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7 早朝ランニングと日課

 鳩の一日は早い

「ホーホーホッホー、ホーホーホッホー、ホーホーホッホー」


「うん‥‥‥ん゛」

 

 朝と同時に鳴き出す鳩は自分には都合がいい、この世界で太陽が昇るのは決まって午前5時、朝に軽く走りそして朝食、そのあと勉強などが始まる。

 召喚獣というのは召喚する時には結構は魔力を消費するが、一度召喚してしまうとこの世にとどめておくための魔力は結構少ない、とは言っても召喚獣の種類によるが


「はいはい、おはようさん」

 ポッポの首の辺りを軽く撫でてあげると、気持ちいいのか自分の首を預けてくる

「クルルルル」

  

 以前ミャマーさんから貰った魔力蓄積量を上げるための水晶があったが、あれは自分で意識して魔力を流さなければいけない、しかし召喚獣の場合は維持をするために勝手に魔力が使われる、寝ているときでも出来るというので効率がいい

 

 召喚獣というのは結構頭がいいみたいで、「朝になったら起こしてね」とお願いしたらちゃんと起こしてくれた。

 一応保険として、お願いした初日に一緒に目覚まし時計もセットしておいたんだけど‥‥‥‥

「ジリリリリ・『ガチャン!!』」  ドン! ガツガツガツ!!

 物凄い音がして慌てて起きると壁が少しへこんでおり、その下ではポッポが目覚ましを激しく突っついていた。

 鳩ってこんなに力あったっけ?と思いつつ、突かれてバラバラになる寸前の目覚ましを見ていた。

 というわけで部屋には今目覚まし時計がない。


「ポッポ行くよー」


 走るための支度をしてポッポに呼びかける、バササーと飛んできて頭の上に陣取る

 役場職員寮を出て、朝の澄んだ空気の中走り出す、いつものことながら風が気持ちいい。


 以前は1時間で5,6㎞がせいぜいだったが今では9㎞も走れるようになった、だいぶ変わってきたなーと思う、変わるといえば、召喚の契約をして1週間がたつが、自分の周りの環境もかなり変わってしまった。

 いろんな人達が俺を訪ねてくるようになった、個人であったり、会社や行政、軍とある研究施設など、理由は召喚獣のポッポだ、本来決められた姿、名前があるにもかかわらず、全く違う姿、名前を勝手に付けられて召喚されたからだ。

 

 人が召喚獣を使役出来るようになって歴史的に初めてのことだったから、それを知った召喚に関わる仕事をしている人・団体は情報を求めて、てんやわんやになった。


 俺がポッポを召喚したのは実は秘密にされるはずだった、ミャマーさんとその時一緒にいた施設の担当者、そしてごく一部の国の関係者には箝口令かんこうれいが敷かれた。

 

 だが漏れたのだ。


 漏らした人間はミャマーさん、同僚と一緒に飲みに行き酔った勢いでバラしてしまった。

 変わった召喚獣を召喚したという報告書を提出したが、それを受け取った国の方からすぐさま連絡が入り口止めをされたのた。

 にもかかわらずミャマーさんは漏らしてしまった、それを周りの人がしっかりと聞いておりあっという間に広がってしまった

 一日に二度もポカしたミャマーさんは現在謹慎中であり、今の俺の担当はナタルさん30歳の女性の方で髪はショート色は黒からやや明るめ、スラっとしたスタイルの出来る感じの女の人だ、ミャマーさんもそうだったけどこの国の人はやたらと見た目が若い人が多い、秘訣があるのかそれともこの世界の人の特徴なのかな?


 折り返し地点にたどり着く、見晴らしのいい丘の上でカバンの中から水筒と塩漬けの大根に似た味のダイモを取り出す、そう沢庵だ、この世界のスーパーのようなところでブラブラしていた時ついに見つけたのだ、それを一切れ口の中に入れる


「うん、うんまい」


 塩と程よい甘さがちょうどいい


「ポッポも食うか?」


「クルッポー」


 バササと頭から降りてきて塩漬けのダイモをついばんでいる、この召喚獣は糞をしないから助かる、頭の上でやられたらもう召喚しないかもしれない

 

 水筒から水を一口飲み、休憩中のにいつもやっている魔法の練習をする、走っている最中にも聖火ランナーのように右手から火を出し続けて走ったり、体に水を掛けたり冷やしたり、風で乾かすなどしてかなり効率がいい練習が出来ている。


『水よ・回れ』

 魔力から作られた水の塊が回転をし遠心力でだんだん形が薄くなっていく、刃物のように薄くなり回転している水を離れたばしょに投げる、それに当たった物はスパンとキレイに切られる


 そうやって今やっているのはただの草刈りだ、座っているところを中心にキレイに雑草を刈っている、一瞬だけ出すよりも、長い間出し続けている方が良い練習になるそうだ。

 心躍る便利な魔法だが、要注意な所もある。それは『火』『水』『風』『土』『雷』『氷』の6種類は属性魔法とも言われ取り扱いに気を付けなければならない。

 と言うのも、この6種は特殊であり同じ属性例えば『火』魔法に『火』魔法をぶつけるとその魔法は消滅して魔力に還ってしまうが、別の属性同士だとぶつかった瞬間に爆発してしまうという危険な物だった。

 例外もあり、固形の魔法『土』『氷』にとある別のサポート魔法を掛けると、ぶつかっても大丈夫だったり、その他にも混合魔法なんてものもある。

 色々覚えなければならないところがあるが、それはのちのち覚えて行こうと思う


 さて、刈った草があると見た目が悪いので風魔法で一か所に集め土魔法で穴をあけそこに草を埋める、風での草の移動・土での穴あけぐらいだと詠唱は必要ないくらいには上達した


「今日もいい仕事したなー、戻るかポッポ」


「クルッポー」

 バササと飛び定位置の頭の上に鎮座する


「さて帰りはどうやって帰るかな‥‥‥‥んー派手に帰るか」


 雷魔法を発動し体の周りに展開しスパークさせる、もちろんポッポを避けるように、自分では良くわからないが、多分神々しい感じになって見えるだろう。

 この場所には人がいないが、人がいる所に入ったら間違いなく迷惑だろう、放電した人が走り回っているんだから危ない、見つかったらこの国のお巡りさんに通報されるのは間違いなし。


 

 でも大丈夫まだ朝早い時間だし人なんかいないだろう、大丈夫大丈夫バレなきゃいいんだ

大丈夫大丈夫・・・・



 ◆◇


 人というのは愚かなもので、以前失敗をしたとしても忘れまた同じ過ちを繰り返してしまう、人という生き物がそのように出来ているのか、人以外もそうなのか





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