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性被害者が望むのは誠実な愛だけだった  作者: すじお


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1 結婚を餌にした人体実験



私は、性被害を受けた人間だ。


だからこそ、ずっと「結婚」という形が一番の特効薬だと信じてきた。だってそれが一番わかりやすい愛情の誠実な形だから。



10年前に受けた傷は、もうほとんど表面上は癒えていた。

トラウマ表現のある漫画も普通に読めたし、運動もカウンセリングも、できることはだいたいやってきた。

それでも、心の底に残っていたのはたった一つの渇望だった。


「一人の誠実な男性に愛されたい」




だから私は何年も前から「結婚したい」と言い続けていた。

結婚さえすれば、この最後の棘のような痛みも抜けるのではないかと、本気で思っていた。



結婚が最も早くトラウマから早く逃れられる実績になるんだと思っていたから、ずっと結婚したいと言っていた。

それでいて、もうあんな経験はしたくないので、彼氏は結婚する人としかしないと言って作らなかった。




ところが6月、私の人生は予想もしない方向にねじ曲がった。


私を利用して、もしできたら子供も囲って、アゴで使いたい人たち。

私を結婚して幸せにしようとする人たち、あるいは私を悲劇の主人公にしてシングルマザーにさせ、それでいて性被害トラウマをなくそうという試みが行われた。


ようは人体実験である。


ちなみに同意はしていないが、どれだけ鍵を閉めても部屋に勝手に入られるので、抵抗が不可能な状況下にあった。




周囲にいた一部の人たちが、私を「救う」つもりで、ありえない介入をしてきたのだが、会話が一切ないのだ。

私の意識は就寝中に勝手に麻酔薬で落とされた。


これが近代戦争であってもどう見ても国際条例違反であり、私の立場が捕虜だとすればどう見てもいじめでハラスメントだ。

今後結婚するのに当たってptsdが出ないようにとの配慮もあったと思うが。


突然部屋に勝手に入られ、意識を無理やり落とされ、

「これで性被害のトラウマが消えるはず」とでもいうように、

さまざまな男性が次々と送り込まれた。


えっ、結婚してくれるんじゃないの?



中には明らかにプロの風俗男性のような人もいた。

中には「一般人だけど性に自信がある」というテクニシャンタイプもいた。


彼らは口々に「これで安心できる」「もう怖くなくなる」と思っていたようだが、実際は、誰も責任を取らず結婚しなくてもいい逃げ口のようなものにも感じた。




そもそも結婚とは、たった一組の男女が互いを家族にする約束のはずだ。

一夫多妻でも、オープンマリッジでもない。

結婚とは夫婦が一組になるものであって、テレビでやっていたすぐに破綻した一夫多妻の家族が思い浮かぶ。某YouTuberもオープンマリッジ0日婚で失敗している。

複数人を同時に家族にするのはありえないのだ。


一妻多夫が世界にほぼ見られないのは、それが習俗に組み込まれない限り風俗と何ら変わりがないせいだろう。

女性は一人の強い男性にしか愛されたくないのだ。



性エバンジェリストよろしくハイパー男娼やテクニシャン揃いを送り込んできたまではいいが、男娼は結婚を伴わないし、テクニシャンどもはおそらくお金をもらいながら別の彼女を養っている。


その事実がどれだけ私の尊厳を傷つけるものかも知らずに、その人たちは六月になるまでずっと男娼軍団を送り続けたのである。

私の大好きななろう作家の一人であるユミヨシ先生の作品に出てくるような、変…ムキムキの辺境騎士団みたいな存在を。



そうして、私は、まるで「性エバンジェリスト」の実験台のように扱われた。

「トラウマを治療するため」と称して、 結婚を約束しない男たちに体を預けさせられた。


その中に、もしかしたら本命の人が混じっていたのかもしれない。


私は暗闇の中で、その中のたった一人の筋肉質な体に、強く惹かれていた。救急救命医のような分厚い手で、優しかった。




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