一時帰宅
後1話の予定が7000を軽く越してしまったので、もう1話間に入れます。その関係で少し最後のところ消しました。2020/3/15
「クルト!朝ご飯できたから、そろそろ水を浴びてきなさーい!」
「はーい。」
いつもの朝の訓練をして、水浴びをしに水汲み場で汗を流した。ゼハルの葬儀の後、数日はいつもの訓練と授業をしていた。なんとかアメリアに会う方法を模索もしたが、実際には行動できずにいた。
ふと、俺は悪役キャラなのだと別れ際、アメリアに言われたことを思い出していた。悪役キャラかー。言われた直後は急な話だったし、いろいろありすぎて冷静になって考える事ができてなかった。…あのゲームかな?それしか知らないしな。俺は水面で薄ら見える自分を見つめた。彼女は知ってるゲーム…少なからず関係をしていた。なら俺も少なからずこの世界を元にしたゲームに関わってると考えるのが普通だと思う…多分。髪の色は確かにそんな敵キャラがいたような気はする。前世の彼女にからかわれた奴だったかな。俺の雷をまとう大木もそんな攻撃をしてたようなしてなかったような〜。……思い出せない。
彼女の方がはっきりとここがゲームの世界だと認識している。この世界のことも未来何が起こるのも知識があるんだろう。…………俺は邪念を水を頭からおもいっきしかけて振り払った。
水を浴びを終えて体を拭きながらため息をついた。
一先ず、アメリアも転生者なわけだ。だから価値観が似てたんだなと思う。同じ地球人だったわけだし。…そうか!そもそもどこの国出身だったんだろう?乙女ゲームをやっていたことから日本人の女の子だとは思うけど………男はないな。…ないよな?
し、しかし、アメリアも転生者以外のアメリアという人格はあるような事も言っていた。そこも俺と同じだ。
それにしても確かにラノベでそう言うのは読んでいたがまさか、自分の身に起きるとは思ってもみなかった。そういえば男がかわいい女の子に転生するやつあったな〜………………いやいやいやいや。
うん。今後のためにもう一度ちゃんと話したい。そうだ話した方がいい。
「クルトーいつまで、もたもたしてるの?早くしなさい!!」
ちょうど服を着替え終えたぐらいで母さんが困り顔で呼びにきた。
「あっ!ごめん、母さん。ちょっと考え事してたから。」
俺は考えることに集中しすぎていたみたいだ。
「水は冷たいんだからさっさと済ませない!風邪ひくわよ!ほら、早く食べちゃって。」
母さんの後を追い部屋に入った。
「うん。ごめん、気をつけるよ。今日もうまそうだね!」
「ま…まあね。昨日ルースさんの奥さんに教わったのよ。だから大丈夫!!」
出されたのは小麦から生地をつくって焼いたパン的なのと、スープ……スープだ。後は肉と豆?を炒めたものだ。俺は恐る恐る食べた。おーー美味い!!!ルースの奥さんありがとうーーー!!!!
