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55-3.影

 俺たちは少女を囲んで座っていた。食べ物をあげると少女はある程度落ち着きを取り戻した。他にも人がいないかと隅々まで探したが、結局見つかったのはこの子だけだった。

シルヴィアはここで何があったのか少女に尋ねた。だが、彼女は何があったか尋ねられるとガタガタと震えて何も答えなくなってしまう。

「困ったな。」シルヴィアは呟く。

「これじゃあ情報は得られませんね。」俺も考え込みながら言う。

「怯えてるのに無理に聞き出すのは良くない。」ロスが言う。それはその通りだ。だが、このまま得体の知らない村に留まるわけにはできない。


その後、いつでもこの村を離れられるように撤退準備を整えていた。その後少女がいた場所に戻ると、少女と仔豚が遊んでいた。

俺はふと思った。今なら少女はリラックスしている。さりげなく情報を引き出せるのではないか?と考えた。

まずは怖がられずに近づくことだ。

「仔豚ちゃんかわいいよね。」俺は満面の笑みで語りかける。

少女は仔豚を抱きながら少し俺を怖がっているような表情を見せた。

「怖がらなくていいよ。落ち着いたらでいいから、ここで何かあったか離してほしいな。」俺は優しく尋ねる。

少女は黙って下を向く。結論を急ぎすぎたかと俺は反省した。だが、俯いた時に抱いていた仔豚と目が合った。仔豚は少女の顔が気になったのか頭を持ち上げて少女の顔に鼻を擦り付けた。

「ちょっと、くすぐったいよ。」少女はクスリと笑う。

「何があったか…ですよね。」少女は少し気持ちがほぐれたのかさっきまでのこわばった表情ではなくなっていた。仔豚グッジョブである。

少女は深呼吸するとゆっくりと離し始めた。



三日前私はお母さんと喧嘩した。その日は教会で毎月皆で集まって祈る日だった。だけど、私は不貞腐れて行かなかった。

でも、教会の中からは楽しそうな声が聞こえてて、私も機嫌を直して参加しようと思った。

その瞬間、教会の窓という窓、隙間という隙間から眩い光が発せられて。そこから急に静かになったんです。

私は恐る恐る覗いたらみんなが影になってて。

それで。

その中心に誰かいたんです。黒ずくめの誰かが。

私は怖くなってすぐに逃げて、ずっとここに隠れてました。

「三日も?怪我はなかった?」俺は尋ねる。

少女はコクリと頷く。

「ならよかった。それで、その黒ずくめの人物について他に何かわかる?」俺は続いて尋ねる。

だが、少女は首を横に振るだけだった。それどころじゃなかったので仕方なかったのだろう。

だが、その情報だけでも聞き出せたのは大きい。

「ヒデオ!」いきなり呼ばれ驚く。シルヴィアだ急いできたのか息が上がっている。

「どうしました。」

「結果が出た。あれは魔術によるものだ。」彼女はそう言って試験管を俺に見せた。

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