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悪役キャラ⁉︎なんの話?  作者: 黒黒
二章
34/42

それぞれの夜

「流石に何回もダンスすると疲れるな。」


ダンス後、既に水を用意してくれていた物を2つアルベルトがもらってわたしてくれた。


「アメリア、どうぞ。」


「あっありがとう…ございます。私達のためのパーティーですので致し方ないかと。」


「それはそうだがな〜。…アメリアは平気そうなんだな。」


「いいえ。疲れてはいますわ。顔に出さないようにしているだけです。」


「そうか。それも彼の為に会得したのかい?」


「……………。」


私はなんと答えるか困惑して何も言えなかった。


「すまない。嫌みの一つや二つ言わせてくれ。私も初めて知ったが私は結構ねちっこい性格をしているようだ。許せ。」


「いいえ。そのようなことはございません。」


「先程のは本当に気にしなくていいぞ。言わないからな。アメリアの本心はともかく、お陰でマシな王子にはなれた気でいるからな。私も学ぶことの大事さを知ったり競争心を抱いたのは初めてだったから感謝している。だからその恩返しと思ってくれ。」


笑顔で言うアルベルトに困惑しながらも私も笑顔をつくる。


「ありがとう…ございます。」


パーティーを終えて私はマリッサと2人で私の部屋まで戻ってきた。私は緊張の糸が切れ部屋に入るなりその場に崩れ落ちた。


「ア!アメリア様!?」


マリッサは私の元に寄り添ってくれた。


「大丈夫。気が抜けただけよ。それよりもマリッサ……今日の……会話、アルベルトは聞いてた……。」


私の振る声にマリッサの動きが止まり驚愕の顔で私を見て、少し私から離れ、すぐに頭を下げた。


「もっ申し訳ありません。あらゆる結界を張り魔道具も用意致しておりましたので、聞かれることも見られる事も無いように準備を致しましたが…まさか。」


「…アルベルトはお義母様に言わないと言ってくれた。私に感謝してるからその恩返しにと。」


私はなんとか声にした。


「……っ!?それでも直ぐに彼方には伝えておきます。」


「ええ……お願い。」


アルベルトの言ったことは本心な気はする。ただ踊りの間に言われたあの声だけが耳から離れられない。冷めた口調で怒気を感じた気する。アルベルトはあんな風に言ってくれたがそれは本当に本心なんだろうか…。違ったらクルトが…。


「アメリア様。誠に申し訳ありませんでした。私が勝手な事をしたばかりに…。」


「いいえ、感謝はしているのよ。私にとって必要な時間だった。わかってるから。…わかってはいるから。念のために他にも必要な所に連絡しておいて。…ごめんなさい、今は1人にさせて。」


私はなんとか立ち上がりベッドの上に横になった。


「……はい。かしこまりました。申し訳ありません…でした。失礼致します。」


ああ、なんか私感じ悪い言い方しちゃったかな…。嫌悪感を抱きながらクルトを思い出す。私やっぱり貴方やゼハル、レイチェルがいないとダメみたい。

私は涙を抑えながら眠り支度もしないまま意識を離した。


『クルト視点』

闇の日、今日の授業を終え母さんが手配していてくれた馬車で4人でルイーヌ叔母さんの家に戻って来ていた。 


「少し話せますか?」 


夜、寝る前に俺は意を決して叔母さんの部屋を訪ねた。


「ん?どうしたんだい?こんな時間に改まって。私の部屋まで来るなんてね…。まあ、いい。すわんな。」


「うん。」


叔母さんはお茶を入れてくれ、笑みをこぼしながら腰を下ろした。


「ありがとう。」


叔母さんにこれから話す内容を考えれば胃がキリキリしてきた…。


「それで…どうしたんだい?」


「……その俺の元婚約の事なんだけど、父様にも話してない事だからここだけの話にして欲しいんだ。」


俺は自分の緊張を解く時間稼ぎも含めて慎重に話を進めていく。


「ん?何故ウルに言っていないことを私に?……まあ内容次第だね。」


「内容が内容だけに言えないんだ。叔母さんにも言うかすごく悩んだんだけど俺1人じゃあどうにも出来ない。父様は国の立場が危うくなる危険性があるから言えないんだ。」


「なるほど、他国の私ならまだマシと言うわけだね。」


「うん。それに連合軍にも伝手があるから。」


マリッサの反応からして、この世界でのアメリアの知識はヤバいものだと感じていたから俺は言いづらさからすぐに言葉に出せなかった。…緊張から喉が渇いてきて一口お茶を飲んで胃を決し直した。