「美味しいよ!!!母さん。マジで美味い!」
「そんな〜大袈裟ねー。…ん?マジって何?」
満更じゃない笑顔で笑いながらツッこまれた。
「あ!?本当って意味だよ。なんか驚きすぎて変な言葉が出ちゃったー。」
「大袈裟よ…。」
やべ!落ち込んじゃった。
「良いわよね!クルトは。才能があって!!なんであなた録に料理もした事ないはずなのにあんな料理できるのよ!!」
まあ、施設でも下の子たちのご飯作るの手伝ってたし、でてからも独身生活長かったからなんて言えないよな。
「なんだろうね?俺もわかんない。でも、いいじゃん。作れるようになってきたんだから。本当に美味しいよ!ほら、見てるんじゃなくて母さんも食べて!!」
2人で向き合いながら朝食を食べた。ここにきた当初はほぼ肉を焼いただけの料理?だった。それはそれで美味しかったから問題なかったが、なぜかパン生地が激まずだった。スープを作った時と炒め物した際には大変だった。うん…大変だった。仕方なく俺がつくってみたら、うまく出来すぎて母さんがメチャクチャ落ち込んじゃった。そっからの今日の話の流れになったわけだ。
「あら!本当美味しい。良かった〜。」
「ん?母さん?味見してないの?」
「え!!何!?」
母さんが気まずそうに目を背けた。
「だから、言ったでしょ!!味付けの時はちゃんと最後に味見して味の調整すれば良いって!なんでしないの?」
「んー。忘れてただけよ!奥さんにも言われたから次は大丈夫!それにちゃんと出来たんだからいいでしょ!!」
「ハァー。じゃあ次も期待しているね。」
「うっ!も…もちろん大丈夫よ!」
母さんが気まずそうに笑ってる。
「そういえば、旦那様が今日こっちに来るわよ。そろそろ一度屋敷に顔を出させる気みたい。」
「本当!?アンドやキリカ、他のみんなにも会えるんだね!!心配かけっぱなしだったから気にはしてたんだよ。良かった。」
「そうね。」
あれ?そっけない返事だった。
「何?母さん?この生活が恋しい?まあ、確かに戻ったら以前の口調や態度に戻さないとだもんね。」
「そんなことないわよ!メリッサばっか苦労させてるだろうから気にはしてるのよ!ただちょっと寂しいだけで…。」
「まあ、そうだね。でも俺からしたら以前と違って本当の母さんに変わったからそもそも違うからなー。」
「…ま…まあ、そうね。…ただその目やっぱりまだひかないのね。平気なの?」
嬉しそうな顔で俺の顔を見てたのが、急に不安な顔に変わった。
「うっ!うん。普通では無いけど平気だよ。ゼハルへの誓いもあるし、母さんがいるから。」
気を使うと余計に心配をさせると思い本心を話した。
「そう?無理はしないでね。私に何ができるかわからないけど…。」
「母さんは居てくれるだけで変な声はかき消せるからいつも助かってるんだよ。」
「…アメリア様に言われた通りね。」
「アメリアに?ああ!別れ際に言われてた事か!」
母さんは食べながら下を向いてしまった。
「私がもっと早く打ち明けてたら……変わってたのかしら?」
「俺もたくさんあるよ。もっと早く出来てたら。気づいてたらって。」
「いっけない!クヨクヨしても怒られちゃわ!!!」
急に顔を上げ勢いよく残りの食事を食べ始めた。俺もそれにのって勢いよく食べ始めた。
食べてる最中に父様が帰ってきた。3人でテーブルを囲む。
「あまり来れなくて悪かったな。王城の方は何人か丸め込みが出来始めたぞ!」
丸め込み?味方を作ったってことかな?…父様言い方が。
「それでだ。王城に戻ったアメリアの様子がやはり不安定だそうだ。そこで向こうに行く前に一度お前に会わせたい。ヴァンからもお願いされたから、アイツも動いてくれるだろうからなんとかできると思っている。」
「本当ですか!?」
俺は勢いよく立ち上がった。アメリアを心配する気持ち半面、会えることにただ喜んだ。
「ああ。お前は来週には私の叔母のところに出発させるから急がなきゃならないけどな。」
…そうか。学校の入学式に間に合わせないといけないから早めに出るんだな。来週か…もう時間がないな。
「そう…ですか。もう行くんですね。」
「ああ、仕方ないことだ。割り切れ。それでだ。今、レイチェルの元同僚が王城のメイドをやっている。レイチェルには1度会ってもらい2人が会えるタイミングを相談、打ち合わせをしてほしい。すでにアメリアの世話係にはいれてもらっている。」
マジかー。父様…どんな手を使ったんだろう?母さんも驚いてる?
「誰ですか?」
母さんはちょっと怪訝な顔で父様に聞いた。
「元第六部隊にいたマリッサ少尉だ。」
「…あの子ですか。王城勤務だったんですね。」
母さんが何故か深いため息を吐いた。昔なにかあったんだろうか?
