第6話 心配無用。
俺は頭から流れる血を、手でかき上げ、血で髪を固めた。
「待たせたな」
俺は天周を睨む。
「だ、大丈夫なのか?」
「なんで?」
「血だらけだぞ」
「ああ」
「服もズボンも靴もボロボロだぞ」
「そうだな」
「なぜだ?」
「お前は俺の、お袋かあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!」
俺を中心にチート能力オーラが放出される。
叫んだだけで、
日本が3センチ動いた。
「な、なんてチート能力だ・・・! この力、先程よりも数段上がっている!?」
「ああ」
「フッ、心配は無用のようだ」
「心配はしろ」
「なに?」
「俺でなく、自分の」
「フッフッフ! アーッハッハッハ! フンッ!」
ドガ。
不意打ち。
天周は俺をほっぺたをパンチした。
「なに!?」
パンチされた俺はカカシのように、無反応で立っている。
「なにかしたか?」
「我のパンチが効かないだと!?」
「パンチだったのか? 手本を見せてやる」
シュン。ドガ。
「グハアアアア!」
俺は天周のみぞおちに、パンチした。
天周は腹を手で押さえ、目を大きく開け、涎を垂らし、酸素を求めるように、口をパクパクする。
「・・・動きが・・・見えな・・・かった・・・だと!?」
俺はポケットに手を入れて、立つ。
「挨拶だ」
「・・・はあ・・・はあ・・・はあ・・・はあ・・・」
天周は涎を手でぬぐった。
「・・・さすがだ」
「なに?」
「ぐおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおッ!!!!!」
天周の道着がビリビリに破れ、
上半身が裸になる。
「ならば我は越えようッ!! さっきまでの我自身とッ!!! チート能力者を超えたチート能力者をッ!!!」