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8-3.遭遇

 迷宮都市への道中、馬車に揺られながら英雄はシルヴィアに話しかける。


「あの俺に当たった魔力の攻撃って強いものなんですか?」


「さあ。私も詳しく知らないけど、相当強力なのは間違いないかな。実際に戦闘ができる男の魔術師は大体強いよ。」


「そうなんですか?」


「そう。私なんかがそうなんだけど、本来魔術師の家において、女が家を継ぐことは基本的にないの。だから女は私みたいに魔術の研究をして一族の秘伝を守るか、お母様みたいに教養を深めて他の貴族と結婚して家の勢力を拡大するか、大きく分けて二つのルートの人生を歩むの。

どちらも大切なことよ。どちらをおろそかにしても一族は没落する。それに対して、男は魔術の腕よりも学問や貴族社会での適切な立ち振る舞いが求められる。男が家を継ぐ場合がほとんどだから、魔術の研究より貴族社会での立ち回りを学ぶ方が効率がいいのよ。

だから基本的に男は魔術をほとんど学ばない。

ただ、例外がある。それがブラントみたいな魔術を専門に扱う家。あいつらは貴族としての立ち回りが最も重要な社会においてあえて魔術を極めようとしている。

だからあいつらは弱体化した魔術師だった貴族とは違って、代々その技を受け継いでるの。だから、ああいう手合いと勝負するのは避けた方がいい。

私たちみたいなのは絶対に勝てない。積み重ねたものが違いすぎるの。」


そう言うシルヴィアの顔にはどことなく悲しみの色があった。


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