カーティス家の協力 1
週末の今日、先行してカーティス家の魔導師が到着すると母さんから帰りの馬車で聞いた。俺たちが家に着く頃には到着しいるだろうと。そして明日、会談が行われる運びとなるようだ。
「今日のパーティーには貴方も招待状が来てるわよ。…大丈夫?」
心配そうに母さんが俺の顔を見た。
「うん。大丈夫だよ。ヴァンディスが来るんだろうから気は楽かな。…何を言われるかわからないけど。お父様も来るんだろう?」
「ええ。同行してくると手紙が来たわ。」
母さんが少し嬉しそうに言った。今回は前と違い仕事で来るだろうからイチャイチャは出来ないから複雑なんだろうなと思う。
「クルト兄ちゃーーーん!!!」
えっ!!?
ドフっ!!
俺が降りるとすぐにニコルがニコニコ顔で俺に向かって突っ込んできた。
「ゴホッ、グフっ!!ゴホッゴホッ。ニっニコル!?なんでここに?」
抱きついたままニコニコ顔で俺を見上げている。
「それは私の付き添いに決まっているだろう?実践を見せれるまたとない機会だからな。ってのは今つくった建前で、荷物に紛れてついてきたんだ。お前なんぞに会うためにな。」
ヴァンディスまでもが叔母さんのうちで俺の帰りを待っていた。不機嫌そうな顔で俺を見る。
「お久しぶりでございます。ヴァンディス様。」
「ああ。久しいな。そちらの方々がお前の従姉弟か?」
「はい。こちらが長女のキリに長男のクーです。」
「キリ、クー。こちらがバルフ国カーティス公爵家次期当主のヴァンディス様です。そちらの方が未子の次男のニコルです。お2人とも元婚約者のアメリア嬢のご兄弟だ。」
2人してギョッとした顔で俺とヴァンディス様達を見ていた。
「はっ、はじめまして。キリと申しますです。よろしくお願いします。」
やたら緊張気味のキリ。クーが後ろで笑い堪えてるし。
「どうもー!!」
バコっ!!バコっ!!
咄嗟に頭を叩いてしまった。それもキリと被った。
「クー。ルイーヌ叔母さんに恥をかかせるからやめような。ちゃんと挨拶。」
「わかりました。申し訳ないです。はじめまして。クーと言います。よろしくお願いします。」
頭をさすりながら一応挨拶した。
「うん。お前の家族らしいな。よろしく頼む。まあ、あまり気を使わんでいい。同盟国なわけだしな。この国には身分制度はないと聞いた。貴方たちの母親はゼハルと肩を並ばせるほどの軍隊長だったと聞いている。それだけで尊敬に値する。」
「あっそう?助かるー!!慣れてないんだよ!」
バコっ!!✖️2
またかぶった。
「程々に頼むよ。マジで。」
「はい。」
「ヴァンディス様。それでなんでまた私なんかに会いにきたのですか?」
やっとまともに話せる。なんで自己紹介でこんなに疲れるんだよ。
「俺ではないと今言ったろ?ニコルだ。」
「ニコル。何故そこまでしてきたんだ?」
未だにしがみついて見上げているニコルを見た瞬間背筋に悪寒が走った。
!!?
「もちろん。クルト兄ちゃんに文句を言いにきたんだよ。当たり前じゃん!!大好きなだーい好きな姉様の婚約しといて、皇太子に取られて解消させられて、姉様にあんな酷い作り笑顔をするようにさせたんだよ。さらに僕の面倒もよく見てくれてたゼハルまで死なせたんだ。ふざけないでくれる?」
「え!!?」
顔合わせの時はニコニコしていただけだったニコル。まさかこんなにも妬まれていたとは。それにまだ5歳なのにこの毒舌…。
「最初は落とし入れてやろうと思ってたんだけど、あんな皇太子よりかは何百倍もマシだからはやくなんとかしてよ?それとも僕が何とかしちゃうよ?」
あのニコニコ顔でそんな怖いこと思ってたの?
「いや俺がちゃんとケジメをつけるから安心して。それよりも、アメリアは…。」
ニコルの言葉に心配がつのり胸が痛み言葉がうまくでなかった。
「ふん!お前までそんな顔をするな。奪い返すと約束したのだろう?結果そうなればそれでいい。私もアメリアのあんな笑顔は見たくない。ゼハルも望んでいるだろうしな。」
俺は驚いてヴァンディスの顔を見た。まさか叱咤されるならまだしも、励まされるとは思ってもみなかった。
「身体は大丈夫になったようだな。」
「…はい。お陰様で回復に向かっております。お気遣い頂きありがとうございます。」
「なら良い。それでは中に入るぞ。叔母君が待っている。」
「はい。」
ニコルはいつのまにか離れて、ヴァンディスの後に続く。中に入ってすぐに違和感を感じた。
…なんだろう?
「挨拶は済んだ様だね。悪いがクーご飯の用意を頼むよ。キリはガン食堂におかずを注文しといたから取ってきておくれ。」
「わかった。」「わかったよー。」
「では部屋で少し話そうか。よろしいですかね?ヴァンディス殿。」
「はい。よろしくお願いします。私としてもまさか軍からの要請が来るとは思っていませんでした。父上は何か知っているようでしたが教えてもらえずルイーヌ様から聞くように言われただけでしたので。」
「ああ。私もそう聞いている。クルト、レイチェル、お前達も協力してくれ。」
叔母さんが自分の仕事部屋へと入る。部屋にはすでに防音の魔法の枠が出来上がっていた。
「ところでヴァンディス様。従者の方々はどちらにいるのですか?」
「ん?来てないぞ。」
「え!?」
他国に来たのだ。同盟国とは言っても警護の人間すら連れていないのはおかしい。…聞いていいんだろうか?
