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悪役キャラ⁉︎なんの話?  作者: 黒黒
二章
27/42

ヴィッシャー親子

すみません。ミーニャの口調を変えましたm(_ _)m

試験は問題なく解けた。基本知識の問題は小学生低学年レベルだったのと、魔法学も「基礎属性を書いて下さい」ぐらいの基本知識しか問題は出されていなかった。


「では今日はこれで終わりです。結果は次の登園日の最初の授業で渡します。寮の子で今日部屋に行きたい子は事務室で部屋の鍵をもらえますので、受け取ってから荷物を置きに行ってください。次は2日の休み明け3日後になります。休みの間も学園は空いてますので引越し作業を済ませて下さい。必要なものが欲しい方は事務所もしくは食堂に隣接してる売店で購入可能です。初日は直でこの教室に来て大丈夫です。授業と施設の説明と配布物を渡します。なので収納袋を持って来てください。後は使用する武器は最低1つは持って来てください。以上になります。では3日後に会いましょう。」


先生はそう言うと、各々動き始めた。俺はすぐ様先生に駆け寄った。


「先生!!身体強化の定義と属性の関係について質問があるんですけど!!」


「え!?…ウルベルト先生も困ってましたが、随分と勉強熱心ですね。後ろの子達まで…。今日はまだ入学式ですよ。まあ、良いですが。質問は何でしょう?」


先生は困り顔だったが了承してくれた。因みに後ろにはニーナ、ルイ、ルールーを筆頭にミーニャ、グルダ、クーがいた。


「はい。ありがとうございます。まず属性関係なく魔力のみで身体強化がされるのはわかります。ただなぜ個人差がうまれるんですか?魔法制御でも差がでるとは思いますが、訓練次第でいくらでも強くなれちゃいます。それ以外に魔力量で差が出るとしても魔力は増やせると聞きましたから同じ事が言えます。」


先生は額に手をつき困った顔をしている。


「まったく。確かに先生も困るわけですね。随分と勉強したみたいですが、神経系統の強化を理解していますか?」


「はい。もちろんです。使えますから。」


先生はこめかみに手を当てながらため息を吐いた。


「…そうですか。もうつかえるんですか。ん?後ろの子達はニーナさん、ミーニャさん以外はわからないようですね。では先に説明しますと、筋肉自体を強化した場合、力が強くなりますが重くなり動きが鈍ります。そこを神経から強化した場合、同じだけ強化をしても重くなりにくいのです。それに身体強化をした時に反動を受ける肺などの気管を強化しやすいですからほぼ反動を受けずにできます。ここは魔力制御の実力差が出るところですね。次にそれを維持、もしくは全身を強化した場合で魔力量の差が出ます。強化魔法の定義には五個の定義から成り立っています。今挙げた2個もそのうちの定義に含まれます。ここまではいいですか?」


皆が頷く。クーとグルダは難しい顔をしていたがなんとか理解はしたみたいだ。


「では追加しますと身体全体の強化するためには体の仕組みを知らないとできません。そこの理解度でも差が出ます。後は元々の身体能力の差ですね。強化魔法も万能ではありません。元の身体能力に差があれば差はできます。まあ、知識があればそれなりの物にはなりますが。それでも極めていけば、個人差があれど体が耐えられる限界をむかえてしまいます。今、挙げた魔力制御、魔力量、知識、身体能力、限界値の5個から来る差から生じるものとされてるのが今の定義です。」


先生の説明は分かりやすかった。5個の差が合間って生じる弊害があるから個人差があるわけだ。限界値が少ない人間がどれだけ魔力があっても意味がないわけだ。キーとなるのは限界値だろう。


俺とニーナ、ミーニャだけは今知った情報に感激していた。他の皆は未だ難しい顔してる。


「ありがとうございます。そうなると限界値がもっとも重要なんですよね?そこに関しては解明されてるんですか?」


俺、ニーナ、ミーニャは期待の眼差しで先生を見る。


「……まったく、君達3人は…。」


困り果てた顔で言って来た。3人で顔を見合わせる。ミーニャ間近で見るとやはり可愛い。…浮気はしないがな。


「後ろの子達は無理に考え込まなくても大丈夫ですからね。この3人の知識が凄いだけですから。先程の質問の答えはいいえです。仮説はいくつかありますが未だわかっていません。ここまでくると研究者のレベルの話ですのでここまででお願いします。」


