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第1話 暴力

※これは恋愛小説です。残酷な描写はありません。

「お前は俺のことばかにしてんのか!!」

凄まじい罵声と手のひらが飛んでくる。


バシッッ!!

「いっ……!!」

痛いと言うことさえ、声にならず、わたしは意識が飛ぶ。


「もう出てけや!!うっとうしいな!!」


わたしは微かに戻ってきた意識と感覚を頼りに起き上がる。

こんな風に殴られるのは3度目……


まただ…また始まった……




―――1度目は2年前。

何が起きたのかわからなかった。家事をしてる、してないなどとケンカをしている時に、

「ウガーッ!!」

彼は今まで、見たこともない形相になり、暴れ出した。


そして、わたしの洋服を掴み、2階のベランダから撒き散らした。


「ちょっと!!何するの!!」

慌てて近寄ったわたしを見て、睨みつける彼。


「うるさい!!!指図するな!!!」

充血した赤い目をつり上げ、両手でグッと首を絞められた。


「うぇっ……」

わたしは苦しくて、息が出来なくなって、瞬時に殺される!!!と思った。


物凄い剣幕の彼。


手を払おうとしても、ガリガリのわたしでは太刀打ち出来るはずもない。


力が足りない…声も出ない…


もう終わりだ…誰か助けて…助けて…


祈るしかなかった。


でも彼は、涙をぼろぼろ流すわたしを見て

「ヤバイ」と思ったのか、手の力ををゆるめ、助かった。


わたしは怖くて、家を飛び出したが、すでに深夜。電車は動いてなくて、お金もない…


暗くなった駅の階段に座り、わんわん泣いた。


わたしたちは同棲してまだ3ヶ月しか経っていなかった……


親の反対を押し切って、勝手に出てきた手前、連絡も出来ず…


コワイ…

また殴られるかもしれない…

どうしよう…

どうしよう…


でも引っ越して来たばっかりで、友達はいないし、行くところがない…


寒い…寒いよ…


ガタガタと冬の寒気にさらされ、震えが止まらなくなった。


そんな時、母がいつも言っていた言葉が脳裏に浮かぶ。


「勝手に出て行く以上、あの人と何があっても帰って来てはいけない。覚悟して出て行きなさい」


その言葉が重くのしかかる。


わたしは…なんて自分勝手なんだろう…


母の言葉は冷たく聞こえるが、家を出るということは、そういう心構えでいなさいということ。


親に心配掛けたくない…


連絡できない…


迷いに迷った末。


仕方ない…

帰ろう…


また殴られたら、実家に電話しよう…


そう思い出した時、

「おい、帰るぞ」

正気に戻ったのか、彼がわたしを迎えに来た。


わたしは何も言わず泣きながら自転車に乗った…


※実話を元にしています。女性に対する誹謗中傷はおやめください。

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