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4 初等部と全力ダッシュ

 この国にも学校というのは存在し4つに分かれている


初等部 3歳から5歳まで、これは日本でいうと幼稚園に当たる

中等部 6~13 小学校相当

高等部 14~19 中学高校相当

各種専門の学校 20~26 (任意で技能やエリート養成、学校により年数は違う)


「「「「「「おおきなおおきなお山にのぼりぃーー」」」」」」


 日本での成人は20歳だが、この国では25歳が成人となる、大学に通ってていつも思うのは

 こいつらは本当に大学生か? 中学生が紛れ込んでるんじゃないのか?

 という生徒がちらほらといた。


「「「「「「おかぁさんがー作った おべんとぉお持ってぇー」」」」」」


 授業中床で寝ていたり、携帯ゲームにいそしんでいる者もいた。

 そういうのを見ているので、この国の25歳成人といのを聴き、とくに変だとは思わなかった、20歳はまだまだ子供だ。


「「「「「「友達みんなと手をつなぁいでぇー」」」」」」


 そして人というのは、昔普通にしていたことが出来なくなったり、苦痛に感じることがある

例えるなら、虫を手で触ったり土遊びをしたり、気持ち悪いから、手が汚れるのが嫌だからという理由で、俺は今現在この場所にいることに、心から悲しくなり苦痛すら感じている、いつになったら開放されるのか。

 そう思うと無性に叫びたくなる


「み゛ぃ゛ー!んなでぇ゛ーー!!パナン゛を!!たべぇ゛たーい゛な゛ーーぁ゛ー!!!!」


 あまりの悲しさに思わず大声を出してしまった俺に、いきなり大きな声をだした自分に周りの同級生がビクッ!となるが、それでテンションが上がったのか、そのあとはクラス全員大声で大合唱だ、これにはピアノで伴奏をしていた先生も思わずニッコリ


 俺がこの世界に来て、今自分のいる立場を日本の人たちに分かりやすく伝えるなら


『上武 隼、20歳、幼稚園児』だ。




 地球とは全く違った星に来た、となったら普通は混乱するだろう、ただ俺の場合2週間ほどベッドの上での生活だった、

 よく分からない言葉を発して、お世話をしてくれる看護婦さんらしき人、俺との意思の疎通を測る為に一生懸命身振り手振りで会話を試みる人。そしてなにより、一日おきに来ては自分の手を光らせ、その光を俺の体の中に沈めていく人、明らかに光が体の中に入ってから痛みが和らいだり、今さっきまで動かなかった手や足が少しだが動くようになっていた。

 

そういうのを見ていると「ここには魔法のようなものがあるのかなー、多分地球ではないんだろうなぁ」と思うようになっていた。


 骨というのは折れたときどのくらいでくっつくのだろうか?結構ボキボキに折れていたはずなんだけど、入院して3週間後には無事退院できた、

 

入院中に身振り手振りで意思の疎通をしていた人、名前をミャマーというらしい、

フルネームは『ミャマー・ブrrrブeeel 』巻き舌すぎて分からない、とりあえずミャマーさんだ

この人が退院後のお世話もしてくれるらしい、

 

 昭和初期のオート三輪を四輪にして、1BOXくらいの大きさで、なおかつハイカラにしたような自動車? に乗せられてこれから別の場所に移動させられるらしい、不思議なのは全くエンジンの音がしなかったこと、タイヤが地面を転がる音しかしなかった、そして見た目は昔の古い車だけど、揺れを全然感じなかった、地球よりも発展した星なのかなーと考えていた、ちなみに窓にはカーテンがあり、移動中外は見てはいない。


 連れてこられた場所は宗教施設というのが分かる、確証はないが何となくそう思った。

 太い柱が何本もありその全てに、上から下まで見たことのない文字が彫られていた、そしてあれは人型の像?

2体の女性の像に向かって両手を胸に当て頭を下げている人が何人もいる、お祈りだろう。

 

 祈っている人たちの後ろを通り過ぎ、大きな扉のある部屋へと通される。

そこには赤と青の2種類の文字? 模様? が記されたものが床にあったこれはどう見ても‥‥‥


 魔法陣、かな?

 

 ミャマーさんに魔法陣の方に進むように促される、それに逆らうことなく最初は赤の魔法陣へ進み出る、そして魔法陣の中央へ。

 すると、立派でゆったりとした服装をした男性が、胸を両手に当て頭を下げる仕草をしてこちらをちらりと見る

 

 同じことをすればいいのかな?

同じお祈りのような姿勢を取るとその男性はニッコリとほほ笑み頷く、

 

 男性は魔法陣の外で両足を折り跪き、左手で右腕お掴み軽く指先で魔法陣にふれ何かを呟いた。

瞬間、赤い色の光が足元から上に突き抜けた、この時、この世界には魔法があると確信できた、トリックとかそういうものでは絶対にない、光が体を通り抜けるとき、体の中を弄られるようなというか、作り変えられるような感覚があったからだ、

 

 本物だよ本物! 病院?で光を体の中に入れてくる男の人もそうだったけど、ミャマーさんも何にもないところから果物っぽいのを出したりしてたし! 


