第一話:王都での出逢い
合格通知が来てから一週間後
準備を終えて俺とテルズさんはアリステル王国の王都・セレッソに着いていた
「凄い」
王都は広く人が沢山居るのは当たり前だが活気がある
様々な物品が並ぶ市場は特に凄い
新鮮な野菜はもちろん、港町のイベルシュから来る魚介類はとっても美味しそうだった
俺達が住んでいるアグロス村は王都からかなり離れた辺境地にある
基本的に自給自足での生活だから王都に行く事なんて滅多に無い
テルズさんは昔王都に住んでいた事もあるらしいが、合わなかったそうでサッサと村に戻ったって言ってた
暫く市場の中を見ていたが初めて来た場所、慣れない人混みで、軽い人酔いになってしまった
「ほら、ホットミルクだ」
人酔いで動きづらくなったので近くのベンチで休憩してるとテルズさんがホットミルクを買って来てくれた
少しずつ飲めばだいぶ良くなった気がした
「・・・ここが王都魔術騎士学園」
休憩した後、試験会場でもある魔術騎士学園へとやって来た
元々古くなった王城を改造して学び舎にしたらしく10階建てぐらいで敷地内には森があるとのことでかなり広い
完全寮生で夏休みなど長期休暇以外は基本ずっとこの学び舎の中で過ごすらしい
他にも、許可さえあれば外泊も可能、武器持参可能、生活必需品以外の持ち込みも可能など、結構自由だ
手紙に添えられていた紙に色々書かれていた
「さて、明日のために今日は早めに休んでおくか」
「あ、テルズさん待ってよ」
立派すぎる学び舎に見とれてたらテルズさんが先に歩き出していた
明日は第2次試験が開始される
合格が決まればこの広い校舎を探険してみたい
きっと、楽しいと思う
「美味しかったな」
「うん、魚料理が結構美味しかった」
宿に戻る前に夕飯を食べ、徐々に人が少なくなってきたのを見ながら喋る
あれだけ物凄い人が沢山居た市場も今はまばらに人が居るだけだった
「道に迷った。助けて」
「・・・はい?」
宿の近くまで来たらいきなり銀髪の黒い肌に長い耳が特徴の“ダークエルフ”と呼ばれる種族の青年が話しかけてきた
「えっと、ごめん。俺達今日王都に来たばかりだから道がわからないんだよ」
「地図はある。駄目か?」
ぶっきらぼうな感じだが本当に困ってるみたいで表情を見たらほっとけなくなった・・・・
だって、今にも泣きそうなほど目に涙が溜まっていたんだ
俺とテルズさんは迷子の青年・ラディーグをひき連れ地図を確認して、近くの人にその都度聞きながらなんとか目的地まで案内できた
「本当に助かった、ありがとう」
何度も頭を下げ礼を言う彼に別れを告げ今度こそ宿に戻る
ぶっきらぼうで目つき悪いから不良かと疑ったがいい奴だった
人を見かけで判断しちゃ駄目だな
宿のベッドで横になりながら明日の試験を考える
アリステル王国の名門校
一筋縄ではいかないはず、気を引き締めて頑張ろう
隣を見たらテルズさんはもう眠っていた
明日は早いし俺も早めに寝ることにした
相も変わらずまとまり無いし文章力が・・・
2019/4月28日加筆修正しました