「まあ、そんな顔をするな。同じ部隊で同期だと聞いている。マリッサはゼハルを尊敬してるから丸め込むのが簡単だったんだ。」
「確かに。あの子なら隊長大好き人間でしたからわかります。では話されたのですか?」
「まあ、あらかたな。ゼハルが命をかけて守った2人の子のためなら何でもすると意気込んでいたぞ。」
「そうでしょうね。…わかりました。クルトとアメリア様の為です。我慢します。」
…我慢をするんだ。
「…そうか。とりあえずよろしく頼む。」
俺も父様も何かを感じ、深く聞くのをやめた。
「本当に会うのは可能なんですか?」
「いくつか案はあるが、ヴァンに会いに行ってもらい、まず庭に出てもらう。そこでお前が裏門から入ってくるのが1番簡単だと思っている。」
「あっさり言いましたが裏門の警備兵は大丈夫なんですか?」
「無論だ。手は回してある。だが確実ではないんだ。裏門に直接つくのが4人。3人は大丈夫だが残り1人がまだなんだ。3人はどうにか誤魔化すと言ってはくれてるんだが…。」
「なるほど。流石父様です。反逆罪に疑われたのにすごいですね。」
「これくらいどうってことない。まあ、久々に苦労はしたがな。とりあえず時間が惜しい。レイチェルはこのまま王城に行ってくれ。クルトは私と一度帰るぞ。行く準備も終わらせないといけないしな。私物があるなら戻ったらすぐ終わらせておくように。」
「わかりました。」
「かしこまりました。では食料等余ってる物をルースさんに返し次第、私は向かいます。ハァー。」
母さんはまた深いため息を吐いた。父様の前なのに珍しい。
「よろしく頼むよ。片付けたら行こうか。」
そう言って父様が席を立ち上がる前に俺が止めた。
「父様!!まだ食事の残りがあります。食べませんか?」
「え!?」
「クルト!!?何を言ってるの?私なんかが作った物を召し上がってもらうなんて…。」
2人が慌て始めた。母さんは期待した目で父様をチラ見している。
「し…しかしだな。時間が…。」
「すごく上達したんですよ。ちょっと待っててください。」
俺は2人を無視して父様の分と残った物を別々の皿に入れて持ってきた。
「では、食べましょう。」
俺は自分の分に残りを合わせて食べ始めた。母さんも父様をチラ見しながら残りを食べ始めた。父様は最初は、俺を恨めしそうに見てたが、意を決して口に入れた。
「うっ!!美味い!!…美味いぞ!!」
「本当ですか!!?……良かったー。」
「ああ。本当に美味い。レイチェルの料理を美味しく食べれる日が来るなんて夢にも思ってなかった。」
父様…涙目になんなくても。母さんも複雑な顔してるし。
その後は3人で片付けをして(母さんは慌ててた。)母さんはルースのとこへ。父様と俺は家に帰った。
屋敷に着くなりキリカに抱きしめられた。
「え!?キ、キリカ?心配させて悪かったと思ってるが…ちょっとこれはまずい気が…。」
父様もアンドもガルトも困り顔で笑ってるし、メリッサは…めっちゃ怒ってるよ!
「ほんっとうに心配したんですよ。連れていかれて、アメリア様もすぐ戻るとおっしゃってくださったのに…。旦那様が帰ってくるまで何の連絡もなくて。今は許してぐたさいませ。説教は後でメリッサにされますから。」
そんな涙目で言われたらな〜。
「悪かったって。とりあえず生きてるからさ。」
「はい。安心しました。…その眼…大丈夫なのですか?」
キリカは離れて俺の眼をじっと見つめた。
「ああ。暴走はしないから安心してくれ。」
「そう…ですか。なら今はアメリア様ですね。」
「そうだ。何とかしないと。」
「もし、アメリア様にお会いできたなら、キリカが怒っていると、今も心配でどうにかなりそうだとお伝えください。」
「わ、わかったよ。伝えるよ。」
「そろそろいいかな?クルトは自分の部屋に用意をしに。キリカは手伝ってやってくれ。その後は特産品に関してアンドとメリッサ、ガルトも交えて出来る限り引き継ぎ等を済ませるように。私はすぐに出るからな。」
「わかりました。」
「「「かしこまりました。」」」
父様は急ぎ足で屋敷へと入っていった。
今度は3人が近づいてきて、メリッサは、
「ご無事でなによりです。とても…とても心配いたしました。」
と頭を下げながら凄んできた…。怒ってる?
