第3話 驚愕のレシピ。
「大丈夫か!」
「グハアアアア!」
嫁が再び血を吐いた。
目に生気が宿っていない。
一般人の俺にはどうすることもできないのか!
「くっくっくっ! うまくいったな」
「誰だ!」
さっき料理を運んだ店員がいた。
「店員だ」
「そうか」
「このアイスのレシピを教えてやる。アイスに有機化合物(生物由来)のアコニチン、イボテン酸、エキサイトトキシン、エラブトキシン、クラーレ、グラミシジン、コルヒチン、サキシトキシン、シガトキシン、シクトキシン、テタノスパスミン、テトロドトキシン、ドウモイ酸、トリゴネリン、ニコチン、パリトキシン、ボツリヌストキシン、ムッシモール、リシンなどを加熱して混ぜ込み、味のアクセントとして無機化合物な感じのフッ化水素 (HF)、シアン化水素 (HCN)、硫化水素 (H2S)、一酸化炭素 (CO)など刻んで炒め、シアン化カリウム(青酸カリ、KCN)、シアン化ナトリウム (NaCN)、水酸化ナトリウム(苛性ソーダ、NaOH)、アジ化ナトリウム (NaN3)など、丁寧に煮込み、塩化水銀(II)(昇汞、HgCl2)、二クロム酸カリウム (K2Cr2O7)、テトラクロリド金(III)酸 (HAuCl4)、硝酸銀(I) (AgNO3) などをレンチンして、見栄えの良い仕上げに有機化合物(合成物)であるVXガス、サリン、ソマン、タブン、ホスゲンなど混ぜ混ぜ、ダイオキシン、トルエン、ポリ塩化ビフェニル、ビスフェノールA、モノフルオロ酢酸、塩化メチル水銀、テトラエチル鉛などで後処理して作られたアイスだあああああああああああ!!!」
「ウィキペディアで検索したら出る毒だらけだ!」
「どんな生き物でも死ぬアイスだああああああ!!!」
「なぜこんなアイスを出した!」
「味の感想が知りたかった」
店員は笑う。
「毒アイスを美味しいと笑いながら食べるその女は見ていて笑えたぞ!」
プツン。
「貴様あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!」
俺の中で何かが切れた。