12-4.ステマ
数時間後、訓練?を終えた俺たちはギルドの建物内に戻った。
すると、いつにも増してギルドの中が騒がしかった。
なにやら話し合っていた副ギルド長はこちらに気付くと血相を変えて駆け寄って来た。
「あ、やっと来てくれましたか。大変なんです。」
「何かあったんですか?」
俺は質問する。
「一大事ですよ。あのトレンチコート、ですか?あれが帝国軍の正式装備に採用されたんです。」
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軍の北部侵攻に向けた防寒装備のトライアルが行われた。重要な要件は、前回の北部侵攻の際に防寒具の性能不足から病気や凍傷によって戦線を離脱する兵士が後を絶たず、結果的に作戦の目標は達成したものの、死傷者の半数が防寒具の性能不足に起因するものであったという事実から、北部の厳しい寒さに対応できる性能がある事、さらに軍人として相応しいデザインであることであった。
それらの基準を元に北部侵攻のため要求性能を満たす防寒具の選定が行われた。まず王都製のものがあれば良かったのだが、北部ほど気温の上がらない王都において北部の気候に対応できる防寒具は少なく、さらに全軍に行き渡らせるほどの生産力やコストに関しても考える必要があった。その中で迷宮都市のローマンズギルド製のものは軽量かつ十分な防寒性能を有しており、大きな襟や袖口の調節機能によって外気の流入を軽減することができる。また、肩紐などは装備の保持に使いやすいこと、(中略)などの理由により迷宮都市のローマンズギルド製のものを正式に採用することが決定しました。
また、目新しくも洗練されたデザインは将兵からも好評で士気にも良い影響を与えるだろう。
帝国軍司令部が作成した報告書の一部を抜粋