3人はうなずいた。


「では、属性との関係でしたね。実はそれもあまり解明されていない分野になります。強化魔法は属性を持たない、という定義があるせいです。単に付与魔法で身体強化をした時に流れる魔力に属性を付与する事で属性を持たせる、と認識されているだけです。なので魔法同時使用さえ出来れば誰でもできます。まあ、それが難しいのですが。魔力そのものには属性が無いのが定義として成り立ってしまっているのでそこ止まりなんです。だから特化して研究してる人もいません。」


「「「わかりました。ありがとうございました。」」」


「いいえ。勉強熱心なのは喜ばしい事です。わからないことがあれば今後も授業時間以外で質問して下さい。」


「「「はい!ありがとうございます。」」」


3人は元気よく言ったのを聞いた後、先生は教室を出て行った。


「おーなんかすごいこと教えてもらったね!!」


「うん!!魔法学は新しい発見や解明されていないことが多いから面白いよね!!」


ニーナは彭越とした表情だ。


「私も為になりました!今教えてもらったことを念頭に勉強してイメージし直して強化したいです!!だから体の仕組み、もっと勉強しないと!!」


両手でグーを作りながら耳と尻尾がピンと上に立たせながらミーニャが興奮した面持ちで言って来た。


「ニーナはなんとなく勉強してる気がしてたけど、ミーニャも勉強してたんだね。」


「はい。私の一族の教えで己を知り己を活かせみたいな言葉があるんです。だから身体の仕組みとか魔力に関しては少しは勉強させられました。」


「へー、そう言う昔の人の言葉から学ぶ姿勢が出来てるんだね。獣人族の人はみんな勉強してるの?」


「だいたいの人はしてます。種族によって言葉自体は違いますが意味合いが似てる教えはあると思います。それ以外にも昔の人の言葉自体はどこの種族もそれぞれいくつかあるもんなんです。その教えに準じて生活してるんですよ。」


「そうなんだ!良いね、昔の人の教訓を大事にしてるのって。うちの国も少しは昔の人の教訓を学んだ方がいいと思ってたから羨ましいよ。」


「そっそんなことないです!言葉によっては行き過ぎな事もありますから縛られ過ぎるのも良くないんですよ。」


ミーニャは、困り顔で言っていた。確かに必要なことだが縛られては意味がない。勉強になった。


「ミーニャは自分の一族が大好きなんだね。同い年なのにそこまで考えてるんだ!」


「はい!!一族は大事な家族です!クルトさんも考えてるじゃないですか!!」


「俺は貴族だから。領民や雇い使用人達のためにも国に貢献しないと駄目だから考えてるだけで国が好きだからじゃないんだよ。」


自分で言っててなんか悲しくなった。


「いいえ。クルトさんも同じです!!私は一族のみんなが大好きです!クルトさんは家族や領民、使用人達が大好きなんですよ!!」


「確かにそうだね。ありがとう。獣人族の教えか…ミーニャみたいに良い子がいるんだからやっぱり良い伝統だよ。間違いなく!」


「ニャッ!!!」


何故かミーニャが赤くなって、うつむいてしまった。

??何??


「おい!クルト。ミーニャを口説くなよ!」


ルイが横からいきなりツッコマれた。


「え!?なんでそうなんの?ただ獣人族の考えがいいなって話だよ!?そう思わない?」


「いや、そりゃあ思うが…周り見てみろ。」


みんなジト目で俺のことを見ていた。


え!?なんで?