アンドとガルトは少し涙目になりながら、
「「ご無事でな、なによりです。」」
ガタイのいいおっさんとほっそい兄ちゃんが鼻をすすりながら言ってくれた。
「あ、ああ。心配かけて悪かった。ありがとう。」
ちょっともらい泣きしちまった。
「では、いきましょう。」
キリカに促され2人で部屋に行き用意を済ませた。
「キリカ、今のうちにお願いしとく。来年からアメリアのこと頼むな。」
「何を言ってるの!当たり前でしょ!!もうクルトに関係なくアメリア様は大事な友達なんだから。それに将来の主人になるのもまだ可能性はあるんでしょう?」
「まあ、どうかな。それが最善ならそうなるよ。」
「どうしたの?そんな弱気で。」
キリカに怪訝な顔つきで見つめてきた。
「いや、弱気というより何かを犠牲にしてアメリアと一緒になってもダメな気がしただけだよ。もうこれ以上、大事な人が傷ついたり失ったりするのは嫌だからな。」
「でも、あの人は2人の幸せを願ってるんじゃない?」
「ああ、俺もそう思う。だから最善の道を選ぶよ。結婚だけが幸せではないと思うから。うちの両親みたいにさ。」
「ん?でもあまり上手くいってないんでしょ?」
「え?ああ。お母様は本当の母親じゃないよ。本当の母さんと父様の話ね。」
「ああ〜そういうこと。え?会えたの?本当のお母さん。」
「あー、レイチェルなんだ。母さんは。内緒だよ。」
「え!?えーーー!!!……通りで。なんか必要以上にあなたの事ばかり考えてる人だとは思ってたから、なんか納得。」
「んーそうなんだ。裏方の時の母さんを知らないからよくわかんないけど。」
「あっ!そうだ。言い忘れてたけど、ごめんなさい。アメリア様にハンドクリーム私が渡しちゃった。」
「ああ。キリカが渡してくれたんだ。ありがとう。おかげで助かったよ。」
「ん?なんで感謝されるの?」
「まあ、いろいろあったんだよ。じゃあ俺が無事に帰れたのはキリカのおかげでもあるんだね。」
「そんなに重要だったの!?渡しておいて良かったー。あの時は咄嗟にあなたなら渡してほしいと願ってるんじゃないかって思ったのよ。」
「そうか。本当に助かったよ。なんかお礼しなくちゃな。」
「い…いいわよ。別に。勝手にやって悪かったと思ってたんだし。」
なんかすごく慌て始めたな。顔…赤くなってるし。そんなに恥ずかしがる事ないのに。
「時間ないから、お土産で何か勝手に贈るね。楽しみにしてて!!」
「べっ別にいいのにぃー。って一年後じゃない。覚えてるか怪しいわよ。」
「まあ、俺が覚えておくから大丈夫だよ。」
「あ!?もうこんな時間。急いでみんなの所行くわよ!!」
急いで2人は食堂へと向かった。ついた頃には3人仲良くお茶をしていた。
「待たせたね。まずは進捗具合を教えて。」
「はい。その前にアメリア様がいるのですからキリカとイチャイチャするのは早すぎです。妾は結婚後にお考えくださいませ。」
「メリッサさん!!!イ……イ…イチャついてなんかいません!!」
「そうだよ。別にそんな関係でもないし。確かにキリカは可愛いとは思うけど、アメリアに惚れてるからな。そういう目で見れないし。」
「そうですか。ならいいんですが、やたら遅かったので。」
「そこまで言わなくても……。」
メリッサはわかってくれたみたいで良かった。今、何かキリカが言ったような気がするが声が小さくて聞き取れなかった。
「何?キリカ。何か言った?」
「いっ、いえ何も。」
キリカは赤いままだ。
「メリッサさん。そのへんにしといてあげましょう。話を進めますと、未だ王城から機械が返ってきてません。それに今製造中2台の方は後、2、3ヶ月は見てほしいそうです。」
俺は頷きながら心の中でガルトを讃嘆した。
ガルト!ナイスフォロー!!なぜかキリカ落ち込んでるし、メリッサさんなんかまだ疑ってるの目してるし助かったよ!!
俺はなぜこうなったのか頭を抱えながらため息を吐いて皆を見回した。




