第3話 女神の横暴。
「ごめん、無理」
「はあ?」
俺は女神に謝罪した。
「だって、あの魔王、不死らしいんだ」
「だから?」
「え? いや、だから、不死なんだって!」
「不死だったらなんですか?」
「だ、だって、不死なんだぞ! 勝てるわけないだろ!」
「それで、おめおめと逃げ帰って来たわけなんですか?」
「そ、そうだけど・・・」
「このバカちんがああああああああああああああああああああああああ!!!」
「ひいい!」
女神に怒鳴られた。
「あなた、本気で異世界を救う気あるんですか?」
「い、いちおうあるよ!」
「《《いちおう》》?」
「ひいい!」
女神に胸ぐらをつかまれた。
「あなたがこの異世界を救えなかったら、また、上司に怒られるのは、あなたじゃなくて、私なんですよ!? 分かってます!? また、ホント使えない部下だねって怒られるのは、あなたじゃなくて、私なんですよおおおお!? 分かってますうううう!? とにかくですねええええッ!!! 魔王を倒すのが無理なら、魔王と話し合うなり、土下座でもなんでもして、とっとと、この異世界を救うなり、なんなりしなさいいいいいいいいい!!!」
「わ、わかった! もう一度行ってくる!」
「すぐ行け」
「はいいいいいい!」
女神ってのも、ニコニコして、人を導くだけの楽な職業じゃないみたいだ。
俺は飛ぶように、魔王に向かった。