プロローグ
初投稿です。
誤字、脱字等があれば、知らせてください。
突如として現れ、圧倒的な力とアンデットを率いて世界の半分を支配した魔王。
彼の魔王に対抗するために勇者を召喚する為の魔法陣を開発し、現人類最高の召喚師を用意して、勇者の召喚の時を今か今かと国王は待ちわびていた。
薄暗い部屋の中心に書かれた巨大な魔法陣の上で白のローブをきた召喚師の女性が詠唱している。
彼女が詠唱しているのは別世界にいる勇者を召喚するためのもの。
しかし、その詠唱は別世界と異世界の交わる界既日食の起こる日でないと発動しない上に、全て言い切るのに六時間必要という面倒なことこの上ない代物だった。
その、とてつもなく長い詠唱に国王はうとうとし、遂には居眠りを始め、国王を警護する兵士は突っ立ったまま、ぼーっとし始めていた。
「――神に愛でられし勇敢なる者よ、闇より暗き深淵を祓い、世の理を敷衍させん――」
そのくそ長い詠唱もあと少しで終わるという頃に、あの事件は起きた。
「殿下、そろそろ勇者召喚が始まります」
勇者召喚という歴史的瞬間を見たいと言っていた国王を起こすために、一人の兵士が国王に話しかける。
兵士の言葉を聞き、国王は夢うつつながらも、眠たそうに目を覚ました。
「うむ、いかんいかん、つい居眠りしておったわ!階段を今降りたら落っこちそうなぐらい昨日は飲んでしまったのう」
勇者召喚の儀式の前日、王城にて勇者召喚の前祝いということでパーティーを開きその時の飲み過ぎで国王は二日酔いだった。
そして、国王は見事なまでのフラグを立ててから立ち上がりこう言った。
「うっぷ……、ちょっと気持ち悪いからトイレに行ってくるかのう……」
国王はそう言い残しトイレに行くために階段を降りようとする。
しかし、二日酔いのめまいの影響と先程立てたフラグの影響(?)のせいで、その足が、階段につくことはなく派手に足を滑らせて階段から落っこちてしまう。
階段から落ちた衝撃で、巨大な宝石の付いた国王の王冠が宙を舞いながら吹っ飛び、国王のハゲ頭が露になる。
そして、吹っ飛んだ王冠は、詠唱中の女性の頭に見事に命中し、女性が小さく呻き声をあげてしまったことで、詠唱は途中で終わり、不完全なまま召喚魔法が発動。
そして、その魔法はとある世界の地球と言う星の日本という国の引きこもりのニートに直撃して異世界へと誘ってしまう。これは、そんな引きこもりなニートが異世界で最強の魔王の討伐を頑張ってみる物語です。
まだ、どのような方向で書くか決めてませんが、皆さんが楽しめるような作品にしたいと思っています。
どうぞ、完結までお付き合い下さい。