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異世界に来た俺はチート能力があって魔王に会った瞬間倒した。  作者: ライトニングブロッカー 教
第十一章 高難易度・異世界転生の章。
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第5話 女神の情報収集。

「魔王の不死の能力さえ、何とかできれば・・・」


 有力な情報が欲しい。


 俺と女神は情報収集のため、街を探索たんさくした。


「情報と言えば、酒場かな」


「あ! あそこで情報収集しましょう!」


「なんだ?」


 ピカピカ光るカジノがある。


「わかった」


「ええええええええええええええ!!!」


「な、なんだよ?」


「いやいやいやいや! そこはあなた! 女神がそんなとこ行くなよ! とか、言っちゃうところでしょ!」


「そ、そうなのか?」


「そうですよ! 駄目ダメな女神だなあ! とか言って、私をいじるところじゃないですか!」


「そ、そうか」


「でも、まあ、私は普段から真面目に女神をやっております! そりゃ、娯楽なんて知りませんよ! でも、まあ、女神ですけど、少しぐらいやってみたいなあ、とかなんちゃってえ!」


 チラ。


「え? 遊ぶ気?」


「いやいやいやいや! め、めっそうもありませんよ! あなたもうー、なーに言っちゃってんですか! あははは!」


 怒ったり、はしゃいだり、女神の情緒じょうちょが不安定で、俺は心配になってきた。



 ・・・まあ、少しぐらいの寄り道なら、許されるだろう。



「カジノで情報収集はりだ。女神、カジノへ行ってみよう」


「ほ、ホントですか?」


「ああ」


「やったああああああああああああああああああああああ!!!」


 女神はジャンプして、喜んでいる。


 息抜きも、仕事のうち、って言うしな。


 なにごとも、適度てきどな息抜きは必要だ。




 カジノに入り、俺はスロットに座った。


 女神は俺の後ろから、スロットを覗いている。


「こうやるんだ」


 チャリンチャリンチャリン。グルグルグルグル。ピ。ピ。ピ。ティロン。ジャララララ。


 俺はスロットのやり方を、簡単にレクチャーした。


「へー」


「簡単だろ?」


「はい」


「やってみるか?」


「ええええええええええええええ!!! わ、私がですか!?」


「うん」


「ちょ、おまっ! いやいやいやいや! もー! 私って女神なんですよ。あなた、ちゃんと分かってますか? これでも一応、由緒ゆいしょある女神なんですよ!」


 え? 由緒ゆいしょあるの?


「でもまあ、あなたがどうしてもって言うなら、やってあげないこともありませんけどねえ。あー、どうしよっかなあ。でも、私って女神だしなあ。でも、お願いされたら断れないしなあ」


 チラ。



「じゃあ、別にいいけど」



「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・そうですね」


 女神はクルッと背を向ける。


 下を向いて、肩がプルプル震えていた。


 女神がねている。


「ご、ごめんって! そんな、泣かすつもりなんてなかったんだって! ホント、ごめんって!」


「・・・泣いてませんけど」


「泣いてるだろ! ホントごめんだから! ホントごめんって!」


「・・・いいんですよ、別に。私、気にしてませんし」


「気にしてるだろ! そんなにやりたいなら、ちゃんとやりたいって言えよ!」



 ボソ。


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・言えますか?」



「え?」


 女神は振り返った。


 目から、大量の涙が流れている。


「だったら、あなたは言えますか!? もし、自分が女神だったとして! カジノでスロットがやりたいですって! あなたが女神だったら言えますかッ!!!」


「い、言えないです」


「でしょおおおおおおおおおおお!!! そうりゃそうですよ! 当たり前ですよ! なんで女神がスロットしたいなんて言えますか!? 言えるわけないでしょ! 少しは気をきかせてくださいよ! あなた、そういうことけっこうできる人じゃないですか! なんで、そんな、ここで、そんな、もういいですよ! フンッ!」


「ご、ごめんって! ホントにごめん! お願いだから、許してくれよ!」


「許すわけないでしょ!」


「じゃあ、一緒にスロットやってみようぜ!」





「・・・え?」


 女神の耳がピクッと動く。





「お願いだから、一緒にスロットやってみようぜ!」


「・・・でもお」


「お願い」


「・・・どうしよっかなあ」


「お願いだから」


「・・・うーん、でもー、私って女神だしなあー」


「そこをなんとかッ!」


「・・・はあ、もー、仕方ありませんねー、少しだけですよ、少しだけ。こんなにお願いされたら、断るのも申し訳ないですしねー。はあ、仕方ないなあー」


 女神はスロットに座る。


 目がキラキラしていた。


「ど、どうするんでしたっけ?」


「まず、メダルをスロットに入れてみてくれ」


「こ、こうですか。うわ! 入りましたよ!」


「レバー倒して」


「えい! うわああああああああああああああああああああ! 回ったあああああああああ! 三つ同時にまわったあああああああああああ! すごおおおおおおおおおおおおおおおい! で、で、で、次はどうするんですか!!!」


「ボ、ボタン押してくれ」


「おりゃ! とりゃ! ほいさああああああああああああ! うわああああああああああああああああああああああああああ! そろったあああああああああああああああああああああああああ!!!\(^o^)/」


 雀の涙といわんばかのメダルが出た。




 ・・・・ずかしい。




「・・・女神、ちょっと静かにしろって」


「え!? あ、はい! うわああああああああああああああああああああ! また、揃いましたああああああああああああああああああ!!! 見てくださいよ! これこれッ!!!」


「よ、よかったな」


「よーし! がんばりますよおおおおおおおおおおおおおおおおお! とりゃああああああああああああああ!!!」


 楽しそうにスロットをしている。


 とても、女神に見えない。


 俺は席を立った。


「女神、情報収集のためにスロットを頼む」


「わっかりましたあああああああ! 隊長おおおおおお!! 情報収集のために、スロットがんばりますよおおおおおおおおおおお! おりゃああああああああああああああああああああ!!!」


 情報収集のためにスロットって、どういうことだろう?


 自分の意味不明な言動に、頭をかかえたくなる。


 スロットに女神を残し、


 魔王の不死の能力を攻略するための手段を得るため、


 俺は情報収集に向かうのだった。





 後ろからは、まだ、女神のさわがしい声が聞こえてくる。

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