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第2話 ただの力から、技術への図式。
俺はチート能力を使う。
チート能力!
「そうじゃない。それだと、ただ、力を出しているだけだ」
「そうですか」
「イメージで言うなら、お前がさっきやった力は、フワフワした雲みたいなヤツなんだ」
「はい」
「そのフワフワした雲みたいなヤツを、ギュギュッギュっとして、ビー玉みたいに塊にする」
「はい」
「そのビー玉みたいに塊にしたヤツを、ビュン! って、銃みたいにすごい早さ飛ばすんだ」
「はい」
「わかったか?」
「0.2割ぐらいわかりました」
「いい理解力だ」
「ありがとうございます!」
「やるな」
「ありがとう」
天周も褒めてくれた。
「図にしてやる」
「はい」
師匠が、タブレットのメモ帳に、タッチペンで図を書いてくれた。
雲 → ビー玉 → 銃
「分かりやすい」
「さすが師匠だ」
「ほ、褒めても、う、うれしくな、いや、やっぱ、ホントはうれしい。でも、恥ずかしいな! あははは!」
「フッフッフッ」
「ククク」
俺、天周、師匠は、タブレットを囲んで、腹を抱えて笑った。