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80 目覚め


 目の前にはまさに海兵隊と言った風貌の3人が立っている


「部屋間違ってませんか?」

 


「かーっ、大将よぉ、寝すぎてボケちまったんですかい?」


 信じたくはない、信じたくはないがこの3人は間違いなく‥‥

「貴方たちの事は初めてお会いしますけれど」


「全く、大将もどうしようもないなぁ‥‥俺らですよ」


 やめて! 聞きたくない、言わないで今すぐどっか行って!


「大将の召喚獣のノームですよ」


「な、なんだって!」

 知ってた、召喚獣との繋がりで分かってた。


「ハヤト隊長がこの姿にしたのではないのですか?」

 あれ? 以外、とばかりにタクティアが聞いてきた。


「俺は一切かかわって無いよ、それで? お前らその姿はどうした?」


「どうしたって言われやしてもねぇ‥‥うちらは元からこの姿ですから」


 駄目だ、言葉を話せるようになっても話が通じない、要するにこいつらも分かって無いんだろう、言葉を話せるようになったのも‥‥まぁいいや気にしないでおこう


「分かった、俺はもう大丈夫だからお前たちはもう戻っていいぞ」


「そうですかい? じゃぁあっしらは失礼しますよ」

 ニカッと笑う


 表情も変わるのか‥‥いったいどうなってるんだか、ん?


 水差しを置いて魔法陣に消えようとするノーム達の手に、袋が握られているのを気づいた。


「ちょっと待てお前ら」


「へい、なんですかい?」


「その手に持っている袋は何だ?」


「これですかい?」

 手に持っている袋を持ち上げる

「これは酒ですがね」


 酒? パナンのシロップじゃなくてか?


「何でお前ら酒なんか持ってるんだ?」


「そりゃ、買ってきましたからねぇ」


「そっか、ならもう戻ってもいいぞ」


「へい、じゃぁこれで‥‥」


 ん?

「まてまてまて!」

 

「え? なんすかい?」


「金はどうした?」


「ちゃんと払いましたがね」


「そうか‥‥いや違う、どこにそんな金があった?」


「どこにって‥‥そりゃ大将の金ですがね」


「お前ら勝手に使ったのか!」


 俺がここで寝ている時、ノーム達はちょくちょく外に出て酒を買い、この部屋で酒盛りをしていたらしい、支払いは魔道具に手を触れたらちゃんと払うことが出来たと言っていた。

 召喚者と召喚獣は繋がっているので、それを通じて俺の『財布』から支払えたようだった。


 ただ勝手に俺の金を使うのはどうか? と注意したが

「勘弁してくださいよ、こっちは大将の身の回りの世話で大変だったんすよー? オシメとかも俺達が変えていたんですから」


 こいつらにオシメも変えられていたと聞いて、何も言えなくなった。

 申し訳ないとかは思わないけれど、ショックだった‥‥


 これ以上何も言いたくなくなったので、ノーム達3人を返すことにした

 最後に何故パナンのシロップじゃなくて酒なんだ? と聞いたら


「あんなのはガキの飲む物でさあ」

 と言っていたが、そもそもパナンのシロップは飲み物ではない


 ノームが帰還したのを見届けて

「タクティア、この後ってどうなってる? 休暇とか取れそう?」

 正直仕事したくない


「ええ、他の3人の隊員達は1ヵ月休暇を取りましたから、もう一月休暇を取ったら、一時的に別の部隊に配属される事になるでしょう‥‥とは言っても前線ではなく、緩衝地帯の村や町への駐留部隊としてですね。

 私は本部での仕事がありますし、ソルセリーはハヤト隊長が休暇を終えるまで休むことが出来ます、一応ハヤト隊長は、破損した防具などの修理があると思って、長期の休暇を申請しておきました。どのくらい休むかはハヤト隊長次第になってます」


 へー取らせてもらえるのか、軍に正式に入ったからもう無理だと思ってた。

「そっか、ありがとう、あと、休暇が終わったら今度はどこに行くことになる?」


「軍では休暇が終わり次第、大陸東部の前線に配属されるはずだったのですが、ゴルジア首相から『待て』がかかりまして」


「首相が?」


「はい、今回ハヤト隊長が瀕死の状態になってしまった事は軍に責任があると、それでゴルジア首相がハヤト隊長が前線に行くのは認められないと」


 首相が俺の給料の半分を出してるから、俺をどうこうする権利がある‥‥んだったな確か


「なのでしばらくの間は、緩衝地帯付近の村や町の駐留部隊として配属される事になるでしょう、ソルセリーもいるので、私もそれに賛成ですね」


 

 その後もタクティアとこの後の話をし、怪我も完治し意識が戻ったことで退院することになった。一旦俺は家に帰る事にし、タクティアに別れ際


「召喚者殺しって聞いたことある?」


「召喚者殺しですか? いえありませんね、どこでそれを?」


 俺が改造した穂先が黄色に光る槍を見せる

「これを出した時にさ、マシェルモビアの兵に「召喚者殺しを何で持っている?」って言われたんだよね」


「ほう‥‥」


「そしたらそこにいた敵の召喚者が、出していた召喚獣を魔法陣に返したんだよ」


「‥‥少し調べてみます、何かそう言った報告が上がっているかもしれませんから、その槍お借りしてもいいですか?」


「うん、持って行って」


 タクティアは槍を受け取り

「それとハヤト隊長、あのお店の主人が意識が戻ったら一度来て欲しいと言ってましたよ」


 オヤスが?

