66.新社会人(反乱軍)
「ロスさんじゃないですか?チャックさんも!」街を歩いているといきなり声をかけられる。
「お前は…」チャックが驚いたような顔をする。
「この前の…」ロスも驚いたような顔をする。
「ジョンじゃないか!久しぶりだな。」チャックが嬉しそうに彼の肩を叩く。
「こちらこそ久しぶりです!」ジョンも嬉しそうだ。
「あれから変わりないか?」チャックが尋ねる。
「はい。なんとかまだ生きてます。」ジョンは頭を下げる。
「まあ、よかったな。」ロスは素っ気なく呟く。
「お礼をしようと思ってたんですが、探してもいなくて」ジョンは悲しそうな顔をする。
「ああ、俺たち最近首都にはいなかったからな。悪い悪い。」
「そうなんですね。何をやっていらしたんですか?」ジョンの言葉にチャックとロスは困ったような顔をする。
「が、害獣駆除だよ。なあロス。」
「そう。」ロスが頷く。
「そうだったんですね!」ジョンが感心したように言う。
「そういえば、お前は今何やってるんだ?」チャックが尋ねるとジョンは俯く。
「そのことなんですけど、なかなか雇われなくて。」ジョンは悲しそうな顔をする。
「そうか。大変だな。」チャックが哀れみの目を向ける。
「チャック。」ロスはそっとチャックに耳打ちする。チャックは大きく頷いた。
「それなら、ジョン、お前俺たちに協力してくれないか?元軍人だろ?」
「え?構いませんけど、俺は軍でも使えなくてクビになったんですけど。」ジョンが申し訳なさそうに答える。
「気にするな。俺もパーティーをクビになった。」チャックが自信満々に言う。
「自信満々で言うなよ…」ロスは呆れる。
「わかりました。行くところもないですし、お役に立てるならなんでもやりますよ。」ジョンは大きく頷いた。
「こいつは?」ジョンを見たマーカスが尋ねる。
「新入り。ジョンだよ。」ロスが紹介する。
「どうも。ジョンです。」ジョンは自己紹介する。
「俺はマーカス。よろしくな。」マーカスは握手を求める。ジョンもその手を掴んで握手をする。
その瞬間少しマーカスが驚いたように見えた。
「とりあえずロスたちについていけ。」マーカスはロスの方を指差した。
ジョンやロスたちが去った後、マーカスは握手した手を見つめる。
「なんだったんだ今の?」マーカスは顔をしかめた。
「どうしました?」マーカスの部下が尋ねる。
「いや、さっきのジョンって男。妙だ。しっかり監視しとけ。」マーカスは部下に小声で指示をした。
「仔豚ちゃん。新しいお友達だよ。」ロスが仔豚に話しかける。
しかし、仔豚は少しジョンに近づくとすぐにロスの膝の上に戻ってきた。
「あれ?嫌われちゃってますかね。」ジョンは苦笑いする。
「よほど私のことが好きなのかな?」ロスは仔豚を撫でる。
「その仔豚は人懐っこいんだがな、マーカスにすら懐くぜ。」チャックが冷やかす。
「すら?」後ろからマーカスの声がしたのでチャックは変な声を出す。
「戻ったか。」シルヴィアが奥の部屋から顔を出す。
「こんにちは。ジョンです。」ジョンは軍隊で鍛えた自己紹介をする。
「よ、よろしくお願いします。」軍隊のノリに慣れないシルヴィアが少し引き気味になる。
あれ?この人どこかで…とシルヴィアはジョンの顔を見て考えた。
「おい、シルヴィア。話がある。来い。」突然マーカスが手招きする。
「わかったわかった。」シルヴィアは面倒くさそうにマーカスに付いていった。




