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悪役キャラ⁉︎なんの話?  作者: 黒黒
二章
29/42

クルト昼食時=アメリアの噂

「クルトー!飯一緒に食おうぜ!!」


席替えを終えると隣の席になったルイが話しかけてきた。


「いいよ。後、クーもいるけどいい?」


「構わないよ。クーとも話してみたかったから丁度いいし。ってか、この腕輪すげーよな!!俺の槍だからさ、チョー楽になったよ。」 


既に武器を格納した腕輪を見せてきた。


「確かにそうだろうね。俺は刀を腰にさしておくのに慣れたいから使うのは邪魔になる時だけかな。」


「確かにそれは一理あるな。俺は小さい頃から持ってるから今ぐらいは楽したい。まあ親父にバレたら怒られるけどな。」


「なんか大変そうだね。」


「そうなんだよ!体ができるまでは魔道具に頼るなってのが親父の口癖だよ。」


「おっまたせー!行こっか〜。」


「おう!クー、俺も一緒にいいか?」


「いいよー。大勢の方がいいっしょ!!」


3人で教室を出て食堂へと向かう。


「ちょっと早いんだよな。」


「確かに、でもまあ喋ってる間に時間になるよ。きっと。」


「そうそう。」


3人で食堂に入るとやはりまだ早い様で受付の所はまだ明かりが消えていた。それでもチラホラ人は座っている。おそらく同じ1年生だろう。3人は適当に空いてる席に座った。


「クルトもルイもいいよなー。この間、先生に聞いたのどうせやるつもりだろう?俺もしたいよー!!」


「ああ、そりゃあ、あんな面白い話聞いたんだ。やってみたくもなるさ。確かクーは魔法事態は使えるんだろう?」


ルイが面白そうに笑顔で応えた。


「まあ、一応ね〜。母さんにも言われたけど偏食なんだよね〜?」


「ん?どう言う意味だ?」


言っている意味がよく分からずに聞いてみたんだが…


「武器付与はできんのに魔法玉はいまだに上手くできないんだよ。母さんも意味が分からないってぼやかれたな〜。」


まさかの一言だった。どう理屈を変えればそんな事になるのか?信じられない答えにルイも苦笑いしてる。


「それ本当?確かに変わってるね。クーって確か同時付与も出来んだよね?」


「うん。出来るよ。」


俺の一言に目を丸くしてルイが俺たちを交互に見てきた。そりゃあそんな反応にもなるよな。


「それはまた意味が分からないな。」


「感覚だよ。感覚!!」


「いや、感覚だけじゃ出来ないだろ?…普通。」


「ああ。俺もそう思う。」


ルイのツッコミに同意した。


「でもルイもずいぶん勉強してたんだな。悪いが正直意外だった。」


「いや、わかるよ。俺も結果聞いて安心してるくらいだからな。親父がうるさいんだよ……。」


「…なるほど。そう言う事。」


ちょっと暗い顔をするルイ。ルイの一言にやけに納得してしまった。余程苦労したんだろう。


「あー!!これから勉強かー!!嫌だなーー!」


クーが背伸びしながら一気に体の力を抜きテーブルにおおいかぶる。


「確かに。俺も辛かったもんなー。」


そんなクーを見ながら微笑してクーに同調していた。


「そうかな?知らない事を学ぶのって楽しいけどな。学んだ事を実践でできた時の感動は凄いよ!」


「優等生だよねー?クルトって。」


「いや、クー。クルトが言ってるのもあながち間違ってない。俺だって勉強嫌だったけど、実践で学んだ事が役に立つとめっちゃ嬉しかったからな。それもあって耐えれた。」


「んーそう言うもんか〜。まあ頑張ってみるよ。」


「おっ!!開いたみたいだぞ。みんな並びはじめてる。」


俺たちは席を立ち、受付の列の最後尾に並んだ。


「あー!!またおいてったクーだー!!」


後ろからニーナが不機嫌そうに話しかけながら食堂に入ってきた。一緒にミーニャ、リーリも一緒だ。初日以来、ミーニャとはなんか気まずい。リーリも制服の着方、ラフにしすぎじゃない?どちらも目線に困り、クーを見た。困り顔だが、なんか嬉しそう。


