第11話 月満ちる夜。
「帰るか」
「そうですね」
キラン。ヒュー。ドゴーン!
流星の如く、超高層ビルの屋上に、何かが落ちた。
銀色の巨体が見える。
「あ、あれは!?」
「アッハッハッハ! 遂に捕まえたぞッ!!!」
特殊人型決戦機動兵器マグナ・ラグナだ。
輝く銀色。
銀色のマグナ・ラグナの手には、
気を失った些天意が握られている。
「些天意!」
だが、些天意は無反応だ。
ノアが説明する。
「分析完了。マスター、あれは、特殊人型決戦機動兵器マグナ・ラグナ。タイプコード『ゲシュペイン』です」
「なんだと!?」
「目的は果たしたことだし、とんずらさせてもらうぜ。あばよ!」
銀のマグナ・ラグナがブーストを点火し、空を飛ぶ。
「しまった!」
俺は頭上を見上げる。
だが、
ゲシュペインが、再び、流星の如く、落ちてきた。
ドゴーン。
ゲシュペインは仰向けに倒れ、壊れた人形のように、動かない。
「どうなっているんだ?」
土煙が消えていく。
物言わぬマグナ・ラグナの上に、人影があった。
「・・・お前は!」
満月を背後に、
その道着姿の
禿頭の
巨漢は
腕を組んで、
立っていた。
「チート能力四天王を倒したのは、貴様か?」
「ああ」
「ならば、名乗ろう。我は世界征服を企む組織の頭」
「まさか!」
「そう」
禿頭の巨漢は、両手を合わせた。
「我はチート能力四天王の総主、西園寺天周ッ!!! そして、久しぶりだなッ!!! 貴様ッ!!!!!」
~ 完 ~
読者A
「なんと!Σ(・ω・ノ)ノ!」