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13-2.軍需

人生で初めての労働が終わった。

疲れた。

地上に戻った時生まれて初めて空気が美味しいと感じた。

最近はシルヴィアたちに訓練という名の何かに協力してもらっている影響で体力もついた。

証拠に俺はまだ自分の足で歩けている。そのままギルドまで帰って色々と報告をした後打ち上げをすることになった。冒険者たちの体力はすさまじい。チャックもまだ元気そうだ。

だが俺も冒険者の端くれ。こんなところでダウンすることは…おきて。おーい、起きて。


「重いから寄りかからないで。」


シルヴィアにわりと強めに叩かれて目が覚めた。


「寝てしまっていたか。いつから寝てました?」


周りは宴会の真っ最中で熱気に包まれている。


「え?知らない。さっきからウトウトしてたけど、寄りかかって来て邪魔だったから起こした。」


淡々と説明される。


「すいません。」


「いいのよ。」


とりあえず目の前に置かれた飲み物を飲んで気をとりなおす。


するとローマンとタダヒロ、エルフ耳の女が料理屋飲み物を持って俺たちのいたテーブルに来た。


「よお、二人とも元気か?今日は随分と忙しかったみたいじゃないの。初めての労働はどうだった。」


「「大変だった。」」


俺とシルヴィアは声を揃えて言う。


「シルヴィアは知らないけど、ヒデオからしたら初めてこういうことしただろ。やっぱ大変だよな。」


「本当ですよ。タダヒロさんは仕事の時何考えてましたか?」


「俺は普通に働いたことないからわからんな。」


タダヒロは愉快そうに笑う。


「それにしても、軍は防寒着なんて更新する金をどっから出して来たのかね。」


タダヒロは隣にいたローマンに話しかける。


「まあ、それは知らんし知ってても私らの考えることとちゃいますから。」


ローマンははぐらかす。


「詮索は良くないな。あれかな、どっかと戦争するのかね。」


「戦争?」


俺は驚いて少し声が大きくなる。


「そうだな。お前達からすれば軍の動向は重要だもんな。まあ、これは俺の推測だが、いきなり冬場に大量のコートの発注が入るのはおかしい。急がないないならここまで金を受かって迷宮都市中を巻き込む必要がない。」


「急ぎすぎってことですか?」


「いや、俺もよくわからん。でもただ事じゃあないだろうなってことだ。」


「うん、でもたしかにきなくさいね。」


隣にいたエルフ耳の女性も口を挟む。


「でも攻められるのはこことちゃいますからね。こっちは最大限チャンスを活かすだけですわ。」


ローマンは酒を片手に呟く。


「おそらくみんな察してる。シルヴィア。お前もわかってるはずだ。だが俺たちには関係ない。だろ?」


タダヒロはシルヴィアを見つめる。


「私は目的を達成できればそれでいい。どちらにせよ私は帝国の味方だ。帝国の力になれるなら私はそれでいい。」


シルヴィアは俯きながら呟く。


「まあ、でもウチが儲かるようになったのはお二人のおかげですから。今日は好きなもん食べてくださいよ。」


ローマンはそう言って席を立った。


確かに軍から採用されたのはシルヴィアが来て歩いたからなので、ギルドの繁盛は俺たちにも少し功績があるのは事実だろう。

しかし、俺は期待されたほどの成果を自力で上げることはできなかった。たまたま成果が上がっただけであり自分の手柄などではない。

異世界に来たからと言ってそうすぐに人は変わらないのかと少し残念な気持ちになった。

それに、自分たちの作ったものが戦争に使われるかもしれないということに俺は内心穏やかではなかった。

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