「…それでアメリアなんだけど、未来視の魔法を生まれつき持ってるんだ。ただ不安定で所々らしいし、自分で好きに見れるわけじゃないんだけど。」


「ブッフー!!!ゴホッ…ゴホッゴホッ…ンク…ちょっ…ゴホッ、ちょっとお待ち。」


飲んだお茶を吹き出してしまい、俺は咄嗟に布で机を拭いた。


「大丈夫?」


「ンゴク。はあー、またとんでも無いことを言ったね。んーなるほど確かにウルには黙ってた方が良さそうだね。聖女降臨の伝承でしか伝えられてない幻の魔法を使えるとなれば下手したら国が分かれるからね。」


俺はハンカチを叔母さんに渡した。


「そうなんだ。だから内密にお願い。」


「わかったよ。私に言うってことは相当大事な未来が待ち構えてるのかい?」


「うん。今年の終わりにエルフの国は滅亡するらしいんだ。」


叔母さんは目を見開き俺を見つめる。次第に眉間にシワを寄せながら目をつむってしまった。俺は叔母さんの言葉を待った。


「…そうかい。また随分と大事だね。原因はわかってんのかい?」


「うん。魔獣っていう新種の動物達がこの国で大量発生して滅亡するらしいんだ。魔獣は魔法を使ったり今いる動物より大きかったり岩みたいに硬い鱗を持ってたり形は様々でただ共通点が凶暴でだいたいが雑食なんだ。そんな動物が自然発生するとは思えないから、俺はそれは闇落ちの奴らの人為的なものだと思う。だから同時に攻めてくるんじゃないかと思ってる。予知では見えてないけど。ただアメリアのは部分的な予知だから、状況を聞くとそんな気がするんだ。」


「なるほどね。…新種かい。……それはもしや。」


「うん。多分俺も同じ考えだよ。だからこそ叔母さんに話したんだ。だから連合軍にもなんとか動かせないかと…。」


「んー…確かにそうだね。魔獣の生成に闇落ちの人間を増やしての増員。魔獣の実験が成功すればさらに軍事的にはかなりの増員となるね。さらにこの国を占拠出来れば上出来だ。…聖女の予知か。それ以外にわかっていることはあるのかい?」


「残念ながらないんだ。だから人手がどうしてもいる。魔獣を生産するには隠れられて、獣を確保しやすい場所、洞窟とか人の手が入ってない森だとは思うんだけど…。何処か心当たりはない?」


「んー、そうだね。洞窟はいくつかあるね。ただ特定の動物しかいないし、鉱物を採りに出入りはだいたいあるからね。森なら広すぎて探すのは難しい…。ただ精霊の森なら洞窟もあるし、人は祭日の時にしか立ち入らない。それに動物も多いけどね、エルフにとって聖域だ。そう簡単には入れない。結界も張ってるからね。」


「そこは可能性はあるね。結界さえ抜けれれば…。」


叔母さんの様子が少し変な気がした。さっきまでの俺みたいな。


「確かにそうなんだが……。実はね。その魔獣ってのはもう存在してるんだ。」


「……!!?」


叔母さんの意外な言葉に言葉が出ない。


「この国にはラビリアってのがあるんだ。このことは秘匿情報だから他にばらさないでほしい。」


叔母さんは額に手をやりながら目を瞑り渋々言ってきた。


「ラビリア?」


初めて聞く名前にさらに困惑した。


「そうだね。見た目は洞窟なんだが中に入ると場所によっては部屋になってたり不思議な場所だったね。そこには太古の動物や見知らない動物、現在いる動物たちがたくさんいた。恐らく、魔獣とやらの実験用と実験結果で生まれた奴らなんだろうね。」