「クルト!決めてる婚約者がいるんだから、めっ!!!!」


ニーナが凄い見幕で言ってきたが、もちろんそんなつもりはない。


「ごっ誤解だから。」


可愛いと思うのと好きなのは違うと思うが今言ったらいろいろ敵を増やしそうだから言わなかった。

だが、あからさまに落ち込むミーニャ。いや、そこで落ち込まれるのはいろいろヤバイんですが…。


「いや、ミーニャ!ミーニャは可愛いと思うよ!!ただ俺が先に好きな人がいるからそういう感情が無いだけであって、ミーニャは魅力的な子だとは思うよ!」


「クルト〜。そういう問題じゃ無いから。」


いつのまにか隣にいたクーに肩に手をかけられ諭すように言ってきて、さらに困惑した。これでは俺が女ったらしみたいじゃ無いか…。


そして、いつのまにかミーニャの周りに他の女の子達が集まり俺から遠ざかるように離れて行った。


「クルト。お前も貴族なら少しはそっちの方も勉強した方がいいぞ!同じ貴族としては見るに耐えんぞ。」


グルダにまで言われて落ち込んだ。


「あっああ。そうする。」


「クルト〜黙って戻ろう。今何言っても敵を増やすだけだよ。寮の鍵貰いに行こう。…そんな訳で、みんなじゃあねー!!!」


「じゃあね。」


俺はクーにのっかり弱々しく挨拶をして教室を後にした。後からニーナも合流して鍵をもらいに行った。


「クルト。気をつけなよ。ただでさえ入園式で目立ったんだからね!!私にはクーがいるからなんとも思わないけど、好意を寄せる人は他にもいるよ、きっと。さっきみたいな対応はだめだからね!!!」


ニーナから再度忠告を受けた。


「はい。…気をつけます。」


解せぬ。解せぬが間違ったのは今回の事でわかったから素直に受け止めた。

事務室に行くと俺の両親と叔母さんが既にいた。叔母さんは見知らぬエルフの男女と話していたが、おそらくあれがニーナの両親だろう。


「おう!きたか!もう寮の部屋の鍵もらって…おい…たぞ……クルト?どうした?」


「いえ、なんでもありません。気になさらないでください。」


「そっそうか。無理はするなよ。」


「はい。父様。」


「クルトの口調がかわった!?」


ニーナが驚いた顔で俺を見てくる。


「ニーナ。入学式の挨拶で言ってたでしょ?父親を呼ぶ時に敬称をした呼び方をするんだから口調も同じだよ。」


クーが尽かさず俺の代わりに説明してくれた。


「なるほどー。」


「ニーナとは挨拶が済んでるようだね。まさか3人同じクラスになるとは。クルト、この2人が私の友人でエリーナの両親だ。」


「ニーナの父のククです。よろしく。」


「ニーナの母のシュシュです。よろしく。」


「クルト・ヴィッシャーです。よろしくお願いします。」


「そしてニーナ。そっちのがクルトの両親で私の弟と隣が愚弟に惑わせられた私の幼なじみだ。」


「姉さん。その紹介の仕方はそろそろやめてくんないか?」


「何言ってんだい。籍も入れないやつにはこの紹介で十分だよ。」


「また、それを言う。俺は断られたんだがな。おっと失礼。ニーナ、クルトの父のウルベルト・ヴィッシャーだ。よろしく。」


「父親の遺伝なんだ。」


「ん?」


ニーナが小さな声でボソッと言った。父様は困惑した顔をしてる。ニーナは今どんな顔で父様を見てるんだろう?ちょうど見えなかった。見たくない気もする。


「ニーナちゃん。クルトの母のレイチェルです。これからよろしくね。」 

 

