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異世界に来た俺はチート能力があって魔王に会った瞬間倒した。  作者: ライトニングブロッカー 教
第十三章 かつて日に明け暮れし鍛錬の日々の章。
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第4話 人が大きく変わる出来事。

 10分後。


「クソおおおおお! 全然できない!」


 俺は悔しくて、岩を殴った。


「がんばれ」


「クソおおおおおお!」


 俺は修行する。


 だが、


 できない!


「クソおおおおおおおおおお!」


 俺は悔しくて、岩に頭をぶつけた。


 額から血が流れる。


 俺は修行を続けた。





「はあ、はあ、はあ、はあ」


 俺は汗でぐっしょり濡れていた。


 あごをつたう汗を、手でぬぐう。


「まだまだあああああああああああああああああ!!!」





 俺は修行を続けた。


 日本の滝100選で、101選目に、俺のひたいが選ばれそうなぐらい、汗が出ていた。


 体から、サウナみたいに蒸気じょうきが立ち上がっていた。


 産まれたての小鹿のように、体が小刻こきざみに震えていた。


 だが、


 けっして、


 俺は地面に、ひざをつけはしなかった。

 

 俺は修行を続けた。





「・・・貴様、なぜ、諦めない」


 天周てんしゅうが声をかけてきた。


「・・・え?」


 意識がボンヤリしていたので、なさけない返事になってしまう。


 焦点しょうてんさだまっていない目で、


 俺は天周を見、


 そして、


 歯を見せて、屈託無くったくなく笑った。




「大変だから」




「大変だと?」


「《《大変》》ってさ。しんどい。そんな意味だけど。俺はこう解釈かいしゃくしているんだ」


「どうだ?」




「人が大きく変わる出来事」




「なんだと」


「大変と向き合うことで、人は大きく変わると思うんだ」


「ああ」


 俺は拳を握りしめた。



「だから、俺はこの大変な修行に向き合うッ!!! そして、変わるんだッ!!! 今の俺を超える、俺にッ!!!!!」



 天周てんしゅうが、鼻で笑う。


「フッ、そうか。さっき買ったヤツだ。受け取れ」



 ぽーい。パシ。



「・・・アクエリアス」


「せいぜい、がんばるんだな」


 天周てんしゅうは去った。


「ククク! さて、もう一汗流すとするかッ!!!」




 俺はキンキンに冷えたアクエリアスを飲んだ。




 そして、


 また、


 この目の前にある、


 俺を大きく変えるであろう、


 大変ってヤツと、


 向き合うのだった。




 飛び散った汗は、太陽に反射し、キラキラと輝いている。

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