「クルト。心配いらないよ。軍から警護が出てる。今は姿は見えないけどね。マリッサの嬢ちゃんが手をまわしてくれたんだ。今回はクルトに状況を教えるのも兼ねてだからね。このメンツで集まっている事をバルフ国の王族達には知られないためさ。まあ
、国王だけは知らせてあるがね。」
「そうでしたか。安心しました。」
「では、本題に入ろうかね。まずは、改めてエルフ国の為にわざわざ来てくださり感謝します。」
叔母さんがヴァンディスに頭を下げた。
「最初に会ったときにも言いましたが気にしないで大丈夫です。」
「いや、あの場では頭は下げれなかったのでちゃんと感謝を示したかったのです。」
「…!!そうですか。ならこちらも今回の任務に協力できる事、大変光栄に思っています。それに私としても当主になる前に軍の方々とのパイプが出来たのは大きい。共に利があると言う事で納めてください。」
「!!感謝します。」
ヴァンディスがおかしいのを堪えながら頷いた。
「どうかしましまか?」
「いや、やはりクルトの血縁者なんだと思いまして。失礼しました。」
どういう意味だろ?
「じゃあ、堅っ苦しいのはこれぐらいかね。一先ず、今のラビリアに関してだけどね。今の所それらしき動物は確認されてないんだが…他の動物達までいない状況なんだ。特にアナバスやフォッグベアー、ミラウルフの唯一の生息域だからいないんてありえないんだが確認出来なかったそうだ。」
みなが深刻な顔持ちで聞いている。因みにアナバスは体調8メートルある巨大蛇だ。フォッグベアーは霧の中に紛れて襲うと言われている熊型の生き物。ミラウルフはその犬型版だ。まあ、俺も図解の絵でしか見た事はないが。
「異常は出てきている状況だ。聖女様の予言が正しいかはまだ不明だけど対策はうたなきゃならないね。広域はこちらで決めておいた。これが資料だ。軍の方にも伝えてある。」
叔母さんはヴァンディスに髪の束を渡した。
「ありがとうございます。」
受け取る資料を確認しはじめた。
「だいぶ広いですね。軽く見積っても2ヶ月程はかかると思います。残念ながら結界塔の設計図の公開は許可がおりませんでしたので、我が家が贔屓している大工達を連れてきましたが時間はかかりそうですね。」
難しい顔をしながら話ヴァンディス。
「そうだろうね。まあ、仕方ない。大まかでいいから予定を後で用紙にして渡してくれ。後で報告をしなきゃならないからね。」
「大丈夫ですよ。作ってきたので。」
「仕事が早くて助かるよ。うちからはどうやら人は出せないようだから、学園の休みが合えばクルトとレイチェルは出せるから言っとくれ。確認してないが2人は嫌がらないだろうからね。」
俺と母さんが頷いてヴァンディスを見る。
「はい。是非協力させて下さい。」
「ああ。その時は申し出よう。」
「まもなく1学期を終えて長期休暇がありますので、後で用紙にてお渡しします。」
「ああ。わかった。」
「後は、おいおい話す事なので大丈夫ですが…ルイーヌ殿、今回の予言をした者が誰か知っていますか?今、バルフ国ではその話題で持ちきりで王族からも確認、探りを入れるように命が出てまして困っています。」
肩を落として話すヴァンディス。どうやらアメリアのことは聞かされていないようだ。
「残念ながらハッキリはわかっていないんだ。私も教えてもらえなくてね。ただ間違いないとは思っているよ。」
「叔母さん。ヴァンディス様は妹君思いの優しい兄上です。カーティス様が何故伝えなかったのか測れませんが、私は伝えたく思います。」
俺の一言に叔母さんはため息を吐き、ヴァンディス様が驚愕の顔で俺を見つめた。
「まっ…まさか。アメリアなのか?」
「はい。私がこの国に行くと伝えた時に教えられました。ただアメリア嬢本人は公開することを恐れています。なので、王族に伝わる訳には行きません。」
ヴァンディス様が眉間にシワを寄せ黙ってしまった。
「後、もう一つ。これはカーティス様にも誰にも言ってないことですが…アメリアは皇太子殿下に婚約破棄されます。」
「「「え?」」」「「はぁ!!!?」」
皆が俺の顔を見て固まった。
「それはお前が…。」「いえ。私がでなくともなる事です。時期は学園高等部卒業する式で起きます。ただ私はその前に取り返すつもりですが。」
「それもアメリアが?」
「はい。ですので約束して下さい。何があってもヴァンディス様は王族の味方をしてください。カーティス様も騙してでも止めていただきたいのです。」
「なっ!!?」
「状況次第ですが王家を敵に回してしまった場合にはお願いします。私はアメリアと約束致しました。もう大事な人が傷つく事はしないと。守られてばかりではいられない。協力はお願いしますし、助けを乞う事もあるでしょう。しかし、それは大事な人を守る為にです。もちろんアメリア嬢との結婚が最終目的ですけどね。
不測の事態が起きたときには俺たちは共にいる事よりも周りの人を助けるのを優先して動きます。これは2人で決めた事なので変えれません。甘かろうがそれが2人の望みなので。」
「まったく。言うことだけは一丁前だな。お前もアメリアも。善処はする。わたしからはこれしか言えん。これ以上の言質は望むな。私はアメリアの兄なんでな。」
「うっ!!…わかりました。」
読んでいただきありがとうございます。投稿が不定期の中、お付き合いくださり感無量です(T-T)
これからですが、今までと違い1話を2分割で投稿する予定です。これにより今までよりも早めの投稿を目指します。よろしくお願いします\\\\٩( 'ω' )و ////




