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52-4.夜襲

 くそ。なんで私ばっかり。ロスは心の中で舌打ちをする。

まあいい。獣狩りが獣に殺されるのは仕方のないことだ。ロスは弓を下ろした。私が囮になっている間にチャックが来ればそれでいい。ロスは魔獣の目を見る。

その瞬間、魔獣は白っぽい巨大な何かに体当たりされそのまま横に逸れて薪小屋に突っ込んで行った。

「え?」魔獣含め全員がそう思っただろう。

ロスは恐る恐る白っぽい何かを見る。

白っぽいなにかはつぶらな瞳で心配そうにロスを眺める。

ロスは絶句する。それは巨大な豚だった。特徴としてはあの仔豚に似ている。大きさは仔ではないが、その瞳はいつもの仔豚だった。

ブッブッとロスを見ながら鳴く。

「なんか…」ロスが呟く。


「デカくなってません?」俺はシルヴィアに尋ねた。

「ブタの成長は早いからね。」シルヴィアは頷く。

「早いってレベルじゃないですけど。」俺は苦笑いする。


突然吹っ飛ばされた魔獣は怒りながら巨大な仔豚に襲いかかる。しかし、仔豚は突進を頭で受けるとそのまま強靭な背筋でひっくり返した。


魔獣は不利を悟ると森に逃げ帰ろうと踵を返して森へ駆け出した。

「逃げられる!」村人たちは口々に喚く。


だが、魔獣の進路上にはあいつが立っていた。

「待たせたな。」チャックはニヤリと笑った。


魔獣は目の前にいる邪魔な男を薙ぎ払おうと足で殴り飛ばそうとその太い前足で男を殴りつけた。

「チャック!」ロスが叫ぶ。

「よくわかったよ。」チャックは微動だにせず呟く。驚くべきことに魔獣の巨躯から放たれた打撃をまともに喰らっても無傷である。

「お前程度俺一人で十分だ!」チャックはそう言うとハンマーを一回転振りかぶり強烈なアッパーカットを繰り出す。

魔獣は紙切れのように吹き飛んだ。

下顎を砕かれた魔獣はなおも立ち上がる。

「タフなやつだな。」チャックが感心したような顔をする。

魔獣は何かをしようとしたが、尻に炸裂矢をくらって動きが止まる。

「感謝するぞロス!」チャックはそう言うとハンマーを振り回し、4、5発打撃を入れる。

「終わりだ!」チャックはハンマーの端を持つと渾身の一撃を魔獣の頭に打ち込んだ。

グシャっという音がして魔獣は完全に沈黙する。



「うわぁ…こっちでダメージ与えたとはいえ6回殴っただけで殺すとか…」ロスは櫓の上で引いていた。

ため息をついて梯子を降りていると途中で大きな仔豚に咥えられた。

「あっ」ロスはまぬけな声を出した。


「死ん…だ?」シルヴィアは魔獣の遺体に近づき破壊された頭部をみて目を背ける。

「やったんだね。」シルヴィアは苦笑いしながらそう言った。

「みたいですね。」俺は絶対に酷いことになっているので見ないようにした。

村人たちも集まってきて歓声を上げた。

遠い目で巨大仔豚に咥えられたロスも来た。

「何?このブタ?」チャックが困惑する。

「知らない。」シルヴィアが言う。

「ともかく一件落着かな。」そう言ったロスの目は心底安心しているように見えた。

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