第五話:授業の始まり
次の日、挨拶出来なかったもう1人の同居人ことエドワード・ノードルと3人で朝食を食べた
エドワードって長いからエドでいいよ、と気さくでいい感じの奴だけど、いきなりシフェルはシルでラディーグはラグね!とあだ名を付けられたのには驚いた
昔から親しくしたい人にあだ名を付けるのが癖なんだとか
まぁ、悪い気はしないしいいか
朝食を食べ終わり、一旦寮の部屋に戻り授業の準備をする
「授業は暫くの間1学年合同だってさ」
「合同かぁ、なにするんだろ?」
「・・・眠い」
眠そうなラディーグにちょっかいを出すエドを見ながら初めての授業に俺はワクワクしていた
物凄く広い校庭に集まった1年生
それぞれ、動きやすい服装で、男女関係なくズボン着用
ズボンの色によってどこの寮生なのかわかるようになっている
暫く、何が始まるのかわからないまま整列してるとピッー!っと甲高い笛の音が響き渡った
「今から、校庭10周!もたついた奴は更に10周プラスするぞ!」
鳴った方向を見れば先生が立っており、大声で指示がでる
いきなり走れと言われ戸惑いつつも、とりあえず走り出す
一斉に走り出す中、それぞれの寮の特徴のようなものが見えてきた
緑馬寮のメンバーは体力自慢が多い様でまだまだ余裕とばかりに笑顔すら浮かべながら走っていた
女性ながら、100番の彼女は周りの男性にも負けず走り抜いていた
対して青梟寮は殆どが全滅しかけていた
真っ青な顔でプラス10周されたメンバーは悲惨そのもの
桃色の髪の綺麗な女性が青梟寮の中で一番最初に10周終わらせていた
身のこなしが軽やかで汗1つかいてないようだった
そして俺達、赤竜寮は見事にバラバラ
余裕のあるものと無いものとの差が激しく、大半が遅れがちだった
「はぁ、はぁ、シル・・・ラグなんで、よゆー、なのさ」
結構、余裕のある俺やラディーグにギリギリ着いてきていたエドの顔は若干青ざめていた
「走りながら喋ると、よけい疲れる」
「ラディーグの言うとおりだぞー」
「あーもう!どうにでもなれー!!」
最後の気力だとばかりに走るエド
終わった後に大の字で寝転んでいた
どうやら、どれくらい体力があるかを見るために行ったみたいだけど
俺的にはテルズさんに一日中森の中を走らされた事が何回もあったため体力には自信があった
ありがとう、テルズさんのおかげで今、余裕です
暫く休憩し着がえた後、今度は校舎内にある講堂での座学が始まった
「アリステル王国は初代・サーラ・ヴィン・アリステル女王に建国され、現女王・セレシア・ヴィン・アリステル様は第25代目にあらせられます」
今回はこの国の歴史を振り返っていく
「様々な問題が現代に至るまでありましたが中でも一番の危機と言われたのが30年ほど前に起きた“百日聖戦”です」
百日聖戦・・・
アリステル王国とその周辺国に侵略してきた魔王軍と5人の英雄と協力したアリステル王国軍が約百日かけて戦い、英雄側が勝利した聖戦
アリステル王国と隣国エーアデ商業都市に甚大な被害をもたらした聖戦は30年の時を経てもなお一部の地域に瘴気が残っており人が住めない状況が続いている
「5人の英雄はその後、各地に散らばりこの地の平和を守って下さってます。中でもモルガナ・レーニオンはセレッソに残りこの学園の理事長をになっておられます」
モルガナ・レーニオンは初老の女性で聖戦時、魔術師として活躍し
また指導者としても、とても優秀らしい
実際、英雄の内3人は彼女の弟子だったと言われている
セレシア女王に頼まれ、最終的にこの魔術騎士学園の理事長に就任したそうだ
座学が終わり、休息時間と昼食時間が重なり赤竜寮から先に食べる事になった
昼食が終わればまた授業だ
2019/10月9日 加筆修正しました