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メッセージ  作者: 幸森丈二
第七章
41/47

証拠

 ホワイトボ-ドの上段には「本田英雄氏強盗殺害事件」と書かれている。ボ-ドの中心は事件の経緯と、殺害された元校長先生との関係を表した系図が、何人かの名前と共に書かれていた。二人用の長テ-ブルが六台、それぞれに陣取った十名が、ホワイトボ-ドと系図を指し示す課長の話を聞いていた。

「返済した借金、風間の過去、周囲の評判、それに傘の指紋。それだけだろ、今のところ・・・風間自身は未だ否認・・・どうだ、落とせるのか?」

「何度も同じ事を繰り返すのみですね、今のところは」篠山が応えた。

「ちょっと、雲行き怪しくないか。・・・あと、こいつのその後の情報は?」課長がボ-ドに書かれた芦野基久を差して言った。

「それなんですけどね」篠山は手帳を捲りながら話し始めた。

「今、木下さんが報告待ってます。それで、昨日お話しした内容に新たな情報を加えて報告しますと、芦野は校長の家に少なくとも三度は行った事があります。校長は年に一回教師たちを自宅に招いてバ-ベキュ-なんかの懇親会を開いていました。芦野はそこに二回参加しています。教頭の話です。それとあと一回は校長の娘、春江さん。今は西南中学で教師をやっていますが、春江氏が自宅から引っ越しをする時に手伝いをした事があるようです。彼女の話によりますと、引っ越し業者に任せていたが、何故か芦野自身が自ら手伝いを名乗り出た、と言う事です。いずれにしましても、芦野と言う男は、校長の家の中、配置ですとか、各部屋が誰の部屋なのか、などを知っていた可能性は十分あります」

 課長は芦野の下に書かれた、業者四十万・知人斉藤十二万・知人吉田十万を指差し「金もこのタイミングで返済か」と言った。

「借金の全容はまだ分かりませんが、まだあるかも知れません」と篠山は付け加えた。

 その時、会議室のドアが開いて木下が入って来た。

「課長、出ました」

 皆が木下を注目した。

「大学時代からの友人、斉藤康夫に返した十二万から、指紋が出ました」

 課長は「ん、どういう事?」と訊いた。

「斉藤氏に返した現金十二万は、運よく封筒のまま斉藤氏が所持していましたが」

「それは聞いた」課長が頷いた。

「その十二万の四枚から、本田氏の指紋が検出されました」

 課長以外の九名がお~っと声を上げた。

「と言う事は、芦野が知人に返した現金は本田氏の物であると・・・」

「言う事です」木下が続けた。

「分かった。良く調べた木下。じゃぁ、皆も準備にかかってくれ」

 座っていた皆は一斉に席を立ち、会議室から出て行った。



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