「違うよ。仲良く3人で話してたから気を使ったんだよー。」


「もー!いつもそうやって誤魔化す!!」


クーは笑顔で近づいてきたニーナの頭を撫でている。ニーナも文句は言っているものの満更でもない様だ。


「僕が好きでニーナを置いてくわけないじゃないかー。ニーナもちゃんと友達つくって楽しんで欲しいんだよ。俺達はいつでも話せるだろう?」


「んー。そうだけどー。なんか一言あっても良いじゃん!!」


「確かにそうかもね。ごめん。」


「…わかれば…いい。」


「ああー!まったくもう!!!」


クーはニーナを抱きしめた。急に抱きつかれて赤くなるニーナ。


「はい、はい、お2人さん。夫婦仲良くて良いんだけど、俺達もいるからね?」


ルイが見兼ねて声をかけた。俺もミーニャもリーリも微笑しながら見守っていた。


「「あっ!!ごめん!!」」


クーは俺たちに振り向き、ニーナはミーニャとリーリに振り向いて謝ったのに2人見事に揃って言った。


「ニーナ、良いなー。私も早く彼氏欲しい!!」


そんな2人を見てリーリが羨ましそうに言っていた。


「はい。私も恋愛はそこまで考えてなかったんですが、お2人を見てるとツガイが欲しくなりました!!」


ミーニャまで…。クーとニーナは照れ笑いしながらお互いを見ていた。

その流れのまま一緒の席に座り食事となった。なったんだか…何故かルイとニーナがわざわざ動いて、俺→クー→ニーナ。俺の向かいからルイ→リーリ→ミーニャの席で座った。別にいいんだが…別にいいんだが釈然としなかった。


『アメリア視点』


入園式を終え、今日と明日で寮の引っ越しを済ませる。ジャリル学園では全員寮に入らなければならないため引っ越し作業の準備を進めていた。付添人は1人と決まってるが、付添人は寮には入れない。貴族の子供達があくまでも1人で生活を出来る様になるためのサポート役として許可されているだけとなる。私の場合はマリッサが来てくれる事になった。


「アメリア様、あらかた終わりました。」


「ええ。その様ね。みんなが協力してくれたから順調にいけたわ。後は明日荷物を入れて片付けるだけね。」


「もったいないお言葉。恐縮です。」


マリッサを含め数人のメイドと執事が頭を下げてきた。別にそれをして欲しくて言ったわけではないんだけど…。


「つきましてはこの後、王妃様よりお呼びがかかっておりますので、後は残った者で済ませておきます。」


「…わかったわ。」


王妃様の名前を聞いて、ビクッと反応してしまった。マリッサが心配そうに見てくる。私は笑いながらごまかした。…王妃様からの呼び出し。悪い予感しかできない。おそらく婚約パーティーのことだろう。それに私の噂の件もある。


「……メリア様?アメリア様!…大丈夫ですか?」


「え!?…ええ、平気よ。ちょっと考え事してただけだから。」


「無理をなさらないでくださいませ。」


「いいえ。無理なんてしてないわ。本当に考え事してただけよ。」


「失礼いたします。」


急にマリッサに優しく抱きしめられた。驚いたがマリッサの優しさに心が少し和らいだ。


「ありがとう。」


私はマリッサを抱き返してからすぐ王妃様の部屋へと訪れた。


「アメリア。もう準備の方は大丈夫なの?」


「お待たせいたしました。王妃様。はい、支度の方は順調に用意ができました。ありがとうございました。」



パチンっ!!


