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1 到着

「今、移転門の反応が!」



反応があった瞬間、魔法を発動し反応の種類そして場所を特定する


「いえ! 似たような反応ですが少し違います、


しかし緩衝地帯にはありえない現象です急ぎましょう!」



 ハルツール国主席、イディ・アンドリナは敵対国との緩衝地帯に当たるこの地で『不自然な空間の歪みあり』との報告を受け、探知系の魔法に優れたものを数名調査に出したが結果、良い報告が得られなかった。


 よって空間探知の魔法については国1番の実力を持つ、イディ本人が調査に出ることとなった。


 敵対国との緩衝地帯、本国側に近い場所とはいえ、国のトップが出るのだから綿密な計画の元、かなりの数の偵察を放ったうえでのの調査だった。


 そして今回、有るはずの無い場所からの移転門の反応、敵対国の工作によるものなのか、それとも別の何かか、イディを警護する兵達は周りを警戒しつつ、いつでも戦闘ができるような状態で森の中をイディと共に走り抜ける。



「前方オーガ発見、数1!」



 20メートルほど先行していた兵士が声を上げる


 兵士が見たのは体長4メートルほどのオーガが、オーガ自身の腕の3倍以上ありそうな木材を振り上げた瞬間だった。



「っ! 人が」



 人らしき物が地面に倒れているのを見た兵士は、何もない場所から金属の細い杭のようなものを取り出しオーガに向かって投げつけた。

 放った瞬間杭は炎に包まれる。火の魔法により杭は爆発的な加速をし、オーガの振り上げた右腕の肘を貫いた。 


「GYAAAAAAA!!」



 腕を貫かれたオーガは杭が飛んできた方角を振り向き敵意を剥き出しにして兵士へと襲い掛かってきた



「よし! こっちにこい」


「・・・・GUAA・・・・」「GUAA・・・・」「・・GU・・AA・・・」



 最初のオーガの悲鳴が届いたのか、辺りから無数のオーガや他の魔物らしい声が響いてくる



「こっ! こんなにいるのか!? 偵察の奴らは何をしてたんだ!」


「今の悲鳴で他の魔物をよびよせたか?」


「はい! それとオーガのいた場所に人が倒れています」



 イディを護衛する本隊が、先行する兵士に追いつき合流する



「主席、前方に人が倒れているそうです!」

 護衛部隊の隊長がその場を瞬時に判断し、直ぐに的確な指示を出す、そして先行していた兵士に襲い掛かってくるオーガを、横から切りつける。

「この場で集まってくる魔物を討ち取る! 主席に近づけさせるな!」

 


「「「「おおっ!」」」」


「倒れている人物は私が!」

 イディは倒れている人に駆け寄り生きているか確認をする


「大丈夫ですか! 意識はありますか?」



 見ただけでかなりの大怪我なのは分かったが、声をかけた瞬間見開いていた眼球が僅かに動く、右腕が不自然に曲がっていたり頭から血を流してはいる、朦朧としているものの意識はあるようだしかし呼吸は弱々しい、見た目は若い感じがするまだ少年のようだ。



「すぐに楽にしてあげますから」



 後ろではオーガの悲鳴で呼び寄せられた魔物と、兵士たちの戦いが始まっている、もともとかなりの数の屈強な兵士達を連れてきているので、この場で治療しても問題ないだろう



『癒し』よ



 イディの右腕が青白く光り、怪我をした少年の体の中に光が沈んでいく、回復効果のある魔法で、一気に全快するわけではないが、かけた瞬間から呼吸がしっかりしたものとなる



「どうですか? 回復魔法をかけましたからもう大丈夫ですよ」



「・・・・&#@%<・・・・」



 少年が言葉を発してすぐにまぶたが閉じられる、イディは少しヒヤッとしたが心臓が動いていることを確認するとホッとため息を漏らす。


 意識が朦朧としていて呂律が回ってなかったのか、少年が何を言ったかまでは分からなかった。


 そして少年のすぐそばには、人と同じくらいの大きさで、不思議な形をした少しひしゃげた金属塊がそこにはあった。


 


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