恐れろだの恐れるなだのという話ではない
これが分かる戦友へ
痛い
それが私を毎晩夢から引き戻すのだ
睡眠は三時間
制御のできない頭痛
それを自業自得と笑うがいい
子供のうちから努力していれば虫歯にはならない
大人なのだから酒を飲まなければ
依存性にも二日酔いにもならない
わかりきっていることだ
それでも行き着いた者はどうすればいい
いや、歯医者にいけばよい
この頭痛で車両を運転?
気が狂っている
冗談ではない
手術してほしい、ドクター
狂えるこの痛みを緩和して欲しい、ドクター
患部を削り取るだけでなく歯を抜いてしまってかまわない、ドクター
妙な窪みを殺菌して埋めて欲しい……ドクター
……そうやって考えているだけで埋まるわけがない
病院にいかなければいけないのだ
しかし私には金がないバイトを受けようにも
応答もままならない痛みと醜いこの口内で
私ならば雇うのを渋る可能性もある
夜でさえ1日の鈍い痛みが思考の角でガリガリと精神を削り取る
私の感性が鋭敏であろうと鈍感であろうと
切り詰められていくその時間がやがて休息のない現在へと
崩れ落ちていく
歌いたい、そう願おうとも
取り除くことの難しい病巣は体中へ病魔を放つ
痛みは口を開く度ヒヤリと髄を晒して
悪い汗が止まらない
苦し紛れのつばは喉でからみ
歌を忘れてしまうだろう