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蝋燭  作者: 川本千根
14/21

炭水化物。

「三上さんどうしてお米を食べないの」

「お腹空かない?」


「空かない」

「どうも米の炊ける匂いが好きじゃない」


「え…いい匂いじゃない」

「私、白いご飯に納豆あれば何もいらないよ」


「子豚は偏食家だからな、使える食材が限られていて苦労する」


「もう、子豚子豚って」


「私がおおらかだから聞き流してるんだよ」

「他の人だったらケンカになってるよ」

「小学生だったら学級会にかけられてるよ」


「三上さん、冷たいご飯なら?」

「あと麺類とかパンとか」


「体のために何かしらとったほうがいいんじゃないの、炭水化物」


「説教?」


うわっ、こわっ

こんなことぐらいで睨まないでよ


睨んでるわけじゃないか

もともとなんとなく目が怖い、三上さん


…損してるな


多分やさしい人なのに…




子供の頃は普通に米もパンも食べていた


あの米の炊ける匂いは平穏だった頃の家の象徴だ


それが偽物だったことに気づいてからはなぜか体が炭水化物を受け付けなくなった




「三上さん、余ったご飯で塩おむすび作って冷蔵庫に入れておいた、」


「気が向いたら食べてねー」


「いいよいいよ、送ってくれなくて」

「持ち帰りの仕事残ってるんでしょ、やっちゃって」


「じゃあまたね〜」





風呂上がりに冷蔵庫を開けたら…


これを…

よくおむすびと申告できるなという代物が入っていた


どう見ても子供が作った泥団子だ、形的に


まあ、おむすびと思わず、泥団子と思えば食えるな


これ

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