礼をして顔を上げると、怒気をあらわにした王妃様が私の頬にビンタをしてきて少しよろけた。一瞬、マリッサが動きそうだったので私は静止させた。


「お義母様と呼ぶ様言ったはずです。もうあなたはアルベルトの婚約者なのですよ。自覚を持ってもらわないと困ります。」


「もっ…申し訳ありません。お義母様。以後気をつけます。」


私は頬を押さえながら頭を下げた。


「そうしてちょうだい。今週末にやる婚約パーティーのためのドレスを新しく新調いたしました。あなたの綺麗な赤い髪の色に合う様に作らせたものよ。」


王妃様に言われ、目をやるとそこには赤色の細かな装飾がされた可愛らしいドレスが飾られていた。結婚式でも使えるのではと思わせるほどの見事なドレスだ。


「ありがとうございます。お義母様!!こんな素敵なドレスを用意して下さって!とっても素敵です!!」


「そうでしょ!!気に入ってもらえてうれしいわ!!絶対に似合うと思うの。着替え終えた時には是非、見せに来てちょうだいね。」


「はい。是非!!見ていただきたく思います。」


「ええ。私も今から楽しみです。それと最近、アルベルトが変わり始めましたの。あなたの指摘に嫌がっている様だけども、ちゃんと直しているそうよ。家庭教師に相談までして。今までは考えられない変わり様です。私が見込んだ通りで良かったわ。これから更にあなたには求める事は増えていくでしょう。先程の些細な事も気をつけるようにしなさい。周りに言われる隙を見せてはダメよ。」


「はい。ご忠告ありがとうございます。常に心に留め、お義母様の期待に応えてまいります。」


「ええ。期待しています。それであなたの噂の件なのだけども、何か策はうったのかしら?」


「…いいえ。いまだ策を見いだしておりません。申し訳ありません。」


「そう…。この件は私共の非をあなたが被ってくれたのだから攻めは致しません。ただこのままというわけにはいきません。そこで今日以降、学園でもアルベルトと常に共に過ごしなさい。あの子を本気で惚れさせるの。今のところ良い手がないのだから2人の仲を良くする事ぐらいしか出来ないとの判断です。2人の仲が良くなれば将来、王妃になるあなたの悪い噂をする愚か者はいないでしょう。もしいたなら、その子の家の将来が無くなるだけでしょうから問題ありません。」


「ッ…はい。わかりました。全身全霊尽くさせていただきます。」


「よろしい。では、今後は夕食も2人でしなさい。2人だけの時間を増やします。悪いのだけど、アルベルトにこの後、私の所に来るように伝えてちょうだい。その前に2人でお茶でもしてからでいいわ。」


「はい。わかりました。ではお義母様、失礼致します。」


「ええ。楽しんできなさいね。」


私は一礼をして部屋を後にした。私の噂。その噂は元婚約者をはめて他国へと追い出し、王子と婚約した悪女というものだ。世間では私から懇願して王子と婚約した事になっているのだから、そんな噂が流れるのは当然だった。入園式では式のあとがお祝いパーティーだったため、王妃様とアルベルト様と常に一緒にいたから特に何もなかった。

でも明後日から学園でどうなるのか正直不安だ。見知らない子ならまだいい。カタリナやステイシー、小さい頃からの友達の2人に嫌な目で見られたら耐えられるかわからない。それにキリカも…。私の唯一の親友。彼女はどこまで知ってるんだろうか?知らないなら恨んでるかもしれない。知ってるなら、あの日以来未だに会えてないのも含めて、相当心配をしてそうでキリカが大丈夫か心配になる。   


そんな事考えてるうちにアルベルト様の部屋の前まで来た。扉は開いていてたが、ノックをして手前で待つ。


「誰だ?こっちはもう終わった……アメリアか。どうした?なんか用か?」


「はい。どうやら終えた様で安心しました。これからお茶でもいかがでしょうか?その後になりますがお義母様がお呼びです。私とお茶をした後に来るようにと仰ってました。」


アルベルト様は少し怪訝な顔つきになり額に手をやりながら目を瞑ってしまった。


「母上のいいつけか…。仕方ない。少し中に入って待っててくれ。用意させよう。」


「…はい。ありがとうございます。」


私を中にアルベルト様がエスコートして椅子に連れてってくれた。私は少し驚いて戸惑ってしまった。少し前まであんなに嫌そうだったのに…。王妃様が言っていたのも本当なのかもしれない。


「それにしても母上にも困ったもんだ。どうせあの噂のせいなのだろう。」


「はい。申し訳ありません。」


「まったく面倒だな。まあ、もともと母上が悪いのだから母上がなんとかすべきだとは思うんだがな。」


「いえ。私の力不足です。申し訳ありません。」


「それは違うだろ?それにしてもずいぶんと、今日はかしこまってるな。まあ、いいが。おっ!どうやら準備が終えた様だ。行こうか?」


「はい。」


あんなにギスギスしていたのに今は気遣ってくれている様で戸惑いが隠せないでいた。そんな状態でテラスまでエスコートしてもらい、マリッサが私たちにお茶を入れてくれ、可愛らしいタルトを並べてくれた。


「今のうちに言っておく。一回しか言わないからな!!!」


???