間を嫌がった母さんが尽かさず父様との間に入り込み挨拶をした。


「はい。よろしくお願いします。」


父様と対応が違う気が…。


「ニーナの反応が普通だよ。だから愚弟って呼ばれるんだ。」


「…姉さん。」


父様が気まずそうに顔を歪ましていた。


「さっ、そろそろ荷物を部屋に入れて帰ろうかね!入れ終わる頃にはキリも合流できるはずだよ。」


「はい。じゃあね。ニーナまた学園で!」


「うん。じゃあね、クルト。」


「じゃあねー。ニーナ。」


クーは頬っぺたにチューしてから手握った。不意打ちに一瞬固まったニーナも嬉しそうに笑っていた。


「じゃあね。クー。クルトちゃんと見てないとダメだよ。」


「ああ。わかってるよー。」


そんな2人を微笑みながら見てる両親達。まあ、仕方ない。


エリーナ達と別れて寮の俺達の部屋まできた。やっぱり同じ部屋でした。薄々わかってはいた。ここまで一緒なのだからそりゃあ寮も手を回してるよね。


「まったく、お前の過保護もなかなかだね。ここまで手をまわすなんて。」 


察してくれたのか、俺とクーが思ってた事を叔母さんが代弁してくれた。


「でも、姉さんもクーが心配だろ?」


「それはそうなんだが…、お前は相変わらず人を動かすのが上手いな。自国でもないのにようやる。本当に」


「それはそうだ。レイチェルの時に味方にできる人は出来る限り繋がりを作ったからな。本人に断られて、その時は意味がなくなってしまったが。」


「そっそれは旦那様が駆け落ちするかもなどと仰ったからと言ったはずです!!」


「んーそれは俺なりのケジメの付け方だったんだが。まあその為に作った繋がりが今は役に立ってる訳だな。」


「レイチェルもなんでこんな奴好きになったんだい?」


叔母さんは肩を落としながら呆れた顔で父様を見ていた。母さんは困り顔で笑っていた。両親達がそんなやり取りをしてる間に俺とクーはあらかた片付け終えるところまできていた。


「母さん。もう少しで片付け終わるから姉ちゃんを向かいに行ってあげて。」


「ん?そうか。だが大丈夫だ。早過ぎると困るだろうからな。」


?????


「姉ちゃんが?」


「いろいろあんだよ。キリも。」


「んー彼氏はいなかったはずだよね?やっとできたの?」


「いや、まだそこまでいってないと思うが、私の気のせいかもしれないからな。詮索はしていない。するもんでもないしな。」


「ふーん。なんで頭がいい子って奥手になりがちなんだろね?エリーナも大変だったもんなー。」


「ん?そうなのか?」


「そりゃあ、そうだよ。告った時なんか一度断られたんだから。」


「ん?」


「私じゃつり合わないとか、私なんかがって。訳わからない事言ったんだよー。だからキスして黙らせたの!」


「んっ!!クーやるな。」


俺はクーを見る目が変わった。すごいと思う。


「クー、それは良いが、その話したらダメだろ?エリーナからしたら大事な思い出になってるからね。言った事はここだけの秘密にしな。クルトも聞かなかったことにしてやんな。」


「うん。」


「わかってるけど〜。その後も大変だったからね。」


「いいからやめな!今の聞いたからだいたい予想はつくからね。」


クーがなぜか拗ねた顔をしている。よっぽどだったんだろうと思う。


「どっちにしろキリの場合は少し違うかもしれないからあんま余計なこと言うんじゃないよ。」


「はいはい。」


「はい。は一回!!」


「は〜い。」


「事務所前で待ち合わせにしてあるから、そろそろ行くよ。」


叔母さんの一言で部屋を出て事務所前に行くとすでにキリは来ていたから合流して学園を後にした。


「そういえばクルト、今日学園で何かあったの?」


馬車に乗り込み出発して直ぐに母さんが急に質問してきた。クー以外は興味ありそうに俺を見てくる。クーはニヤケ顔だ。…腹立つ!!


「え!?何も…ないよ。」


俺はクーを横目で見ながら誤魔化そうとした。


「聞いてよ!レイチェルさん。クルトが今日同じクラスのミーニャって獣人の子を口説いちゃってさー。本人は自覚無かったみたいだけど、外から見たらどう見てもねー。それでみんなに責められて凹んじゃったんだよ〜。」


「おい!クー!!!」 


「「え!?」」


父様と叔母さんが息ぴったりに合わして俺を見た。そして、キリはドン引きした顔で俺を見て、母さんは額に手を当ててため息はいてるしまつ。クー!!!クーに対する恨みよりも4人の反応にたじろぐしかない俺。


「なーんでそんなとこまで愚弟に似ちゃうのかね?」


叔母さんまでため息まじりで落ち込んだ。


「え!?俺?俺は違うだ…「お前もだ!!!」「旦那様もです!!!」


叔母さんと母さんが父様を責めた。たじろぐ父様。母さんが父様にこんな態度とるなんて…と思ったが今はそれどこじゃない。何故か俺と父様は肩身狭い思いをしながら馬車に揺られ帰路についた。

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