「…そうだね。もういたんだ。」


「ああ。ただ魔法を使うのはいなかったよ。あれから随分たってるから改良されて生まれてるかもしれないけどね。」


「そう言う事だろうね。奴らの作りたい物の最終型が魔法を使用できる動物なんだと思う。」


「ああ。予言の内容からするとそうなんだろうね。ただあそこは動物だけじゃないんだよ。洞窟内にはあらゆる所に罠や転移魔法陣が隠されたり……本当にめちゃくちゃだった。当時誰も攻略出来ないからとたくさんの人が腕試しに挑戦して犠牲者が急増したんだ。まあ、そもそも迷いの森にある事でラビリアに着く前にも犠牲者がいたんだが…。だから森ごと封鎖して秘匿することにしたのさ。関連書物は一切残って無いはずだよ。50年以上前の話だから知らなくても仕方ないだろうね。」


話的にダンジョンっぽいのかなと想像した。ならわからなくはない。…悲痛な表情で話をする叔母さんに戸惑っていた…けど、


「叔母さんは行ったことあるんだね。」


「…ああ。私は当時の族長の命で1個部隊10名兵制の4個部隊で行かされた。…本当に酷かった。…なんとか戻ってはこれたけど……助かったのは私を入れて…6人だけ…。」


叔母さんは両肘をつき両手で目を覆いながら話してくれた。話終えると唇を噛み耐えていた。



「ハァー……間違いなくそこだろうね。そもそもあそこはもともとエルフ国の領土じゃ無い。ガルグ国の領土だったからね。闇落ちした奴らの国さ。滅亡させたけどね。」


叔母さんは目を吹きながら自分を落ち着かせながら話していた。


「させたね…。間違いなさそうだね。」


「ああ。あれから随分経つが、中なら植物も育っていたし生活は出来るはずだからね。生き残りがいて中で生きながらいていてもおかしくない。もしラビリアを作ったのがガルグ国の奴等ならあそこが実験所だろうね。」


「間違いないとおもうけど、でも転移魔法陣を作るのに相当時間がかかるって聞いたけど、そんな高度な技術を持ってたの?それに太古の動物なんて見たことないからわからないけど復活させたのか、どこかで見つけて繁殖させたのか、どちらにしろ簡単じゃ無いよね?」


「私が知る限りそんな高度な国では無かったと思うが、私の記憶とアメリアちゃんの予言からそうとしか考えられない。でも調べるのは無理だ。国の部隊ぐらいじゃとてもじゃ無いが犠牲をだすだけだからね。」


「俺の意図とは少し違っちゃうけど、連合軍の部隊ならいけるんじゃない?」


「まあ、確かにあそこの奴等なら出来るかもしれないが犠牲が出る可能性は十分あるからね…それに戦争に結びつけるだけの証拠がないと私でも動かすのは無理だ。」


「俺も考えてみるから、叔母さんも協力してくれる?」


「ああ。するしかないからね。まあ、駄目もとで昔の伝をつかって連絡はとってみるかね。」


「うん。お願い。じゃあ、おやすみなさい。」


「ああ、おやすみ。」


俺は寝る前に顔を洗い鏡を見た。また目に赤みが出てきていた。未だに完治まで程遠いいようだ。明日はあの治療…。生活するにはもうなんの問題ないのにと、すでに寝ているクーを起こさないように布団に入った。


俺は寝るのが怖くて眠れないでいた。ここ数日はいつもだった。昼間は今までとはまるで違う日常の忙しさや、闇落ちの治療、魔獣の対策、やることも気にしないといけないこともあるからなんとかなる。…でも寝るときはとても静かで、どうしてもアメリアを思い浮かべてしまう。やると決めた。アメリアもきっと今頑張ってるはずだから。…女々しい自分がなんとも情けない。いつも通り気持ちの整理が出来ないまま眠気に負け意識をはなした。

コロナのせいでどこも大変かと思います。職業柄、今仕事が忙しくなってきている関係で更新が遅れました。仕事があるだけ良いかもしれませんが、会社の別の営業所やお客さんの所で発症が確認されたと聞くとなかなか怖いものです。この状況化でも仕事には行かないといけない方々、お互い気をつけていきましょう。今後は1週間に2回更新するペースになるかと思われますのでよろしくお願いします。

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