「…はい。なんでしょうか?」


アルベルト様は少し顔を赤てなんか気まずそうにしている。前世のゲームファンだった記憶がある私からするとご褒美的シチュだ。クルトの事がなかったら喜んだんだろうなと思う。そんな事思っている内に意を結したのか、真っ直ぐ私を見つめた。


「…感謝してる。」


「………え?はい。あっ!?いえ…どういう事でしょうか?」


「んーこの間な、マナーを見てくれてる先生に初めて褒められてな。お前が口うるさく言ってくれていた意味が少しわかった。」


アルベルト様は私に向かって微笑んだ。


「…それは役に立てて嬉しく思います。」


私は咄嗟に俯いてしまった。仕方ない。仕方ないじゃない。だって、ゲームのメインキャラ第一位なのよ!!イケメンに決まってるじゃない!!まだ12歳だとしても、むしろ幼さのせいで可愛さも残ってるんだから。


「今回だけだぞ!!別に認めたわけではないからな!今だって習った事をしっかり出来るかお前で試しただけだからな!勘違いするんじゃないぞ!!」


んー前言撤回。やっぱりクソガキだ。


「わかりました。これからもバシバシ指摘させて頂きます。早速ですが、私はもうアルベルト様の婚約者でございますよ?」


「え!?それはどういう意味だ?」


なにか失敗したのかわからない様子のアルベルト様。


「実際には結婚した場合なのですが、婚約者も基本的にはしているのですよ?」


「え?…え?なんかそれ聞いた記憶が……そうだ!私はこういう時は最初にお茶を飲まないといけなかったんだな!!?」


「はい!正解です!!基本的に妻にしろメイド、執事にしろ主人より先に口にする事はタブーとなっております。ですので最初に一口でも飲んでいただければ良かったわけでございます。」


「くそッ!!忘れてた。」


「アルベルト様!!?クソは平民の使う言葉でございます。どこでその様な言葉を覚えるのですか?」


「…気にするな。」


「では今のは聞かなかった事といたします。先程の礼儀は思い出しただけでも上出来かと思います。本来は結婚後、もしくは結婚間近の婚約者同士から練習で行いはじめる礼儀ですので。」


「アメリアは知っていたではないか?」


「はい。私もたくさん勉強致しましたし、実践もしてきましたから。」


「…そうか。そうだったな。」


私の一言に気まずい空気が流れた。


「そういえば、やっと追い付いたぞ!!」


「え?」


アルベルト様は白い魔法玉を5個出して空中に出して様々な動きをして見せた。以前共に練習した際に私が出来ていた事に驚愕し悔しがっていたのを思い出した。正直、今の私はもっと多く出来るのだが…黙っておこうと思う。


「すごいですね!!短時間でここまで!」


アルベルト様にジト目で見られた。え?


「嘘をつけ!お前は10歳の時には既に出来ていたと聞いている。」


「確かにそうですが、1週間で魔法玉を1個飛ばされてたのが5個まで出来る様になったことは凄い事ですよ!!」


「ん?ああ。そうか。私もやれば出来るって事だ!!」


なんかまた急に偉そうにしてくる。何故だろ。助けられた感があった。話を変えてくれたおかげでクルトを思い出さなかったから。


「そろそろ、母上のところに行くとするかな。アメリアは残りを食べておいて良いぞ。食べ過ぎには注意しろよ。」


「ご心配なく。私はそんなに大食いではないので。」


「では、またな。」


「はい。楽しいひと時を過ごさせて頂きありがとうございました。」


アルベルト様が立ち上がりテラスを後にした。



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