「分かったよ、空いたら行って見る」


「お願いします、多分顧問として話が聞きたいのでしょう」


「‥‥顧問ってなに?」


 

 いつの間にかオヤスの会社の顧問になっていた俺は、とりあえずはゴルジア首相から借りている家に戻る事にした。

 そして家に入ったとたん浮かび上がる黄色の魔法陣


 デュラ子かな? それにしても‥‥どいつもこいつも勝手に出てくるんだな


 出て来たのは予想どおり、黒の軽鎧姿のデュラ子‥‥‥‥誰!?

「デュラ子‥‥だよな」


「はい、主よこの度の怪我からのご快復おめでとうございます」

 そう言ってデュラ子? は頭‥‥上半身を下げた、そしてその状態のまま‥‥


「主よこの度は申し訳ありませんでした」

 そのまま俺に対して謝ってきた。


 多分ソルセリーの『消滅』で俺を守り切れなかったからだろう、でもそれはしょうがない、あんなのを食らってしまったら、誰だって耐える事なんかできない、逆にデュラ子が間に入ってくれたらかアレで済んだと思っている


「顔を‥‥上半身を上げてくれデュラ子、お前があの時割って入ってくれたからアレで済んだんだ。もし間に入ってくれなかったら俺は死んでいたと思う、だからお前は立派に役割を果たしたぞ」


「あ、いえ、そちらの事では無く、主にせっかく作っていただいた鎧を失ってしまって‥‥」


「ん? あれ、そっち?」

 まぁ、鎧は作ればいいんだけれど‥‥、それは置いといて

「デュラ子、お前少し変わったか?」


 その言葉でビクリとデュラ子は体を震わせ、そして、そのまま土下座の体制に入った。

「も、申し訳ありません主よ! せっかくの主に買って頂いた服を着ることが出来なくなってしまいました!」


 頭を押し付けるではなく、首の根元を床に押し付けるように謝ってくる


 服が着れなくなったのは今のデュラ子の姿の事だろう

「まぁまぁデュラ子、取りあえず立ちなさい」

 そう言っても土下座をするデュラ子を何とか立たせ、デュラ子を観察する。


 まず顔が変わった、変わったと言ってもまるっきり違う顔になったのではなく、どこか大人っぽくなっている、前が10代後半だとしたら、今の顔は20代前半だろう、身長も伸びている様だし‥‥それに


 胸がデカくなった! 素晴らしい! 

 もしかしたらお尻もちょっと大きくなったかもしれない、なるほどな、コレだと服もサイズが合わなくなるか、これは仕方ない、ただ、ノームの姿が変わったのを事前に見ていたので、デュラ子が成長? してもあまり驚かなかった。


 さて、今日は一日ゆっくりと休もうと思っていたが‥‥


「デュラ子、靴はどうだ? 足のサイズは変わったか?」


「いえ、足の大きさは変わってはいませんでした」


「そうか、所でその姿になった原因は何だ? 何か分かるか?」


「何故体が大きくなったのかは分かりません、しかし、だいぶ前から体の調子が少し変でした」


「調子? 悪かったのか?」


「いえ、その逆です、むしろ調子がいい位でした」


「ふむ・・・」

 分からないか‥‥ノームもそうだったけれど、分からないならどうしようもないな、ま! それはいいか、それよりも‥‥

「よしデュラ子これからお前の服を買いに行くぞ」


「いけません主よ! そのような事に主の大事な金銭が使われてしまうのは、服が着れなくなったのは私の責任です、なので!━━」


「デュラ子よ、お前が責任を感じるのは分かる、でもな、お前が肉体的に成長したのはしょうがない事だし、なにより、俺がお前のセクシーな姿を見たいんだ。それが俺の楽しみでもあるし、お前だって色々な服を着てみたいだろ? だから‥‥な?」


「あ、主よ‥‥」


 涙を流し感激するデュラ子だが、俺の方は邪な考えを持っていた。

 デュラ子を一旦魔法陣に帰しても良かったのだけれど、それだとせっかく作ったバギーに意味がなくなる


「その軽鎧姿だと俺の背中がいたくなるから」

 と言って、今ギリギリ着れる服を着させた、ピッチピッチの服装でバギーの後ろに乗せた時、背中に感じるあの柔らかさは何とも言えぬ良い物だった‥‥


 

 良い物だった‥‥



 その日、昼前に買い物に向かい、帰ってこれたのが、辺りが完全に真っ暗になってからだった。

 

 女の買い物はなんとやら‥‥‥



 ・・・・


 ・・・・


「明日は早起きして色々やる事があるから宜しくね」

 鳩の姿をした召喚獣ポッポに、朝に起こすようお願いしてその日は眠りに着いた。

 召喚する時ポッポも姿が変わっていたらどうしようと思ったけれど、姿は変わらずポッポは白い色の鳩の姿だ、安心した



 ・・・・


 ・・・・


 つんつん


「ん‥‥」


 つんつん


「んあ‥‥」

 何だか顔を突っつかれてくる


 あ、朝か‥‥


 ゆっくりとまぶたを開ける、まだ視界はぼやけているが、起こしてくれたポッポに挨拶をする

「ポッポおはよ‥‥」


 朝の挨拶をしようとポッポの居る場所に目を向けると、ポッポの居たであろう場所には、白い羽が散乱していて、その散乱した羽の上には‥‥


 

 







 (たか)がいた



「‥‥‥‥」


 え?


「ポッポが食われた!!」


 俺は直感的にそう感じた



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