72-3.エニグマ
「では、村人消失事件の調査結果を頼む。」アレクサンドラが目で合図する。
会議室にはアレクサンドラ、カーター、数人の幹部、調査隊の面々と俺がいる。
反乱軍の魔術師が淡々と調査結果を報告する。
「うーん。」説明をきいた二人は腕を組んで首をひねる。
「これは、なんだろうね。」幹部が周囲の様子を伺いながら言う。
「魔術的なものなら私にはどうしようもない。」アレクサンドラが首を横にふる。
「ソルマンならできるでしょ。」カーターが提案する。それはまずい。
「そうだな。ソルマンを派遣して引き続き調査にあたらせよう。」他の幹部も口々に同意する。
「よし、後で私から頼んでおく。」アレクサンドラはそう言って周りを見渡す。
他の幹部たちも同意する。カーターも同意する。
これはまずい。せっかく事件が認知されたのに真犯人を調査員として派遣すれば有耶無耶にするに決まっているし、なにより俺のせいにされるかもしれない。
猛反対したいが俺にそんな権限はない。どうするべきか。脳をフル回転させて考える。
そうだ。俺は名案を思いつきほくそ笑む。
俺は挙手して言う。
「すいません。もう一回村の調査に行きたいんです。構いませんか?」
「なんで?」カーターが尋ねる。
「いえ、無人の村を放っておくわけにはいかないと思って。」カーターの鋭い質問に少し動揺しながらも平静を装う。
「マイケルさんや村のみんなが戻ってきた時のために村の手入れもしないといけないと思って。略奪されるかもしれませんし。」
「そういうことか。」カーターは頷くと椅子にもたれかかる。カーターからの質問は以上のようだ。
「そうね。村人が戻った時に村が荒れていてはいけないからね。じゃあ、定期的な村の見回りを任せていいかな?マツモト。」アレクサンドラは微笑みながら言う。
「任せてください。」俺は親指を立てた。
うまくいった。今度こそソルマンには退場してもらう。
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「おい、これ。」チャックはタルの中から新しい紙を取り出す。
「なんかいっぱい書いてる。」ロスが憂鬱そうな顔をする。
「間違いなくヒデオからの暗号ね。これは手こずりそう。」シルヴィアは長文をみて顔をしかめる。
「果たして何が書いてあるんだ?」チャックが長文を見ながら呟いた。
仔豚が紙を齧ろうとしたのでチャックは紙を高いところに持ち上げた。




