51-1.競走
「とはいえ、昨日の失敗は精鋭である俺たちの間にも動揺が広がってる。」マーカスが作戦会議において状況を説明する。
「村人たちの士気も下がって来ている。」シルヴィアも頷く。
「魔獣は怪我をした。こっちも損害を受けた。お互い立て直すのは時間がかかるだろう。」
「次奴が来るとしたらそれは狩りや殺して遊ぶためじゃない。報復だ。」ロスも恐ろしいことを言う。
「我々自身村を捨てるかの議論も行なっています。2回連続で失敗となるとこちらの戦意が保つかどうか…」村長は汗を拭く。
「どのみち次で決着をつけるしかないってことだな。」マーカスは腕を組む。
「援軍と新しい装備の要請に二人向かわせています。彼らが帰ってくるまでは耐えたいですね。」反乱軍兵士が言う。
「今は一番こっちの守りが薄いのか。」シルヴィアが呟く。
「とにかく早くこっちも立て直そう!」マーカスは俺たちに呼びかけた。
すぐに俺たちは次の対策とどうして包囲に失敗したのかの原因究明を行なった。
遺体を分析すると、反乱軍兵士のものは後ろから一撃で即死させられており、ペアだった村人はしばらく逃げた痕跡があったが結局追いつかれて頭を割られていたということが判明した。
「逃げれたなら喚くことくらいはできたはずだ。悲鳴とか何も聞こえなかったのか?」反乱軍兵士が仲間に尋ねる。
「俺は隣の班だったが何も聞こえなかった。なあ?」別の兵士がペアの村人にも同意を求める。
村人も大きく頷く。
「叫べば届く距離にいた。」もう一人の反乱軍兵士も言う。
「おかしいねぇ。」マーカスは苦笑いする。
「恐怖で声が出なかったとか?」村長は尋ねる。
「まあ、そう考えるのが自然だね。」マーカスは目元を掻く。
「妙ですね。」兵士が考え込む。
「不思議だね。だが、命の奪い合いなんていつもこんなもんだよ。」マーカスは立ち上がる。
「どこに行かれるんですか?」兵士が尋ねる。
「次の手を考えよう。」マーカスは呼びかけた。




