茜の頃
地平線と雲の狭間
すり抜けていく茜色
明日のことなど
知らないと
無責任に走り出す
畦道
拙い思い出を
落として
辿れない帰り道に
並べて
誰かの澄ました横顔を
振り返れない
自意識抱え
手のひらで
握り潰した夕陽
笑うことでしか
誤魔化せなかった
焦燥
フレームの中で
暴れてる劣情
狭くなった靴に
どこにも行けない足
押し込めて
振り切りたくて
駆け抜けていく
どこかで馬鹿にしてる
大人たちの
影を踏みつけて
地平線と雲の狭間
消えていく茜色
世界の美しさもどこか
尖って見えた
冷たい星の光
無責任には愛せなくて
目をとじる
息切れの中に混じる鼓動
掴みきれないものばかりだから
返事もせず
音ばかり辿る
弱音がわりのため息
溶けるようにと
落としながら