憲兵に礼を言う。
「いい兵士になりますから。」
ベンも憲兵に手を振る。
憲兵はこちらを向かず黙って手を上げた。
「二人は志願しに来たのか?」
兵士が近づいて来て紙とペン片手に二人に質問する。
「はい。」
ベンは元気に返事をした。




