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ノアは光で包まれた。  作者: 夜凪ひなた
1.序章
2/3

【1-2】魔王軍元幹部、勇者一行に入る。

どーも!

夜凪ひなたです。

これから3〜5日に一回くらいの頻度で投稿していきます。

調子がいい時は毎日投稿するかもです!

 カイが、弓を引き絞ったのが見えた。

「口だけならいくらでも言えるんだよ」

 『Wind《風よ》』

 風が、鋭く鳴った。

 オレが口を開く前に、矢は放たれた。

 風魔術が付与された矢は、暗い夜の空を裂き、一直線にオレの方へーー

 その瞬間だった。

『Freeze《凍てつけ》』

 賢者の、静かな詠唱。

 矢は、先端から瞬時に凍りつき、オレの目前で止まった。

『Cruch《砕けろ》』

 シリルが、ほっそりとしたその手を夜空に向かって突き上げ、ぐっと握りしめる。

 空中で止まっていた矢は音もなく、それを包んでいた氷と共に砕けた。

 粉々になった氷が夜の空を舞う。

 それが、あまりにも綺麗でオレは、息を呑んだ。

「シリ、ル?なんで、ソイツを、魔王軍幹部を庇うんだ?

 ソイツは、今まで、俺たちの平穏な生活をを壊してきた魔王軍なんだぞ?」

 カイが、信じられないという表情で、魔王軍幹部を庇った賢者に目を向け、抗議する。

「彼は重要な情報源だ。ここで殺してしまえば、得られたかもしれない情報が失われる」

 困惑するカイに対し、シリルは淡々と答えた。

 魔術を発動した直後の彼の周りには、まだうっすらと冷気が漂っている。

 夜の闇の中で、アイスブルーの色のローブを身につけ、白い冷気を纏った彼は、まるで氷の精霊のように美しかった。

「…それに」

 シリルが再び口を開く。

「彼はまだ僕たちに一度も攻撃をしていない。そんな相手をいきなり殺すのは、勇者一行としてどうなのか」

 カイは言い返せずに、黙って俯く。

 しばらくの間、沈黙が流れた。

「……ま、まぁ、カイの言うことも一理あるよな。ハハハ」

 沈黙を破ったのは勇者レオンだった。そして、笑顔で剣を鞘に収める。

「確かに彼は魔王軍幹部だった。でも、攻撃してきていないからには、勇者として、いきなり殺すのはシリルの言う通り、違うとは思う」

 なんて気のいいやつだ。カイは人間として普通の反応をしたまでだ。攻撃しないからといって、魔族を、しかも魔王軍元幹部を殺さないなんて、頭がイカれてるのではないか。

 ふと、今まで一度も発言をしていない剣聖シズに目を向けると、彼女の鋭い視線を受けた。彼女だけが、オレに対する警戒を一切緩めず、剣を構え続けている。

 彼女は勇者パーティー唯一の女性だ。かといって、「か弱いので守ってくださぁい」なんてわけではもちろんない、と思う。

 なんだか、彼女のオレに対する視線が怖くなってきたので、レオンたちに視線を戻した。

「なぁ勇者サマ、殺さなかったとして、この後オレをどうするつもりだよ」

 オレの言葉に、レオンは一瞬考えたが、すぐに話し始めた。

「ここで君を殺さずに野放しにするとする。

 もしも、もしもだよ?君が本当は魔王軍を抜けなんかなくて、人々を襲ったら?」

 口を閉じた勇者は、じっとオレを見つめている。これはオレへの問いかけなのだろうか。

「そりゃ、勇者御一行サマ面目丸潰れだろうな」

 思ったことをそのまま口に出すと、もちろんカイから鋭く睨まれた。

 勇者が再び口を開く。

「だろ?だから、考えたんだよね、殺さなかった場合、君を見張っとける方法!」

 なんだか、ものすごく嫌な予感がする。

「俺たちと、来い」

 嫌な予感が的中してしまった。

 レオンのその言葉に、シズは一瞬視線をオレからレオンにずらし、シリルは目を細め、カイは眉を跳ね上げ、声を荒げた。

「なんでだよ!お前頭イカれてんじゃねーか?

 この間まで敵だったヤツを普通仲間に入れるか?」

 オレも同感だ。

「いいんじゃないかちょうどもう一人後衛が欲しかったんだよね

 君、いつも前に出る方じゃなかったろ?」

 シリルが口を開いた。オレのこれまでの戦い方を覚えているとは…さすが賢者といったところか。

「あぁ、確かにそうだ。

 ところで、オレが勇者一行に入るとして、なにか、条件があるんだろう?」

 レオンが頷く。

「もちろん全く無条件、というわけにはいかない。一行に入るにあたって、三つ、約束してほしい」

 レオンは三本、指を立ててオレに向けた。

「まず、逃げないこと。

 次に、隠し事を絶対にしないこと。

 そして…」

 レオンが一歩オレに近寄る。

「裏切らないこと。

 もし、裏切るようなことがあったら、必ずオレが止める」

 まっすぐな視線がオレを貫く。

 これは、脅しなんかじゃない。レオンの、勇者の誓いだ。彼の声に滲んだ覚悟が、それを物語っていた。

今回から、後書きにキャラの一言入れていこうと思います。

毎回違うキャラにします!

今回は主人公くんです

名前は次回判明します!


??「勇者サマってどいつもこいつもレオンみたいに、

   頭イカれてやがるお人好しばっかりなのかなぁ」

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