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プロロ-グ

 俺の日常はある日を境にガラリと変わった。


 俺の今までの日常は、学校行ってそのまま他校の不良友達と遊んで、夜になったら家に帰り、風呂に入って寝る。そしてまた次の朝を迎えるというものだった。

 だが、今の俺は違う。他校の不良友達と遊ぶのは変わらないが、自分の学校の友達が出来て、一人暮らしだったのが一人増え、二人暮らしとなった。


 俺が家に帰ると、毎日のように俺はお出迎えされることになる。


「あっ、まーくんお帰りー!ご飯にする?お風呂にする?そ・れ・と・もー……?」


「ご飯にする」


「えーっ!まーくんつれないなぁ!そこはみっちゃんと一緒に寝る!でしょー?」


「何がまーくんだよ。俺の名前には“ま”っていう文字は一つもねぇっつってんだろ」


 こいつは、俺と同じクラスの天海あまみ美岬みさき。お金持ちのお嬢様。ある事から、俺の家で一緒に住むことになった。天海は何故か俺のことを“まーくん”と呼ぶ。俺の名前は宮野みやのしんで、“ま”なんてどこにもないのに。


「でもまーくんはまーくんだよ。……それよりも、今日はどこに行ってたの?」


 天海の目の色が変わった。


「いや、きょ、今日は……」


しゅうくん達と一緒にいたよね?デパートに行ってたんでしょ?どうして私を誘ってくれなかったの?っていうか最近まーくん、愁くんとよく一緒にいるよね。仲良いよね。……私のことはもうどうでも良くなったの?」


「いや、だから……」


 やばい。天海の誕生日プレゼントを買いに行ってたなんて言えないし、何て言い訳して良いかわからない。愁とよくいるっていうのはあんまり自覚無いけど、愁といると何かダメなことでもあるのか?俺が男友達と一緒にいるのは何の問題もないような気が……。


 ってそれどころじゃねぇ!天海がヤンモードに入ったらなかなか戻らないんだよ!どうにか天海に納得してもらわないと……!


 俺はいくつか言葉を考えてみた。


 ①ごめん!天海を誘うの忘れてた!

 ②天海と一緒に出かけると可愛すぎて集中出来ないと思ったんだ。

 ③別に天海には関係ないことだよ。

 ④そんなことより、飯食おうぜ。

 ⑤俺、愁と一緒にいたら頭が良くなる気がして……。


 うおお、やべぇ!良い案が全くねぇ!どれだ、どれが一番ましなんだ!?


「本当、まーくんはどこに行くか分かんないからね。私がしっかりと見張っておかないとね。それにしても本当、あの男はまーくんに何するか分かったもんじゃないよ。今の内に掃除しておかなきゃ……」


 天海が何か恐ろしいことを呟いている気がする。何か、何か言わないと……。


「……お、俺っ、愁と一緒にいたら頭が良くなる気がして……!」


「えっ?」


 天海は俺を見てキョトンとする。


 うおあああ!!何でよりによって⑤なんだよ!まだ他のがましなやつあっただろ!何だよ愁といたら頭良くなる気がしてって!良くなるわけねぇだろ馬鹿あぁぁ!!


「……そ、そんなすぐ分かる嘘の言い訳しなくても……」


 で、ですよねー!!


「まーくん、そんなに私といるのが嫌なの……?嘘の言い訳をするほど私が嫌いなの……?」


 天海が少し涙目になった。

 やばい、これはマジでやばい!早く何とかしないと……!


「……じ、実は天海の誕生日プレゼントを買いに行ってたんだよ!だから天海には内緒にしておこうと思って……」


 ……って、秘密をばらしてどうすんだよ!これじゃあ、サプライズの意味がねぇだろ!本当ごめん、みんな!


「えっ?プ、プレゼント?私に?」


「うっ……そ、そうだよ。だから一緒に行けなかったんだ。明日だろ、天海の誕生日……」


「ううん、来月だよ?」


「えっ!?」


 確か天海の誕生日って……ホントだ来月じゃん!何やってんだよ俺!みんなにも迷惑かけたし!うわぁー……恥ずい……。


「ご、ごめん、天海」


「ううん、いいよ。私のことを思ってのことだったんでしょ?」


「う、うん、まぁ……」


「良かった!私、まーくんに嫌われちゃってるのかと思って怖かったんだよ」


「そ、そうだったのか。俺は別に天海のこと嫌いになってないよ」


「ホント?」


「ホントホント」


「えへへ、まーくん大好きー!」


 天海は笑顔で俺に抱きついてきた。


 普通にしてたら可愛いのになぁ。何でヤンでるんだろう。というか、何で俺と天海が付き合ってるってことになってるんだろう。俺はOKした覚えはないんだけどな。……そんなことよりお腹空いたなぁ。


「天海、飯」


「あっ、もう出来てるよ!」


 俺から離れ、天海はリビングへと走っていった。


「廊下は走るなよー!」


「はーい!」


 とにかく、俺の家での日常はいつもこんな感じです。

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