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 月の乙女は語る。

 自分がルト孤児院の出身であること。自分が魔法使いの道に進むために、私から莫大な援助を個人的にしてもらったこと。私のことを尊敬していること。


 あれ?

 ルト孤児院のメイちゃんと、月の乙女のメイさんは、同一人物なのか。

 てっきり同姓同名かと思っていた。

 メイちゃんって、もっと年下のはずじゃあ・・・

 ひい、ふう、みい、あっ、確かにメイさんぐらいの年だ。

 ずっと、手紙でやりとりしていたからな。

 いや、ちょっと待てよ。

 私、月の乙女に、メイちゃんの自慢を長々としたことあったぞ。

 私の身内が、努力して魔法の勉強をしているって。私の誇りだと。

 本人に話していたのか?

 恥ずかしすぎるだろ。


 「魔王を封印するのが月の乙女の使命です」

 いや、それはおかしいだろ。前にも言ったけど、おかしいだろ。

 「国からいただいた名誉ある仕事です。封印魔法は私の命と引き換えになりますが、カーレット様にしていただいた多大なご恩をちょっとでも返せるのなら、よろこんでこの身を捧げます」

 私がそんなこと望むわけないだろ!

 よし。

 月の乙女も殴る。

 殴って目を覚まさせる。

 「ですが、私はあまりにも力不足で、魔王の元にたどり着くどころか、魔王兵にもかなわず殺されかけたところを、通りすがりのカーレット様に助けていただきました」

 メイさんが攻撃魔法の直撃を受けそうになった時に、邪魔と突き飛ばした時の話だな。

 「その時、月の乙女の使命を聞いて、カーレット様は怒って、私に同行していたサングワイト王子を殴ったのはびっくりしました」

 そりゃあ、殴る。

 月の乙女の命と引き換えに魔王を封印するって、なんだよそれ。

 その封印魔法に信憑性がないし、計画も杜撰としか言いようがない。

 なにより、私が気に食わない。

 アホ王子は止める立場にいる。

 「カーレット様は私に言いました。魔王軍の侵攻は私がくい止めるから、一年間は剣の修行をしなさい。そうしないと、魔王にたどり着くことなんてできないでしょう、と。私はカーレット様の言葉に従いました。ですが、その一年の間で、カーレット様は魔王を討伐したのでした」

 喧嘩を売られたら買うのが、私の主義だ。

 月の乙女の命を生贄に平和が守られるなんてことは、運命を決める奴がいるとするなら、そいつが喧嘩を売ってきたってことだ。

 でも、魔王討伐は偽名でやっていたのに何でばれているんだ?

 「偽名でつけた、謎のカーレット仮面。本当にカーレット様はセンスないですね」

 泣き笑いになるメイちゃん。


 月の乙女は、拘束され声が出せない私に言う。

 「もうすぐ魔王が復活するのですね」

 なんで、知っているんだ?

 いや、知っているよな。月の乙女だもんな。

 「カーレット様はまたひとりで魔王討伐に行くつもりですね」

 まあ、行くつもりだ。

 「また命をかけるつもりなんですね」

 命なんかかけないよ。

 勝てるよ。

 七割ぐらいの確率で勝てるよ。

 「私はカーレット様に死んでほしくなかった。だから、悪役令嬢にしたてあげ投獄して、魔王討伐に行けないように画策しました。サングワイト王子には協力してもらいました」

 あとで王子はぼこぼこに殴る。


 月の乙女の告白に、教室のみんなは涙目になる。

 私も涙目になる。

 ずっと、口枷をつけられたせいだ。

 それに気がついた月の乙女が、私の口枷を外した。

 声が出せるようになった私は、にっこり笑う。


 「クラリ・ルイス・ラーラ・ラリレット・トルクラリルイスラーララリレット」


 拘束解除の魔法詠唱。


 私の拘束が外れた。


 王子を含むクラスメイト全員をぶん殴った罪で、私は悪役令嬢として断罪されることになりました。

 判決は投獄。

 期間は復活した魔王が討伐されるまで。

 余談ですが、復活した魔王はみんなでぼこぼこにしたそうです。



                        おわり


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