 全身鳥肌小刻みに震える体、人生で一番の感動がここにあった。だがこの魔法陣が何なのかが分からない


 生贄とかじゃないよね‥‥‥‥

 

 続けて青の魔法陣へ、こちらは青の光が通り抜けるとき何かを体の中に置いて行かれるような感覚があった、


 ミャマーさんに、’終わりだよ行こうか’みたいなジェスチャーをされたので、ゆったり服装の男性に一礼してその建物を出る、そして次の場所に行こうと自動車?に乗った時ふと思った


 今のって、洗礼とかじゃないよね?入信するとは言ってないけど。



 次に連れてこられたのは幼稚園、みんなお揃いのポンチョのような上着に短パン、園の中で走ったり、騒いだり楽しそうにしている、


 やたらと若くて巨乳の先生らしい人がミャマーさんに衣服を渡し、ミャマーさんがそれを自分に渡してくる。 

 

 ん? 何ミャマーさん、コレを着れと? あの子供たちと一緒の衣装なんだけど? ‥‥‥‥あー、ああーあーそういうことね

 

 姉の洋子が見たら悶絶死しそうな格好になってしまった


 自分達よりも大きい人が、自分たちと同じ格好をしているものだから、俺の周りに園児が殺到する、大人気だ。

みんな友達になりたいんだろう、こうして幼稚園児生活がスタートした。

 言葉を話すことが出来ないから園児たちとふれあうことで、話せるように(勉強)するためだと理解したのですんなりと受け入れた


 日がたつにつれて、言葉も大分話せるようになってきたし、字の読み書きも専属の先生を付けてもらっている

 友達も出来た、友達? ・・うん、友達だ、年齢が離れすぎてるけど。

 

 名前は『ケンタ君』と『コトン』ちゃんだ、名前を聞いた時


「ケントゥアルクゥ」


「えっ?ケンタ君?」

 

 というやり取りがあって以来ケンタ君と呼んでいる、本人も気にしてないしいいだろう、元気な男の子だ、

 もう一人のコトンちゃんは女の子、初等部の中で一番俺のそばにいる時間が長い、一緒にいる間はずーっと喋り続けている、目のパッチリしたとっても可愛らしい子だ、俺が言葉を話すのがかなりの速さで上達できたのは、多分この子のおかげだと思う。



 初等部に入ってから1年ほど経った時だった、コトンちゃんと一緒に座って話をしているとき、ケンタ君が

「今日も走れないの?」と聞いてきた、たまたまいたミャマーさんが「走れないとはどういうことか?」となり、俺の体のことを初めて話した、子供のころから心臓が悪くあまり動くことが出来ないと、

 ミャマーさんと側で話を聞いていた巨乳の先生は、少し驚いた後、前に行った宗教施設の魔法陣のことを話してくれた、分からない単語が色々と出てきたので時間をかけてゆっくりと

 

 『防病の契約』

赤の魔法陣で契約をすると生涯病気にかかることがなくなる、また病気になっている場合は完治する早ければ早いほどよく、生まれてすぐ契約をするものもいる


 

 あまりにも自然すぎて気づきもしなかった、胸の痛がいつからしなくなったのか思い出せないが、たしかにこっちの世界に来てから痛みを感じたという記憶がない。

 

 説明を聞いた後、少し走ってみる。前ならこの時点で痛みがある、でも無い、

 もう少しスピードを上げてみる、痛みはないが少し苦しい、でもこれは元々体力がないから苦しいんだ

 

 全力で走ってみる、苦しくて苦しくて、足が止まりそうになる、ケンタ君やコトンちゃん、他の子達も走ってきた、どんどん抜かれていく、みんな笑顔だ俺も笑顔になる、視界がぼやけてきた前がよく見えない、

 笑いながら泣いていた、もう走れなくなり立ち止まりその場で膝をつき嗚咽する、周りに子供たちがいるが気にならない、嬉しくて嬉しくて泣くことしかできない、

 人間は本当に心から嬉しいことがあると泣くんだなーと思った


 ミャマーさんは軽く目頭をおさえ、先生はもらい泣きしている、

ケンタ君は自分が何かしてしまったのかと思い込んでオロオロしている

コトンちゃんは「大丈夫?痛いの?大丈夫?」俺が泣き止むまであたまを撫でてくれていた



 俺はは今日、21年目で初めて走ることが出来た。




 ・・・・・


 ・・・



「ハヤトおせぇー」

 こう叫ぶのはケンタ君である。


 何とか気持ちが落ち着いて冷静になり、今クラス総出で鬼ごっこの最中だ、


「ケンタこっち来ないで!」

 

 俺は現在ケンタ君に追われている、ケンタ君は鬼になると必ず俺に向かってくる、ついさっき全力で走れるようになったばかりなので簡単に追いつかれ、息も上がってかなり苦しい、苦しいけど最高に楽しい、幼稚園や小学校で出来なかったことを二十歳過ぎた今満喫中だ、簡単にタッチされ今度は俺が鬼になるが‥‥


 正直追いつけない、直ぐにバテてしまう、するとコトンちゃんが颯爽と俺から鬼をもらってケンタ君を追っかける


「コトンこっちくんなー」


 あっけなくコトンちゃんにタッチされ、ケンタ君が鬼になった。

するとケンタ君は俺を見つけるとこっちに・・・・以下ループ


 

 

 

 

 


 

 


 

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