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50.整備

 「ロス?」チャックが外で弓の整備をしていたロスを見つける。

「どうしたの?」ロスは弓から視線を外さずに返事をする。

「飯、食わないのか?」

「後で食べるよ。」

「そうか。冷めるぞ。」

「便利な火の精霊がいるから大丈夫でしょ。」

「お前、精霊さんで料理を温めようとするな。いや、うどん茹でてたな。」チャックは思い返す。

「整備終わった。」ロスは工具をしまう。

「弓使いは大変だな。」チャックが苦笑いする。

「正確な射撃には正確に調整された道具が必要なの。弘法筆を択ばずなんて半端者の言葉よ。」

(異世界の同じような意味のことわざををこちらの世界の人にもわかりやすいように一部変更しています。)

「大きく出たな。」チャックは苦笑いする。

「どれだけ訓練しても自分に合うように調整してない道具で最高のパフォーマンスは出せない。そうでしょ?」

「俺は敵をぶん殴れるものならなんでもいいが?」

ロスは少々バツの悪そうな顔になる。

「あなたもハンマーの重さを布巻いて調節してるじゃない!」しばらく間を置いたあとロスが噛み付く。

「あれは、適切な重さじゃないと生きるか死ぬかの場面で最高のパフォーマンスを出せないからだろ!」

「じゃああなたも調節してるじゃないの!」自らの主張の正当性を再確認したロスが勝ち誇ったような顔をする。

「うるせえな。早く食いに来い。」チャックは笑いながら去っていった。


今日死んだ反乱軍の兵士は元反乱軍のロスにとって浅からぬ仲であった。一緒に死んだ村人も話したことがある相手だった。もう少し感傷に浸ってたかったが食欲には抗えないのでため息をつくと家に向かった。

ウィズバンの厚意か食事は暖かかった。食べている最中はすごく仔豚がたかってきた。

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